認知評価
課題と方法
デイヴィッド・M・ダンクリー
カーク・R・ブランクスタイン
ジンデル・V・シーガル
「人の中には自分でも気づいていない何千もの考えがある。それは、ペンを手にして書き始めるまでわからない。」
― ウィリアム・メイクピース・サッカレー『ヘンリー・エズモンド』
この章では、認知評価(cognitive assessment)を行う際の概念的および方法論的な課題について説明します。私たちは、人間の認知機能(考える働き)を情報処理という観点から説明できると考えています。この視点は、臨床(治療の現場での)評価にも役立つと考えられています(例:Williams, Watts, MacLeod & Mathews, 1998)。
このモデルでは、人間は次のように描かれています。
- 積極的に情報を探し、選び、利用する
- 内部(自分の考え)や外部(周囲の出来事)の情報を使って、現実に対する理解を作り上げる
この活動は認知システムの基本的な特徴であり、さまざまなレベルで異なる内容を生み出します。
情報がシステムを通過する過程は、統合的(組み合わせる)であり、相互に影響し合うものと考えられます(Neisser, 1976)。しかし、研究の多くは次の3つのレベルに注目しています。
3つの認知レベル
- 認知構造(Cognitive Structures)
- 情報処理を導く、意識に上らない思考の枠組み(スキーマ)
- 認知過程(Cognitive Processes)
- 外界からの情報を変換し、意味を理解する方法
- 認知産物・内容(Cognitive Products/Content)
- 意識できる考えやイメージ
これらは世界についての知識を整理する枠組みとして働きます。そして、思考がどのように進行するかを導き、最も意識しやすい思考の結果を生み出します(Segal & Swallow, 1994)。
認知評価の方法と手順
これまでに、思考を評価するためのさまざまな分類方法が提案されています(Glass & Arnkoff, 1982; Kendall & Hollon, 1981)。最近では、GlassとArnkoff(1997)が認知評価の方法を以下の4つの次元で整理しています。
認知評価の4つの次元
次元 | 説明 |
---|---|
時間的側面(Temporality) | いつの思考を評価するか(過去・現在・未来) |
構造化の程度(Degree of Structure) | 思考の評価方法(選択肢から選ぶ vs. 自由に考えを述べる) |
反応形式(Response Mode) | 回答の方法(書く vs. 話す) |
刺激の種類(Nature of Stimulus) | 何について考えを述べるか(一般的な考え、想像上の場面、ビデオ、ロールプレイ、実際の状況) |
また、Blankstein & Flett(1990)は、評価する人の視点を加えた5つ目の次元を提案しています。
5つ目の次元
- 思考の評価者(Source of Thought Evaluation)
- 思考を評価するのが本人か、**第三者(研究者・専門家)**か
評価方法の分類
この分類によって、以下のような評価手法の連続体が得られます。
- 現在の思考の評価(今まさに考えていることを調べる)
- 過去の思考の評価(過去に考えたことを思い出してもらう)
また、評価方法は構造化の程度でも整理できます。
評価の方法 | 特徴 |
---|---|
構造化された方法 | 事前に決められた選択肢から選ぶ形式(質問紙やアンケート) |
自由記述の方法 | 自分で考えを自由に述べる形式(思い出した内容を記述) |
認知評価の具体的方法
- 自発的な発話の記録
- 被験者やクライアントの実際の自己対話を録音し、後で分類・分析する。
- 課題:沈黙が必ずしも思考の欠如を意味するとは限らない。
- 思考発話法(Think-Aloud Procedure)
- 特定の課題を行いながら、その瞬間の考えを口に出してもらう。
- ATTS(Articulated Thoughts in Simulated Situations)
- シミュレーション状況での思考発話を求める手法。
- 例:社交不安を引き出すために、社会的批判を受ける場面を音声で提示する。
- 方法:10~15秒ごとに考えを話してもらい、2~3分の刺激を使用。
これらの方法は、訓練を受けた評価者が被験者の内部対話の意味を特定の認知理論に基づいて解釈します。
- 認知評価の具体的技法
- 認知評価の次のレベル
- 1. ランダム思考サンプリングと経験サンプリング法(Experience Sampling Method: ESM)
- 2. 自己モニタリング手法
- 3. 日常過程デザイン(Daily Process Designs)
- 4. ビデオ映像を使った思考再構成
- 5. 思考リスト作成法(Thought Listing)
- 6. 自己陳述インベントリー
- 臨床面接による認知評価
- 認知プロセスと構造を推測する他の方法
- 各種自己報告法の利点と限界
- 収束的操作アプローチ
- 認知評価の妥当性への脅威
- ✅ 質問票による測定の有効性と限界について
- ✅ 認知評価の文脈的手がかりについての考察
- ✅ 認知評価の心理測定学的性質
- ✅ 不安の認知評価
- ✅ 不安に関連する代表的な認知評価法
- ✅ まとめ
- ✅ Anxious Thoughts Inventory (AnTI; Wells, 1994)
- ✅ 不確実性への耐性の低さ(Intolerance of Uncertainty)
- ✅ 社会恐怖に関連する認知評価
- ✅ パニック障害と広場恐怖に関連する認知評価
- ✅ 強迫観念と強迫行為に関連する認知評価
- ✅ トラウマ関連認知評価
- 心配の結果尺度(Consequences of Worrying Scale)
- 強迫性障害におけるメタ認知を評価する自己報告尺度
- 認知プロセス
- 不安と抑うつにおける認知の違い
- 思考サンプリングと考え声出し手法
- 認知構造/組織
- 抑うつの認知評価
- 認知産物
- 認知様式
- 否定的予期と絶望感
- 今後の課題
- 認知構造/組織
- 自己評価に関する測定ツール
- 認知プロセス
- 課題と今後の展望
- 認知的構造/組織
- 抑うつの認知評価におけるプライミングの役割
認知評価の具体的技法
認知評価における時間的・構造的な次元の連続体(Figure 5.1より)
具体的技法 | 時間的次元 | 構造的次元 |
---|---|---|
自発的な内的発話の記録 | 同時的(現在の思考を評価) | 非構造化(自由に答える形式) |
自由連想 | 同時的 | 非構造化 |
思考発話法(Think-Aloud) | 同時的 | 非構造化 |
ランダム思考サンプリング | 同時的 | 非構造化 |
自己モニタリング手法 | 同時的 | 非構造化 |
ビデオ映像を使った思考再構成 | 回顧的(過去の思考を評価) | 構造化 |
自己陳述インベントリー | 回顧的 | 構造化 |
思考リスト作成法 | 回顧的 | 構造化 |
臨床面接 | 回顧的 | 構造化 |
この図は、Glass & Arnkoff(1982)による認知評価の時間的・構造的次元に基づいた技法の分類を示しています。
認知評価の次のレベル
この連続体の次のレベルでは、自然環境におけるランダムな思考サンプリングや、自己モニタリングといった技法が用いられます。
1. ランダム思考サンプリングと経験サンプリング法(Experience Sampling Method: ESM)
- 概要:自然な環境で人々が日常生活を送る中で、思考を量的に測定する方法。
- 手順:
- ランダムまたは準ランダムな間隔で、携帯型の機械(ビーパーなど)から合図を送る。
- 合図を聞いたらすぐに、その瞬間の思考や経験、行動を記録する。
- 記録は、質問票に答えるか、物語形式で書くことで行う。
- 利点:
- 長期間にわたってデータを収集できる。
- 特定の環境の出来事に依存せず、思考の無作為なサンプルを得られる。
- 参考研究:Hurlburt (1997); Hurlburt & Akhter (2006)
2. 自己モニタリング手法
- 概要:特定の状況や時間に発生する思考を本人に記録してもらう方法。
- 利点:
- 重要だが発生頻度が少ない状況の情報を収集できる。
- 例:Westling & Ost (1993)は、パニック発作中に生じる苦痛な思考と症状の関係を将来的な視点で調査した。
- 課題:
- 反応性:記録行為が思考や行動に影響を与えることがある。
- 社会的望ましさ:他人に良く思われたい気持ちが内容を歪める可能性。
- 評価不安:他者の評価を気にして正直に記録できない場合がある。
3. 日常過程デザイン(Daily Process Designs)
- 概要:
- 認知理論と療法(Beckの理論)では、日常のストレス状況への評価と反応が重要。
- 日常過程デザインは、数日から数週間にわたって毎日のストレスと気分を記録する方法。
- 利点:
- 従来の回顧的な自己報告と比べ、時間の経過による記憶の歪み(回顧バイアス)を軽減できる。
- 認知的評価(例:他者からの批判の知覚)が気分の変動とどう関連するかを詳細に把握できる。
- 参考研究:Dunkley, Zuroff, & Blankstein (2003); Gunthert, Cohen, Butler, & Beck (2007)
4. ビデオ映像を使った思考再構成
- 概要:実際の場面やロールプレイによる問題状況のビデオを見せ、当時の思考を再構成する方法。
- 特徴:
- 回顧的手法:過去の経験を思い出しながら報告する。
- 思考の再現に役立つが、出来事が起こっている最中のリアルタイム報告ではない。
- 参考研究:Genest & Turk (1981)
5. 思考リスト作成法(Thought Listing)
- 概要:被験者が自分の考えをすべて書き出す方法。
- 特徴:
- 自由回答形式で、考え・期待・評価・イメージ・感情などを分類できる。
- 以下の3つのタイミングで実施可能:
- 過去の思考(例:試験直後の考えを記録)
- 未来の思考(例:試験前に考えを予測)
- 現在の思考(例:試験中に考えを記録)
- 参考研究:Blankstein, Toner, & Flett (1989); Cacioppo, von Hippel, & Ernst (1997)
6. 自己陳述インベントリー
- 概要:特定の思考を自己報告形式で評価する質問票を使用する方法。
- 特徴:
- 事前に用意された肯定的・否定的な思考について、経験の有無や頻度を評価。
- 長期間にわたる認知活動(思考、感情、態度など)も測定できる。
- 利点:
- 臨床現場で最も一般的に使用される正式な認知評価手法。
- 課題:
- 認知を質問票で測定することへの懐疑的意見も存在する(例:Segal & Dobson, 1992)。
- 子ども向け:Ronan, Kendall, & Rowe (1994)は、子ども用の自己陳述インベントリーを開発した。
臨床面接による認知評価
- 臨床面接も、過去の認知を評価するための手段として使用できる。
- 例: 臨床家(カウンセラーや医師)がクライアントに「不快な状況を思い出し、その時に何を考え、何を感じていたか」を尋ねることができる(Glass & Arnkoff, 1982)。
- Mumma(2004)は、認知ケースフォーミュレーション(CCF)の中で患者固有の認知スキーマ(ICS)の妥当性を検証するための「個人内実証アプローチ」を提案した。
このアプローチは3つの段階からなる:
- 半構造化面接:重要な出来事や状況に対する思考や信念を引き出す。
- 認知の統合:患者の思考を精査し、認知ケースフォーミュレーションに統合する。
- 妥当性の評価:ICSの収束的・弁別的妥当性を、日々の苦痛症状の変動を予測することで評価する。
認知プロセスと構造を推測する他の方法
- これまで、認知を直接評価する方法に焦点を当ててきたが、自己報告形式やパフォーマンスに基づく手法も存在する。
- 例: ネガティブな自己スキーマを推測する方法(Segal, Gemar, Truchon, Guirguis, & Horowitz, 1995)。
- Segal & Cloitre(1993)は、感情障害の認知的特徴を研究するための多くの方法論を概説している。
- 注意の偏り
- 曖昧な刺激の解釈
- 判断
- 記憶プロセス
しかし、これらの方法は主に臨床認知研究で使用され、臨床実践で使われることは少ない。
各種自己報告法の利点と限界
- 構造化された評価法(自己報告式質問紙など)利点:
- 経済的である(低コストで実施可能)
- 採点と実施が簡便
- 臨床現場で使用しやすい
- 研究間で標準化できる
- 規範データ(一般的な基準)と心理測定特性を蓄積可能(Schwartz, 1997)
- データの豊かさが制限される
- 予測できない関係性を明らかにしにくい(Davison et al., 1997)
- 評価の構造化が進むと、被験者に対する「評価されている」という意識(評価特性)が増す(Glass & Arnkoff, 1982)
- 通常、得られるのは要約スコアのみ(Glass & Arnkoff, 1997)
- 産出法(思考発話法など)利点:
- 被験者の思考の流れをそのまま記録できる(Davison et al., 1997)
- 分析のために後からデータに制約を加える必要がある
- 指示の内容によって、報告される思考が変わる可能性がある
収束的操作アプローチ
- Webb, Campbell, Schwartz, & Sechrest(1966)によれば、複数の方法を組み合わせる「収束的操作アプローチ」が最適である。
- メリット:各方法の欠点を補完し、異なる方法で同様の結果が得られれば構成概念妥当性が向上する。
- しかし、複数の認知評価法を使用した研究では、特に質問紙(自己報告法)と産出法(思考リスト法)の間で収束的妥当性が低いことが多い(Chamberlain & Haaga, 1999)。
- 懸念:これらの方法が異なる認知概念を評価している可能性がある。
- 結論:多様な情報を必要とする場合、単一の方法より複数の方法を選択する方が有利である。
認知評価の妥当性への脅威
- 構成概念妥当性の問題は、特定の基準の予測やテスト内容の一致ではなく、認知プロセスそのものを測定できているかに焦点を当てる(Ghiselli, Campbell, & Zedeck, 1981)。
- 例: 自己陳述式質問紙では、特定の思考が存在するかどうか、頻度、信念の程度を評価する。
- 内容妥当性と構成概念妥当性は別の問題である。
- 例: 質問紙が人々の考えを正確に代表していても、回答がその人にとって何を意味するかは明確でない。
- 自己陳述式質問紙の実施時に、意味確認がほとんど行われない(Arnkoff & Glass, 1982)。
- 自己陳述の解釈に関する4つの可能性(Glass & Arnkoff, 1982, 1997):
- 頻繁に思考を報告する人は、実際の頻度ではなくその思考の重要性を示しているかもしれない。
- 被験者が経験した断片的な思考を、質問紙の文法的に正しい文に変換しているかもしれない。
- 思考そのものではなく、自己イメージに一致するために回答しているかもしれない。
- 例: 数学が苦手だと感じる女性が、「私は数学が苦手だから、やっても無駄だ」という項目に同意するが、実際にはその思考を経験していない可能性。
- 情動経験を言語に変換して報告しているかもしれない。
- 例: 「私はこれに本当にイライラしている」と報告するが、その感情を実際に経験していない可能性。
- 対策:「信念の程度」を評価する項目(例: Automatic Thoughts Questionnaire, Hollon & Kendall, 1980)を導入する。
✅ 質問票による測定の有効性と限界について
- 質問票(アンケート)で何を測定しているか、また回答がどのような意味を持つかについての懸念はあるものの、多くの質問票は基準関連妥当性(criterion validity)と予測妥当性(predictive validity)が確立されており、認知理論を研究する際に役立っている。
- さらに、これらの質問票は治療の効果に敏感に反応するため、臨床研究において成果を測定する手段として広く使用されている(Haaga, 1997)。
Glass & Arnkoff(1997)の提案
- 頻度スコアの解釈を助けるために、以下のような追加評価を行うべきと述べている:
- 強度(intensity)
- 顕著性(salience)
- 信憑性(believability)
- 制御可能性(controllability)
- 重要性(importance)
- これにより、質問票による測定が思考生成法(例: 思考記録法)の柔軟性に近づくと考えられる。
- また、臨床医は質問票で報告された思考について、クライアントにその主観的な意味を尋ねるべきと提案している。
✅ 認知評価の文脈的手がかりについての考察
- 認知評価を行う場合、異なる方法による文脈的手がかりに注意する必要がある。
- 例えば、対象となる認知は評価状況において自然に現れない可能性があるため、意図的に誘発する必要がある。
- 認知を活性化する方法としては以下のようなものがある:
- 気分誘導を行い、対象となる思考を呼び起こす(Segal & Ingram, 1994)。
- 特定の状況で質問票に回答させる(例: 社会不安を測る場合、人前で話す場面で回答させる)(Clark, 1997)。
✅ 認知評価の心理測定学的性質
- 以前は認知評価法が心理測定学的な問題を軽視されていたが、現在は**信頼性(reliability)や妥当性(validity)**に対する関心が高まっている(Clark, 1998)。
- 質問票による測定は思考生成法よりも心理測定学的な確立が進んでいるが、近年は「思考リスト法」「考えを口に出す方法」「思考サンプリング法」などの信頼性や妥当性にも注目が集まっている。
- **臨床実用性(clinical utility)**についても考慮すべきであるが、多くの評価法は日常の臨床実践で使用されることは少ないため、外的妥当性(external validity)に疑問がある。
✅ 不安の認知評価
- 不安の特徴として、認知的な側面が大きく関わっていると考えられており、以下の理論家が不安障害における不適応な認知の役割を強調している:
- Beck & Emery(1985)
- Mathews & MacLeod(1994)
- しかし、不安の完全な理解には行動や生理反応を統合する必要がある(Nelson et al., 1985)。
✅ 不安に関連する代表的な認知評価法
質問票名 | 目的 | 特徴 |
---|---|---|
Fear of Negative Evaluation Scale (FNE) | 他者からの否定的評価への恐れを測定 | 30項目の真偽形式、内部一貫性・再検査信頼性が高い |
Social Avoidance and Distress Scale (SAD) | 社会的場面での回避行動と苦痛を測定 | 28項目の真偽形式、信頼性が高い |
Anxiety Sensitivity Index (ASI) | 身体的な不安症状への恐れを測定 | 16項目、パニック障害のリスク予測に有効 |
Anxiety Sensitivity Index-3 (ASI-3) | 身体的・認知的・社会的な不安感を測定 | 18項目、信頼性と妥当性が改善されている |
Anxious Self-Statements Questionnaire (ASSQ) | 不安に関連する自己陳述の頻度を測定 | 32項目、信頼性と併存妥当性が高い |
Cognition Checklist (CCL) | 不安(12項目)と抑うつ(12項目)の認知を測定 | 不安と抑うつの区別が困難という批判がある |
University of British Columbia Cognitions Inventory (UBC-CI) | パニック・心配・身体症状・社会不安・抑うつを測定 | 77項目、各障害の特異的な認知を詳細に測定 |
Negative Affect Self-Statement Questionnaire (NASSQ) | 不安と抑うつに特化した子ども用自己陳述を測定 | 年齢別の尺度があり、子ども向け評価に有効 |
Penn State Worry Questionnaire (PSWQ) | 一般的な心配の傾向を測定 | 16項目、慢性的な心配を評価し、広く使用されている |
Worry Domains Questionnaire (WDQ) | 5つの非病理的な心配領域を測定 | 対人関係・自信不足・将来不安・仕事・金銭の5領域 |
✅ まとめ
- 不安障害に関連する認知評価では、特定の不安要素を測定する多くの質問票が存在し、信頼性と妥当性が確立されているものも多い。
- しかし、ある測定法だけではすべてを網羅できないため、複数の方法を組み合わせることが重要である。
- 研究や臨床実践でより正確な評価を行うためには、心理測定学的な性質や臨床での実用性を考慮する必要がある。
✅ Anxious Thoughts Inventory (AnTI; Wells, 1994)
- 概要:
- 22項目からなる質問票で、以下の3つの側面の心配傾向を測定する。
- 健康に関する心配
- 社会的な心配
- メタ心配(心配についての心配)
- 有効性: 内的整合性(項目間の一貫性)、妥当性(正確に測定できるか)、治療効果への感受性が十分にある(Wells, 2006)。
- 22項目からなる質問票で、以下の3つの側面の心配傾向を測定する。
✅ 不確実性への耐性の低さ(Intolerance of Uncertainty)
- 定義:
- 将来の否定的な出来事が起こるかもしれないという可能性を受け入れられない傾向。
- 事象の発生確率に関係なく、不確実性を許容できない。
- 測定方法:
- Intolerance of Uncertainty Scale(Buhr & Dugas, 2002)。
- 関連性:
- 不安感受性(身体的な不安症状に対する恐れ)と関連するが、独立した概念である(Carleton et al., 2007)。
✅ 社会恐怖に関連する認知評価
Social Interaction Self-Statement Test (SISST; Glass et al., 1982)
- 概要:
- 異性との直接的な社会的交流後の自己陳述を評価する。
- ポジティブな思考15項目とネガティブな思考15項目で構成。
- 特徴:
- 社会恐怖症の患者は、ネガティブ項目で高得点、ポジティブ項目で低得点を示す(Becker et al., 2001)。
- 異性との交流、同性との交流、即興スピーチの3つの状況での妥当性が確認されている(Beazley et al., 2001)。
Appraisal of Social Concerns (ASC; Telch et al., 2004)
- 概要:
- 社会的脅威に対する懸念の程度を評価する20項目の自己報告尺度。
- 3つの下位尺度:
- 否定的評価(Negative Evaluation)
- 観察可能な症状(Observable Symptoms)
- 社会的無力感(Social Helplessness)
- 有効性:
- 内的整合性・妥当性が確認されており、社会不安障害の治療効果を検出できる(Telch et al., 2004; Schultz et al., 2006)。
✅ パニック障害と広場恐怖に関連する認知評価
Agoraphobic Cognitions Questionnaire (ACQ; Chambless et al., 1984)
- 概要:
- パニック発作時の認知的歪みを評価する14項目からなる質問票。
- 不安を感じたときにどのくらい頻繁に考えるかを測定。
- 有効性:
- 信頼性: 再検査の安定性は高いが、項目間の一貫性は低い。
- 妥当性: 治療による変化を検出し、広場恐怖症と正常群を区別できる。
Panic Appraisal Inventory (PAI; Telch et al., 1987)
- 概要:
- パニック発作に対する評価を測定する45項目からなる質問票。
- 3つの下位尺度で構成。
- 3つの下位尺度:
- 予期不安(Anticipated Panic): 広場恐怖状況でパニック発作が起こる可能性の評価
- パニックの結果(Panic Consequences): 発作による壊滅的な結果への懸念
- 対処信頼感(Coping): 将来のパニックへの対処能力の自信
- 有効性:
- 内的整合性、治療感受性、収束・弁別妥当性が高い(Feske & De Beurs, 1997)。
Body Sensations Questionnaire (BSQ; Chambless et al., 1984)
- 概要:
- 自律神経亢進による身体感覚(例: 心拍の増加)への恐れを測定。
- 批判点:
- 危険をテーマとする認知を十分に反映していない(Khawaja & Oei, 1998)。
Catastrophic Cognitions Questionnaire – Modified (CCQ-M; Khawaja et al., 1994)
- 概要:
- 危険に関連する認知を測定する21項目の質問票。
- 感情、身体、精神の3つのカテゴリーで構成。
- 有効性:
- まだ広く使用されていないため、さらなる研究が必要。
✅ 強迫観念と強迫行為に関連する認知評価
質問票名 | 内容 |
---|---|
Padua Inventory – WSU Revision | 強迫観念と強迫行為を測定する39項目の質問票。元のPadua Inventoryより不安との重複を減少(Burns et al., 1996)。 |
Obsessive Compulsive Thoughts Checklist (OCTC) | 過去1週間の強迫観念を測定する28項目の質問票(Bouvard et al., 1989)。 |
Cognitive Intrusions Questionnaire | 健康、恥ずかしい状況、許容できない性的行動など6つのテーマにわたる侵入思考を測定(Freeston & Ladouceur, 1993)。 |
Revised Obsessional Intrusions Inventory (ROII) | 侵入的な強迫観念、イメージ、衝動の頻度と認知戦略を評価する質問票。心理測定特性は良好(Purdon & Clark, 1994)。 |
✅ トラウマ関連認知評価
Posttraumatic Cognitions Inventory (PTCI; Foa et al., 1999)
- 概要:
- トラウマ関連の思考と信念を評価する33項目の質問票。
- 3つの下位尺度で構成。
- 3つの下位尺度:
- 自己に対する否定的認知
- 世界に対する否定的認知
- 自己非難
- 有効性:
- 性的暴行被害者で有効性が確認されたが、自己非難は他のトラウマ(例: 交通事故)では機能しにくい(Beck et al., 2004)。
不適応なメタ認知の重要性は、不安障害において研究者や臨床医によってますます認識されるようになっています。思考に関する信念、すなわちメタ認知的信念は、全般性不安障害や強迫性障害と関連していることが示されています。Cartwright-HattonとWells(1997)は、メタ認知質問票(MCQ)を開発しました。これは65項目からなり、以下の5つのメタ認知的信念の下位尺度があります。
- ポジティブな心配に関する信念
- 思考の制御不能性と危険に関するネガティブな信念
- 認知的自信の欠如
- 一般的な思考に関するネガティブな信念(迷信、罰、責任のテーマ)
- 認知的自己意識
MCQは信頼性と構成概念妥当性に優れ、全般性不安障害や強迫性障害の患者と、パニック障害や社会恐怖症の患者を区別することができます(Wells, 2006)。
WellsとCartwright-Hatton(2004)は、MCQの短縮版である30項目のMCQ-30も開発しました。MCQ-30は元のMCQと同様の5因子構造を示し、十分な心理測定特性を有していることが確認されています(Wells, 2006)。
心配の結果尺度(Consequences of Worrying Scale)
Davey、Tallis、Capuzzo(1996)は、全般性不安障害を持つ個人の心配に対する信念を評価するために、29項目からなる自己報告式の「心配の結果尺度」を開発しました。この尺度には以下の5つの下位尺度があります。
- ネガティブな結果
- 心配が効率的なパフォーマンスを妨げる
- 心配が問題を誇張する
- 心配が感情的な苦痛を引き起こす
- ポジティブな結果
- 心配が動機づけに影響を与える
- 心配が分析的思考を助ける
これらの5つの下位尺度は、十分な内部一貫性と妥当性を示しています(Davey et al., 1996)。
強迫性障害におけるメタ認知を評価する自己報告尺度
強迫性障害のメタ認知内容を評価するために、以下の2つの自己報告尺度が開発されています。
- 侵入思考の解釈質問票(III; Interpretation of Intrusions Inventory)
- 強迫性認知作業グループ(OCCWG; 2003)が開発
- 31項目からなり、不快で苦痛を伴う侵入的な思考、イメージ、衝動に対する解釈を評価
- 被験者は過去2週間に経験した2つの侵入思考に対する信念の強さを評価
- 強迫性障害患者、非強迫性の不安患者、一般成人、大学生を対象とした研究で、内部一貫性と妥当性が確認されています(OCCWG, 2003)。
- メタ認知的信念質問票(MCBQ; Meta-Cognitive Beliefs Questionnaire)
- Clark、Purdon、Wang(2003)が開発
- 67項目からなり、不快で苦痛を伴う侵入思考に関連する制御の重要性やネガティブな結果に関する信念を評価
- 大学生を対象とした研究で構成概念妥当性が支持されていますが、臨床サンプルにおける一般化可能性のさらなる検討が求められています。
認知プロセス
不安の認知的評価には、自己報告式の質問票以外にも、さまざまな構造化された思考測定が用いられています。
ButlerとMathews(1983)は、20の曖昧で脅威的なシナリオを解釈する質問票を使用しました。
- 被験者は各シナリオについて以下を評価しました。
- 主観的なコスト(「それはあなたにとってどれほど悪いですか?」)
- 主観的な発生確率
- 不安を抱える被験者は、非不安群よりも曖昧な内容をより脅威的に解釈し、主観的なコストを高く評価しました。
この結果から、彼らは不安と「危険スキーマ」の利用可能性との相互作用を示唆しました。Williams(1985)は「認識された危険」を測定する方法を記述し、これは特定の行動に対する否定的な出来事の発生確率に対する認識として定義されました。
不安と抑うつにおける認知の違い
MacLeod、Tata、Kentish、Carroll、Hunter(1997)の研究では、以下のことが示されました。
- パニック障害患者は、より多くのネガティブな経験を思い出し、ポジティブな経験を思い出すことが少ない。
- 抑うつ患者は、ポジティブな経験を思い出すことが少ないが、ネガティブな経験の増加は見られなかった。
この研究は、不安と抑うつで認知が異なり、不安を抱える人は過去よりも未来に対するネガティブな思考に焦点を当てがちであることを支持しています。
思考サンプリングと考え声出し手法
より自由な形式の認知評価として、思考サンプリングや考え声出し手法が使用されています。
- Last et al.(1985)は広場恐怖症患者がショッピングモールでの曝露セッション中に考えていることを記録させました。
- Hofmann et al.(2004)は、社会恐怖症患者が認知行動療法(CBT)の治療中に自己認識の変化を調査しました。
- WilliamsとRappoport(1983)は、広場恐怖症に対する認知療法と曝露療法を比較し、被験者が考えていることをテープに記録させました。
これらの研究は、認知評価が臨床研究や実践において有用であることを示しています。
認知構造/組織
現在の認知的概念化は、不安障害を持つ個人が各障害に関連する特定の否定的な認知を支える不適応的な信念を持っていると仮定していますが、さまざまな不安障害におけるこれらの機能不全な態度や信念を評価する自己報告式の質問票が開発されたのは比較的最近のことです。
- 社会的思考と信念尺度(STABS)
- 作成者:Turner、Johnson、Beidel、Heiser、Lydiard(2003年)
- 概要:社会不安障害を持つ個人の病的な認知を評価するための21項目の自己報告式質問票。
- 評価内容:社会的交流を予期または経験する際に特定の思考や信念がどの程度当てはまるかを評価。
- 信頼性:内部整合性と再テスト信頼性をサポートする証拠あり。
- 他の障害や健常者との識別能力を持つ。
- パニック信念目録(PBI)
- 作成者:Wenzel、Sharp、Brown、Greenberg、Beck(2006年)
- 概要:パニック障害患者が身体的および感情的な経験に対して破滅的な反応を示す可能性を高める機能不全な態度と信念を評価する35項目の自己報告式質問票。
- 信頼性:内部整合性、有効性、臨床変化に対する感受性を示す証拠あり。
- 強迫信念質問票(OBQ)
- 作成者:強迫観念認知作業グループ(OCCWG)(2003年、2005年)
- 概要:強迫性障害の重要な信念領域を評価するために開発された87項目の質問票。
- 因子分析:3つの因子をサポート。
- 責任感/脅威評価
- 完璧主義/確実性
- 思考の重要性/制御
- 44項目版(OBQ-44):臨床および非臨床サンプルにおいて良好な内部整合性と有効性を示す。
深層構造の評価
- 認識されることなく行動から推測される「深層」構造の評価も行われています。
- 例:Goldfriedら(1984年)の研究では、社会不安を持つ大学生が「評価される可能性」を最も重視し、「親密さ」や「学問的関連性」は低く評価。
注意バイアスの研究
- 不安障害を持つ人々は脅威に関連する情報を選択的に処理する傾向がある。
- MathewsとMacLeod(1985年)の感情的ストループ課題:
- 不安群は脅威的な言葉(例:「病気」、「棺」)を中立的な言葉(例:「歓迎」、「休日」)よりも色名を答えるのに時間がかかる。
- ドットプローブ課題(MacLeod et al., 1986年):
- 不安群は脅威に関連する刺激に対してより注意を向ける、または注意をそらすのが難しい。
- 社会不安障害の研究では、顔の表情を用いた修正ドットプローブ課題がより有意な結果を示す。
- MathewsとMacLeod(1985年)の感情的ストループ課題:
注意バイアスの治療への応用
- MacLeodら(2002年)の研究では、非不安群は脅威的な刺激から注意をそらす訓練が可能であることを示唆。
- 臨床サンプルへの応用にはさらなる研究が必要。
残された課題
- 思考リストや思考発話プロトコルの採点基準の標準化。
- 認知構造や深層処理に関する定義の明確化。
- 不安と抑うつの注意バイアスの違いの解明。
- 一般化不安障害(GAD):軽微な外的否定的刺激に対する注意バイアス。
- うつ病:否定的な自己関連刺激に対する注意バイアス(Mogg & Bradley, 2005年)。
- パニック障害と抑うつ障害の違い(Lim & Kim, 2005年):
- パニック障害:潜在的注意バイアス(身体的脅威、否定的な言葉)。
- うつ病:顕在的注意バイアス(否定的な言葉)。
今後の研究では、不安および抑うつ関連の認知と認知プロセスの違いを明確にする必要がある。
抑うつの認知評価
抑うつにおける認知評価の多くは、紙と鉛筆を使った検査であり、患者の思考内容や根底にある態度・信念を測定することを目的としています。特に、自己関連の説明や課題遂行からのフィードバックに対する情報処理の仕方に焦点を当てた研究が多く見られます。また、特定の状況における自動思考や自己陳述を想起する方法も臨床面接で広く用いられています(Beck, Rush, Shaw, & Emery, 1979)。
認知産物
1. 自動思考質問票(ATQ; Hollon & Kendall, 1980)
- 概要
- 過去1週間において30の否定的な自動思考がどの程度頭に浮かんだかを評価。
- 各思考の信憑性を5段階で評価。
- 項目例
- 「もう続けられない」
- 「誰も私を理解してくれない」
- 「すべてが無意味だ」
- 信頼性と妥当性
- 内部整合性と構成概念妥当性を示す証拠あり(Dobson & Breiter, 1983; Hollon & Kendall, 1980)。
- 因子分析による4つの因子
- 個人的な不適応と変化への欲求
- 否定的な自己概念と期待
- 低い自己評価
- 無力感と諦め
2. ポジティブ自動思考質問票(ATQ-P; Ingram & Wisnicki, 1988)
- 概要
- 抑うつにおける肯定的な自動思考の頻度を評価。
- 信頼性と妥当性
- 優れた内部整合性と他の認知測定との適切な収束的および弁別的妥当性を示す(Ingram et al., 1995)。
3. 完璧主義認知目録(PCI; Flett et al., 1998)
- 概要
- 完璧主義に関連する自動思考を評価する25項目の質問票。
- 信頼性と妥当性
- 臨床および非臨床サンプルで十分な信頼性と妥当性を示す(Flett et al., 1998; Flett et al., 2007)。
- 完璧主義に関連する思考が抑うつや不安と関連。
認知様式
1. 帰属様式質問票(ASQ; Peterson et al., 1982)
- 概要
- 再構成された学習性無力感モデルに基づく抑うつ帰属の評価。
- 達成と対人関係に関する12の仮想的シナリオについて、各状況での結果の原因帰属を評価。
- 評価次元
- 内部性:原因が自己にあるか他者・環境にあるか。
- 安定性:原因が将来も同様に影響するか。
- 包括性:原因が他の生活領域にも影響を及ぼすか。
- 問題点と改訂
- 内的整合性が弱く、良い結果に対しては3次元を区別できない。
- Bagby et al. (1990) の因子分析では、良い結果と悪い結果の2因子が最適な解とされた。
- 改訂版として、悪い出来事に特化した拡張版ASQ(EASQ; Metalsky et al., 1987)が開発され、より高い信頼性を示す。
- 実際の出来事に対する帰属評価
- 仮想的なシナリオよりも、実際の否定的な出来事に対する帰属評価の方が抑うつとの関連が強い可能性がある(Brewin & Furnham, 1986)。
否定的予期と絶望感
1. 絶望感尺度(HS; Beck et al., 1974)
- 概要
- 未来に対する絶望的な見方を評価する20項目の自己報告尺度。
- 信頼性と妥当性
- 高い内部整合性と妥当性を示す。
- 精神科外来患者において自殺を予測する指標となる(Brown et al., 2000)。
- 臨床的意義
- 自殺リスクを特定するスクリーニングツールとして有用。
- Goldston et al. (2006) によると、絶望感の特性、状態、ランダム誤差成分が自殺行動と関連。
2. 確率評価アプローチ
- 概要
- 学業などの領域での成功や失敗の確率を評価。
- 結果
- 抑うつ者は成功を過小評価し、失敗を過大評価する(Alloy & Ahrens, 1987)。
- 絶望感尺度よりも抑うつ的な悲観主義を間接的に測定する可能性がある。
今後の課題
- 思考リストや思考発話プロトコルの標準化。
- 抑うつに関連する認知構造や深層処理の定義の明確化。
- 否定的な自動思考だけでなく、肯定的な思考パターンも含めた包括的な評価手法の開発。
認知構造/組織
現在の認知的概念化は、不安障害を持つ個人が各障害に関連する特定の否定的な認知を支える不適応的な信念を持っていると仮定していますが、さまざまな不安障害におけるこれらの機能不全な態度や信念を評価する自己報告式の質問票が開発されたのは比較的最近のことです。
自己評価に関する測定ツール
- Beck自己概念テスト(BST)
- 作成者:Beck, Steer, Epstein, Brown(1990年)
- 概要:Beck(1967年、1976年)が抑うつの中心的な特徴として説明した「自己に対する否定的な見方」を評価する自己報告式のテスト。
- 内容:
- 対人関係における自己評価を25の次元で測定。
- 性格(例:善良、利己的)
- 能力(例:知識が豊富、成功している)
- 適性(例:知的、運動能力)
- 美徳(例:親切、几帳面)
- 悪徳(例:怠惰、貪欲)
- 対人関係における自己評価を25の次元で測定。
- 信頼性と妥当性が確認されており、不安とは関連しないことから抑うつに特異的である可能性が示唆されている。
- 認知バイアス質問票(CBQ)
- 作成者:Hammen & Krantz(1976年)、Krantz & Hammen(1979年)
- 概要:抑うつに関連する非合理的な思考パターンを評価する。
- 内容:
- 対人関係や達成に関連する6つの問題状況を提示。
- 被験者は状況に対して登場人物が考えそうなことを想像し、4つの選択肢から最も近いものを選択。
- 選択肢は以下の2つの軸に基づく:
- 抑うつ的か非抑うつ的か
- 歪んでいる(非合理的)か歪んでいないか
- 例:「金曜の夜に一人でいる場合」の反応:
- 抑うつ的かつ歪んでいない反応:「寂しく感じる」
- 抑うつ的かつ歪んでいる反応:「この先もずっと一人で過ごすのではないかと想像してしまう」
- CBQの信頼性は中程度で、4週間および8週間後の再テスト信頼性も確認されている。
- 認知反応テスト(CRT)
- 作成者:Watkins & Rush(1983年)
- 概要:抑うつに関連する認知の歪みを測定。
- 内容:
- 36項目の文章完成形式。
- 例:「上司が大規模な人事異動をすると言った場合、私はすぐに思うことは…」
- 回答は次の3つに分類:
- 合理的(Rational)
- 非合理的(Irrational)
- 評価不能(Nonscorable)
- 非合理的な回答はさらに2つに分類:
- 抑うつ的非合理(自己、過去、未来に対する否定的な見方を含む)
- その他の非合理
- 高い評定者間信頼性と、抑うつ者と他の群(医療、精神科、健常者)の識別能力が確認されている。
- 抑うつのための文章完成テスト(SCD)
- 作成者:Barton, Morley, Bloxham, Kitson, Platts(2005年)
- 概要:抑うつに関連する多様な思考を引き出すために設計。
- 内容:
- 48項目の短い文章完成形式。
- 例:「私は…と思う」「一般的に物事は…」
- 回答を「否定的」「肯定的」「中立」に分類。
- 抑うつ患者は否定的な思考が多く、肯定的な思考が少ないことが確認されている。
- 良好な構成概念妥当性、内部整合性、評定者間信頼性が確認され、CBT(認知行動療法)のケースフォーミュレーションにも有用。
認知プロセス
- 自己焦点化注意の評価
- 自己焦点化文章完成課題(SFSC)
- 作成者:Exner(1973年)
- 内容:30項目の文章完成形式。
- 例:「私は…を望む」「鏡を見ると…」
- 評価基準により以下の10項目に分類:
- 自己焦点化(肯定的、否定的、中立)
- 外部焦点化(肯定的、否定的、中立)
- 両義性
- 中立
- 抑うつ者は自己焦点化が多く、外部焦点化が少ない傾向にある。
- 自己意識尺度(SCS)
- 作成者:Fenigstein, Scheier, Buss(1975年)
- 内容:
- 3つの下位尺度から構成。
- 私的自己意識(自分を理解しようとする傾向)
- 公的自己意識(他者がどう思うかを意識する傾向)
- 社会不安
- 抑うつとの関連性が複数の研究で確認されている。
- 3つの下位尺度から構成。
- 自己焦点化文章完成課題(SFSC)
- 反応スタイル質問票(RSQ)
- 作成者:Nolen-Hoeksema & Morrow(1991年)
- 内容:
- 抑うつ気分に対する反応を測定。
- 2つの下位尺度:
- 反芻反応尺度(RRS、21項目)
- 気晴らし反応尺度(DRS、11項目)
- 抑うつの予測因子としての有効性が確認され、RRSは特に安定性が示されている。
課題と今後の展望
- 認知構造と認知プロセスの違いを明確にする必要がある。
- 認知行動療法の効果を高めるため、個別の思考パターンを特定し、日常の認知変化を追跡する研究が求められている。
以下は、提供されたテキストの高校生にも理解できるように逐語的に正確に日本語に翻訳したものです。
認知的構造/組織
**ベック(1967年; ベック他、1979年)**は、抑うつ症状において、ネガティブな自己スキーマが活性化されることで、自分を否定的に見る傾向が強まり、過去、現在、未来の経験を主にネガティブに解釈するようになると提案しました。活性化されたネガティブな自己スキーマは、スキーマと一致した情報の検索を促進します。ベックの理論によれば、ネガティブな自己スキーマは、主に否定的な個人的情報と、自分の価値を評価するためのルールが含まれる高度に組織化されたネットワークを構成しています。自己スキーマの測定は、内容と組織の両面で、抑うつ研究者にとって現在も課題となっています。
**ディスファンクショナル・アティテュード・スケール(DAS)**は、抑うつ障害に関連する比較的安定した態度を特定するために設計された自己報告式のアンケートです(Weissman, 1979; Weissman & Beck, 1978)。ディスファンクショナル・アティテュード(DAS)は、自己スキーマの予測因子を反映していると考えられており、これが主要な抑うつ障害に対する認知的脆弱性の指標として提案されています(Ingram, Miranda, & Segal, 1998)。DASは3種類の形式があります。元々の100項目のアンケート(DAS-T)は、研究であまり使用されることはありません。そのDAS-Tから、2つの40項目の並行形式(DAS-AとDAS-B)が作成され、DAS-Aが最も一般的に使用されています。
DAS項目は、他者からの承認、幸福の前提条件、または完璧主義的な基準に関する仮定として記述されています。例えば、「見た目が良く、知的で、金持ちで創造的でないと、幸せになることは難しい」「自分が間違えると、人々は私を軽く見るだろう」「誰かが私に反対すると、それは私を嫌っている証拠かもしれない」といった項目です。DASは、抑うつ症状を持つ患者や精神的に健常な対照群の患者に広く研究されています。DASの短縮版は高い内部一貫性を示し、時間の経過によって安定性も確認されています(Oliver & Baumgart, 1985; Weissman, 1979)。DAS-Aの因子分析では、一貫して2つの因子が得られました:完璧主義と承認欲求(例えばImber他, 1990)。これらの因子は高い内部一貫性を持ち、強く相関しています(Zuroff, Blatt, Sanislow, Bondi, & Pilkonis, 1999)。DAS-Aの完璧主義は、抑うつ治療におけるネガティブな結果を予測したが、承認欲求は予測しなかった(Blatt & Zuroff, 2005)。これにより、DAS-Aの完璧主義と承認欲求のスコアを別々に研究することが重要であることが示唆されています。
治療された抑うつ患者におけるDASスコアの安定性に関する議論
DASスコアが治療された抑うつ患者のサンプルにおいて安定しているという報告もあれば、大きな変化が見られるという報告もあります。Zuroff他(1999年)の研究では、抑うつ気分の程度に応じてDASの平均スコアが変化するだけでなく、抑うつ症状が減少したにも関わらず、個々の患者は依然としてディスファンクショナル・アティテュードの相対的な位置を維持していることが示されました。Zuroff他は、DASスコアがある程度、気分状態に依存しているだけでなく、かなりの程度で特性(トレイト)としても安定しているという「状態-特性モデル」を提案しました。このモデルは、その後のDASスコアの観察を最もよく説明しているとされています(例えばOtto他, 2007)。
DASの同時的妥当性は複数の研究でテストされていますが、構成概念妥当性の評価は少ないです。DASは抑うつの重症度やネガティブな自動思考(認知的歪み)と中程度の相関を示しました(例えばDobson & Shaw, 1986; Hamilton & Abramson, 1983; Hollon他, 1986)。DASは、抑うつ患者と精神的に健常な対照群のグループを識別できますが、抑うつに特有ではありません。一般化不安障害、神経性食欲不振症、パニック障害、または持続的抑うつ障害を持つ患者も異常なDASスコアを示すことがあります(Dobson & Shaw, 1986)。
DASは、認知療法や抑うつ治療の効果を評価するためにも使用されています。いくつかの研究では、DASが臨床的改善に敏感であることが示されています。例えば、Jarrett他(2007年)の研究では、再発性大うつ病患者が認知療法で治療を受けた後、DASにおけるディスファンクショナル・アティテュードの変化が大きく、臨床的に有意であり、2年後のフォローアップでも持続していたことが示されています。DAS-Aスコアの限定的な変化も、治療後に部分的に無症候性だった抑うつ患者において、抑うつ症状の再発までの短い期間を予測することが示されています(Beevers他, 2003年)。
DAS-A短縮版
最近、アイテム応答理論(Item Response Theory)を使用して、DAS-Aの9項目短縮版が開発されました(Beevers他, 2007)。これらの短縮版は、オリジナルの40項目DAS-Aと高い相関(r = .91~.93)を示し、内部一貫性も十分であり、治療中のDAS-Aと同様の変化を示しました。また、抑うつの重症度や治療前後の抑うつの変化を予測しました。
DAS-A完璧主義と治療結果の関係
以前の研究では、DAS-A完璧主義が抑うつ治療の不良な結果を予測することが示されています(Blatt & Zuroff, 2005)。しかし、最近の研究で、完璧主義の「自己批判的評価」と「個人的基準」の次元が区別されることが示されました(Dunkley他, 2006)。その結果、DAS-A完璧主義が「個人的基準」を反映しているのではなく、むしろ「自己批判的評価」に関係していることが示されています。したがって、DAS-A完璧主義が治療結果に悪影響を及ぼすという以前の解釈を行う際には、「自己批判的評価」に焦点を当てることが重要です。
抑うつの認知評価におけるプライミングの役割
いくつかの研究(例えば、Miranda他, 1990年)は、抑うつに傾向がある人々が、ネガティブな気分の中でDASスコアが高くなることを示しています。SegalとIngram(1994年)は40を超える研究をレビューし、プライムなしで評価した場合、抑うつ的な認知処理を発見した研究は20%のみだったのに対し、プライムを使用した場合は80%以上の研究が抑うつ的な認知を検出したと報告しています。この結果は、抑うつリスクが高い人々が、一時的なネガティブな気分状態によってネガティブな自己スキーマが活性化され、ディスファンクショナルな態度がアクセスされやすくなることを示唆しています。
このパターンは、認知内容(DASスコア)、情報のエンコードと検索(形容詞の回想)、注意(ジコティックリスニング課題におけるエラー追跡)など、さまざまな認知分析のレベルにまたがっています(Scher他, 2005)。これらの結果から、抑うつ的な認知構造/スキーマが活性化されると、それが特定の認知的な影響を引き起こす組織的な構造となることが示唆されます。また、ネガティブな気分は強力な環境的な引き金となり、これまでオンラインで処理されていなかった認知構造を活性化する要因となる可能性があります。さらに、悲しい気分が引き起こす認知的な反応性の高さが、回復した抑うつ患者における再発を予測するのに有用であることが示されています(例えば、Segal他, 2006年)。
質問票をプライムとして使用することについての重要な問題
質問票が被験者の心的表象(メンタル・レプレゼンテーション)を活性化する能力を持つならば、他の方法と比較して便利で、標準化されており、時間効率が良いという利点があります。しかし、重要な懸念として、プライムとしての特異性が質問票によって大きく異なり、構造の活性化の程度にばらつきが生じる点があります。例えば、ASQ(Peterson & Villanova, 1988)、ATQ(Hollon & Kendall, 1980)、CBQ(Krantz & Hammen, 1979)は、活性化の程度に影響を与えるいくつかの違いがあります。それらの違いは次の通りです:
- 被験者に求められる反応の種類
- アイテムに回答するために必要なイメージの量
- 評価される認知レベル
そのため、質問票をプライムとして使用する場合は注意が必要です。
自発的な認知プロセスの影響を受けない機能的信念の研究
自己報告式の質問票を使用することの欠点に対処するため、臨床研究者は、意識的に制御された認知プロセスに影響されない機能的信念の研究ができる課題を使用してきました。こうした課題の一つが「暗黙的連想テスト(IAT)」です(Greenwald, McGhee, & Schwartz, 1998)。このテストは、反応時間を修正した方法で、抑うつに脆弱な人々の「自己」と否定的な特徴形容詞との暗黙的な連想を測定します(Gemar, Segal, Sagrati, & Kennedy, 2001)。元々抑うつだった参加者は、否定的な気分誘導後に、対照群の参加者よりも自己関連情報に対して否定的な評価バイアスを示しました(Gemar et al., 2001)。
自己参照エンコーディング課題(SRET)
SRET(Kuiper & Olinger, 1986)は、記憶の「処理レベル」モデルをテストするために認知心理学者によって開発された実験課題を適応したものです。SRETでは、被験者にポジティブおよびネガティブな形容詞が順番に提示され、形容詞が自己を表しているかどうかを「はい」または「いいえ」で答えるよう求められます。すべての形容詞の評価が終わった後、偶発的な再認テストが実施されます。
SRETによって得られる自己スキーマに関連するいくつかの指標は次の通りです:
- 抑うつ患者は、非抑うつ患者と比較して、ネガティブな形容詞をより多く自己表現的だと評価する傾向があります(Dozois & Dobson, 2001a; Gotlib, Kasch, et al., 2004)。
- 被験者が「はい」または「いいえ」と判断する時間が短縮されることが示されています。スキーマはスキーマと一致する情報の処理を促進するためです(Kuiper & MacDonald, 1983)。
- 偶発的な再認テストでは、抑うつ患者はネガティブな形容詞をより多く再認しますが、非抑うつ患者はポジティブな形容詞をより多く再認します(Dozois & Dobson, 2001a; Gotlib, Kasch, et al., 2004)。
SRETの結果は、抑うつにおけるネガティブな自己スキーマの働きを示唆しています。ただし、SRETが自己スキーマの内容や機能を測定する有効性には疑問が呈されています(Segal, 1988)。
心理的距離スケーリング課題(PDS)
PDS(Dozois & Dobson, 2001a, 2001b)は、自己参照形容詞の間の刺激間距離を計算し、抑うつにおける認知パターンの構造(または相互接続性)を評価するものです。DozoisとDobsonは、抑うつ患者がネガティブな形容詞自己表現に強い関連を示し、ポジティブな自己表現コンテンツの相互接続が弱いことを発見しました。さらに、ネガティブな認知構造は、抑うつ症状が回復した後でも相互接続されたままであることが示されました。
感情的ストループ課題
感情的ストループ課題では、抑うつ患者は、ポジティブや中立の言葉よりもネガティブな言葉の色を名前を付けるのに時間がかかる傾向があります(Gotlib & McCann, 1984)。抑うつ患者はネガティブな刺激の意味内容を長時間処理するため、色の名前を速やかに付けるのが難しくなると考えられています(Williams et al., 1998)。
ドット・プローブ課題
ドット・プローブ課題では、臨床的に抑うつのある参加者は、悲しい顔に選択的に注意を向ける傾向があります(Gotlib, Kasch, et al., 2004)。JoormannとGotlib(2007)は、回復した抑うつ患者でもこの注意のバイアスが安定していることを発見しました。抑うつのある母親の娘は、抑うつのない母親の娘よりもネガティブな顔表情に選択的に注意を向けることが示されました。
残された問題
抑うつの研究は、認知の内容、プロセス、そして「深層構造」を評価するためのさまざまな測定法を提供しています。認知的変化が抑うつへの脆弱性の指標となるかどうかは今後明らかになるべきです。認知行動療法(CBT)は、抑うつに関連する認知組織を変化させると考えられています(Beck, 1967)。そのため、成功した治療では、ネガティブな要素が認知システム内で強く関連しなくなり、ストループ課題などでの干渉が減少することが期待されます。SegalとGemar(1997)は、CBT後に抑うつが減少した患者が、自己参照的なネガティブ情報に対しての色命名干渉が少ないことを示しました。
今後の方向性
認知評価の分野は、KendallとKorgeski(1979)の先駆的な研究から数えてほぼ30年が経過しています。この30年間で、概念と方法論の両方において多くの進展がありました。それにもかかわらず、Clark(1997)は、認知評価の分野、特に認知の産物(成果物)の評価に関して、研究者や実務者が直面しているいくつかの課題を示しています。明らかになっているのは、認知評価の分野で強い多様化の傾向が見られ、これは健康的な発展といえます。「受け入れられる」評価方法の概念が狭くて固定的なまま停滞するのではなく、認知臨床研究者は、認知、感情、行動の関係を研究するためのより豊かで活気のある評価ツールを提供しています。
私たちはClark(1997)や、認知評価と他のアプローチを統合することを推奨する人々に賛同します。例えば、GlassとArnkoff(1997)は、認知構造、プロセス、成果物の測定の関連について、あまり研究が進んでいないことを嘆いています。また、DAS(Depressive Attributional Style)などの伝統的な自己報告型質問票と、認知心理学から借りた他のアプローチ(例えば、ストループ色単語テスト)との関連性についても、さまざまな認知評価方法の収束的妥当性をさらに調べる必要があります。自己報告型の方法に依存するのは不十分であり、特に自動的な認知プロセスやスキーマ(認知構造)など、言葉で表現するのが難しいものを評価したい場合には不十分です。GlassとArnkoff(1997)は自己発言式インベントリの改善と開発のための処方も示していますが、思考リストや声に出して考える方法などの生産的な方法を慎重に使用することからも、認知の成果物やプロセスに関して学べることは多いです。
今後の課題:
- 思考サンプリング:特にその高い生態学的妥当性を考慮すると、思考サンプリングは有用な戦略です。
- 測定の標準化:自動的な思考、スキーマ、機能不全信念や前提など、測定が難しい概念に対して、標準化が重要です。標準化により、異なる研究からのデータが統合され、単一の概念の評価が進む可能性があります(Glass & Arnkoff, 1997; Segal & Dobson, 1992)。
- ストレスに関連する認知の分類法:ストレスに関連した認知(特に対人関係や達成の領域)の分類法を展開することには潜在的な価値があります。達成や対人関係のストレスと抑うつ発症や再発予測との整合性に関する研究が進んでいるためです(Segal, Shaw, Vella, & Katz, 1992)。
- 感情障害の脆弱因子としての性格構造:人格特性とライフイベントの関連についても検討が進められています。例えば、Beck(1983)は、抑うつの脆弱性マーカーとして、社会的依存(sociotropy)と自律性(autonomy)の2つの人格スタイルやモードを提案しました。社会的依存のある個人は対人関係に過度に投資し、自律的な個人は自立や達成に過度に投資します。
抑うつの認知と対人関係の統合
GotlibとHammen(1992)は、抑うつ研究において認知的側面と対人関係的側面を統合し始めるべきだと提唱しました。SegalとDobson(1992)は、社会的関係の認知的表象の評価を拡充すべきだと述べています。Gotlib, Kurtzman, Blehar(1997)は、抑うつ研究において生物学的アプローチとの交差点を調査すべきだと提案しています。
最近のいくつかの研究では、不安障害(Van den Heuvel et al., 2005)や抑うつ障害(Booij & Van der Does, 2007)に関する認知的アプローチと神経生物学的アプローチの接点が示されています。これらの提案が実行されるならば、認知評価の分野はさらに豊かになるでしょう。
このように、今後の方向性としては、認知評価の多様化、他のアプローチとの統合、そして新たな測定方法の導入が重要であるとされています。
References
Abramson, K. Y., Seligman, M. E. P., & Teasdale, J. D. (1978). Learned helplessness in humans: Critique and reformulation. Journal of Abnormal Psychology, 87, 102–109.
Alloy, L. B., & Ahrens, A. H. (1987). Depression and pessimism for the future: Biased use of statistically relevant information in predictions for self versus others. Jour nal of Personality and Social Psychology, 52, 366–378.
Arnkoff, D. B., & Glass, C. R. (1982). Clinical cognitive constructs: Examination, evaluation, and elaboration. Advances in cognitive behavioural research and therapy (Vol. 1, pp. 1–34). New York: Academic Press.
Bagby, R. M., Atkinson, L., Dickens, S., & Gavin, D. (1990). Dimensional analysis of the Attributional Style Questionnaire: Attributions or outcomes and events. Canadian Journal of Behavioral Science, 22, 140–150.
Bagby, R. M., Rector, N. A., Bacchiochi, J. R., & McBride, C. (2004). The stability of the Response Styles Questionnaire Rumination scale in a sample of patients with major depression. Cognitive Therapy and Research, 28, 527–538. Bar-Haim, Y., Lamy, D., Pergamin, L., Bakermans-Kranenburg, M. J., & van IJzen-doorn, M. H. (2007). Threat-related attentional bias in anxious and nonanxious individuals: A meta-analytic study. Psychological Bulletin, 133, 1–24. Barton, S., Morley, S., Bloxham, G., Kitson, C., & Platts, S. (2005). Sentence Comple tion Test for Depression (SCD): An idiographic measure of depressive thinking. British Journal of Clinical Psychology, 44, 29–46.
Beazley, M. B., Glass, C. R., Chambless, D. L., & Arnkoff, D. B. (2001). Cognitive self-statements in social phobia: A comparison across three types of social situa tions. Cognitive Therapy and Research, 25, 781–799.
Beck, A. T. (1967). Depression: Clinical, experimental and therapeutic aspects. New York: Harper & Row.
Beck, A. T. (1976). Cognitive therapy and the emotional disorders. New York: Inter national Universities Press.
Beck, A. T. (1983). Cognitive therapy of depression: New perspectives. In P. J. Clay ton & J. E. Barnett (Eds.), Treatment of depression: Old controversies and new approaches (pp. 265–290). New York: Raven Press.
Beck, A. T., Brown, G., Steer, R. A., Eidelson, J. L., & Riskind, J. H. (1987). Dif ferentiating anxiety and depression: A test of the cognitive-content specificity hypothesis. Journal of Abnormal Psychology, 96, 179–183.
Beck, A. T., & Emery, G. (1985). Anxiety disorders and phobias. New York: Basic Books.
Beck, A. T., Rush, A. J., Shaw, B. F., & Emery, G. (1979). Cognitive therapy of depres sion. New York: Guilford Press.
Beck, A. T., Steer, R. A., Epstein, R. A., & Brown, G. (1990). Beck Self-Concept Test. Psychological Assessment, 2, 191–197.
Beck, A. T., Weissman, A., Lester, D., & Trexler, L. (1974). The measurement of pes simism: The Hopelessness Scale. Journal of Consulting and Clinical Psychology, 42, 861–865.
Beck, J. G., Coffey, S. F., Palyo, S. A., Gudmundsdottir, B., Miller, L. M., & Colder, C. (2004). Psychometric properties of the Posttraumatic Cognitions Inventory (PTCI): A replication with motor vehicle accident survivors. Psychological Assessment, 16, 289–298.
Beck, R., & Perkins, S. T. (2001). Cognitive content-specificity for anxiety and depres sion: A meta-analysis. Cognitive Therapy and Research, 25, 651–663. Becker, C. B., Namour, N., Zayfert, C., & Hegel, M. T. (2001). Specificity of the Social Interaction Self-Statement Test in social phobia. Cognitive Therapy and Research, 25, 227–233.
Beevers, C. G., Keitner, G., Ryan, C., & Miller, I. W. (2003). Cognitive predictors of symptom return following depression treatment. Journal of Abnormal Psychol ogy, 112, 488–496.
Beevers, C. G., Strong, D. R., Meyer, B., Pilkonis, P. A., & Miller, I. W. (2007). Efficiently assessing negative cognition in depression: An item response theory analysis of the Dysfunctional Attitude Scale. Psychological Assessment, 19, 199–209.
Blankstein, K. R., & Flett, G. L. (1990). Cognitive components of test anxiety: A comparison of assessment and scoring methods. Journal of Social Behavior and Personality, 5, 187–202.
Blankstein, K. R., Flett, G. L., Boase, P., & Toner, B. B. (1990). Thought listing and endorsement measures of self-referential thinking in test anxiety. Anxiety Research, 2, 103–111.
Blankstein, K. R., Toner, B. B., & Flett, G. L. (1989). Test anxiety and the contents of consciousness: Thought listing and endorsement measures. Journal of Research in Personality, 23, 269–286.
Blatt, S. J., & Zuroff, D. C. (2005). Empirical evaluation of the assumptions in iden tifying evidence based treatments in mental health. Clinical Psychology Review, 25, 459–486.
Bögels, S. M., & Mansell, W. (2004). Attention processes in the maintenance and treatment of social phobia: Hypervigilance, avoidance and self-focused atten tion. Clinical Psychology Review, 24, 827–856.
Booij, L., & Van der Does, A. J. W. (2007). Cognitive and serotonergic vulnerabil ity to depression: Convergent findings. Journal of Abnormal Psychology, 116, 86–94.
Bouvard, M., Mollard, E., Cottraux, J., & Guerin, J. (1989). Etude preliminaire d’ une liste de pensees obsedantes: Validation et analyse factorielle [A preliminary study of a list of obsessive thoughts: Validation and factor analysis]. L’Encéphale, XV, 351–354.
Brewin, C. R., & Furnham, A. (1986). Attributional versus preattributional variables in self-esteem and depression: A comparison and test of learned helplessness the ory. Journal of Personality and Social Psychology, 50, 1013–1020.
Brown, G. K., Beck, A. T., Steer, R. A., & Grisham, J. R. (2000). Risk factors for suicide in psychiatric outpatients: A 20–year prospective study. Journal of Con sulting and Clinical Psychology, 68, 371–377.
Buhr, K., & Dugas, M. J. (2002). The intolerance of uncertainty scale: Psychometric properties of the English version. Behaviour Research and Therapy, 40, 931– 945.
Burns, G., Keortge, S. G., Formea, G. M., & Sternberger, L. G. (1996). Revision of the Padua Inventory of Obsessive Compulsive Disorder Symptoms: Distinctions between worry, obsessions and compulsions. Behaviour Research and Therapy, 34, 163–173.
Butler, G., & Mathews, A. (1983). Cognitive processes in anxiety. Advances in Behav iour Research and Therapy, 5, 51–62.
Cacioppo, J. T., von Hippel, W., & Ernst, J. M. (1997). Mapping cognitive structures and processes through verbal content: The thought listing technique. Journal of Consulting and Clinical Psychology, 65, 928–940.
Carleton, R. N., Sharpe, D., & Asmundson, G. J. G. (2007). Anxiety sensitivity and intolerance of uncertainty: Requisites of the fundamental fears? Behaviour Research and Therapy, 45, 2307–2316.
Cartwright-Hatton, S., & Wells, A. (1997). Beliefs about worry and intrusions: The Meta-Cognitions Questionnaire and its correlates. Journal of Anxiety Disor ders, 11, 279–296.
Carver, C. G., & Scheier, M. F. (1982). Control therapy: A useful conceptual frame work for personality–social, clinical, and health psychology. Psychological Bul letin, 92, 111–135.
Chamberlain, J., & Haaga, D. A. F. (1999). Convergent validity of cognitive assess ment methods. Behavior Modification, 23, 294–315.
Chambless, D. L., Caputo, G. C., Bright, P., & Gallagher, R. (1984). Assessment of fear in agoraphobics: The body sensations questionnaire and the agoraphobic cognition questionnaire. Journal of Consulting and Clinical Psychology, 52, 1090–1097.
Clark, D. A. (1997). Twenty years of cognitive assessment: Current status and future directions. Journal of Consulting and Clinical Psychology, 65, 996–1000. Clark, D. A. (1998). The validity of measures of cognition: A review of the literature. Cognitive Therapy and Research, 12, 1–20.
Clark, D. A., Purdon, C. L., & Wang, A. (2003). The Meta-Cognitive Beliefs Ques tionnaire: Development of a measure of obsessional beliefs. Behaviour Research and Therapy, 41, 655–669.
Clark, L. A., & Watson, D. (1991). Tripartite model of anxiety and depression: Psy chometric evidence and taxonomic implications. Journal of Abnormal Psychol ogy, 100, 316–336.
Craik, F. M., & Lockhart, R. S. (1972). Levels of processing: A framework for mem ory research. Journal of Verbal Learning and Verbal Behaviour, 11, 671–684. Davey, G. C. L., Tallis, F., & Capuzzo, N. (1996). Beliefs about the consequences of worrying. Cognitive Therapy and Research, 20, 499–520.
Davison, G. C., Robins, C., & Johnston, M. K. (1983). Articulated thoughts during simulated situations: A paradigm for studying cognition in emotion and behav iour. Cognitive Therapy and Research, 7, 17–40.
Davison, G. C., Vogel, R. S., & Coffman, S. G. (1997). Think-aloud approaches to cognitive assessment and the articulated thoughts in simulated situations para digm. Journal of Consulting and Clinical Psychology, 65, 950–958.
Dobson, K. S., & Breiter, H. J. (1983). Cognitive assessment of depression: Reliability and validity of three measures. Journal of Abnormal Psychology, 92, 107–109. Dobson, K. S., & Shaw, B. F. (1986). Cognitive assessment with major depressive dis orders. Cognitive Therapy and Research, 10, 13–29.
Dozois, D. J. A., Covin, R., & Brinker, J. K. (2003). Normative data on cognitive measures of depression. Journal of Consulting and Clinical Psychology, 71, 71–80.
Dozois, D. J. A., & Dobson, K. S. (2001a). Information processing and cognitive organization in unipolar depression: Specificity and comorbidity issues. Journal of Abnormal Psychology, 110, 236–246.
Dozois, D. J. A., & Dobson, K. S. (2001b). A longitudinal investigation of information processing and cognitive organization in clinical depression: Stability of sche matic interconnectedness. Journal of Consulting and Clinical Psychology, 69, 914–925.
Dunkley, D. M., Blankstein, K. R., Masheb, R. M., & Grilo, C. M. (2006). Personal standards and evaluative concerns dimensions of “clinical” perfectionism: A reply to Shafran et al. (2002, 2003) and Hewitt et al. (2003). Behaviour Research and Therapy, 44, 63–84.
Dunkley, D. M., Zuroff, D. C., & Blankstein, K. R. (2003). Self-critical perfectionism and daily affect: Dispositional and situational influences on stress and coping. Journal of Personality and Social Psychology, 84, 234–252.
Exner, J. E. (1973). The self-focus sentence completion: A study of egocentricity. Jour nal of Personality Assessment, 37, 437–455.
Fenigstein, A., Scheier, M., & Buss, A. (1975). Public and private self-consciousness: Assessment and theory. Journal of Consulting and Clinical Psychology, 37, 522– 577.
Feske, U., & De Beurs, E. (1997). The Panic Appraisal Inventory: Psychometric prop erties. Behaviour Research and Therapy, 35, 875–882.
Flett, G. L., Hewitt, P. L., Blankstein, K. R., & Gray, L. (1998). Psychological distress and the frequency of perfectionistic thinking. Journal of Personality and Social Psychology, 75, 1363–1381.
Flett, G. L., Hewitt, P. L., Whelan, T., & Martin, T. R. (2007). The Perfectionism Cognitions Inventory: Psychometric properties and associations with distress and deficits in cognitive self-management. Journal of Rational-Emotive and Cognitive-Behavior Therapy, 25, 255–277.
Foa, E. B., Ehlers, A., Clark, D. M., Tolin, D. F., & Orsillo, S. M. (1999). The Post traumatic Cognitions Inventory (PTCI): Development and validation. Psycho logical Assessment, 11, 303–314.
Freeston, M. H., & Ladouceur, R. (1993). Appraisal of cognitive intrusions and response style: Replication and extension. Behaviour Research and Therapy, 31, 185–191.
Gardner, H. (1985). The mind’s new science: A history of the cognitive revolution. New York: Basic Books.
Garratt, G., Ingram, R. E., Rand, K. L., & Sawalani, G. (2007). Cognitive processes in cognitive therapy: Evaluation of the mechanisms of change in the treatment of depression. Clinical Psychological Science and Practice, 14, 224–239.
Gemar, M. C., Segal, Z. V., Sagrati, S., & Kennedy, S. J. (2001). Mood-induced changes on the Implicit Association Test in recovered depressed patients. Journal of Abnormal Psychology, 110, 282–289.
Genest, M., & Turk, D. C. (1981). Think- aloud approaches to cognitive assess ment. In T. V. Merluzzi, C. R. Glass, & M. Genest (Eds.), Cognitive assessment (pp. 233–269). New York: Guilford Press.
Ghiselli, E. E., Campbell, J. P., & Zedeck, S. (1981). Measurement theory for the behavioural sciences. San Francisco: Freeman.
Glass, C. R., & Arnkoff, D. B. (1982). Think cognitively: Selected issues in cognitive assessment and therapy. In P. C. Kendall (Ed.), Advances in cognitive-behavioral research and therapy (Vol. 1, pp. 35–71). New York: Academic Press.
Glass, C. R., & Arnkoff, D. B. (1997). Questionnaire methods of cognitive self statement assessment. Journal of Consulting and Clinical Psychology, 65, 911– 927.
Glass, C. R., Merluzzi, T. V., Biever, J. L., & Larsen, K. H. (1982). Cognitive assess ment of social anxiety: Development and validation of a self-statement question naire. Cognitive Therapy and Research, 6, 37–55.
Goldfried, M. R., Padawer, W., & Robins, C. (1984). Social anxiety and the seman tic structure of heterosocial interactions. Journal of Abnormal Psychology, 93, 86–97.
Goldston, D. B., Reboussin, B. A., & Daniel, S. S. (2006). Predictors of suicide attempts: State and trait components. Journal of Abnormal Psychology, 115, 842–849.
Gong-Guy, E., & Hammen, C. L. (1980). Causal perceptions of stressful events in depressed and nondepressed oupatients. Journal of Abnormal Psychology, 89, 662–669.
Gotlib, I. H., & Hammen, C. L. (1992). Psychological aspects of depression: Toward a cognitive-interpersonal integration. Chichester, UK: Wiley.
Gotlib, I. H., Kasch, K. L., Traill, S., Joormann, J., Arnow, B. A., & Johnson, S. L. (2004). Coherence and specificity of information-processing biases in depression and social phobia. Journal of Abnormal Psychology, 113, 386–398. Gotlib, I. H., Krasnoperova, E., Yue, D., & Joormann, J. (2004). Attentional biases for negative interpersonal stimuli in clinical depression. Journal of Abnormal Psychology, 113, 127–135.
Gotlib, I. H., Kurtzman, H. S., & Blehar, M. C. (1997). The cognitive psychology of depression: Introduction to the special issue. Cognition and Emotion, 5, 497– 675.
Gotlib, I . H., & McCann, C. D. (1984). Construct accessibility and depression: An examination of cognitive and affective factors. Journal of Personality and Social Psychology, 47, 427–439.
Greenwald, A. G., McGhee, D. E., & Schwartz, J. L. K. (1998). Measuring individual differences in implicit cognition: The Implicit Association Test. Journal of Per sonality and Social Psychology, 74, 1464–1480.
Gunthert, K. C., Cohen, L. H., Butler, A. C., & Beck, J. S. (2007). Depression and next-day spillover of negative mood and depressive cognitions following inter personal stressors. Cognitive Therapy and Research, 31, 521–532.
Haaga, D. A. (1997). Introduction to the special section on measuring cognitive prod ucts in research and practice. Journal of Consulting and Clinical Psychology, 65, 907–919.
Hamilton, E. W., & Abramson, L. Y. (1983). Cognitive patterns and major depres sive disorder: A longitudinal study in a hospital setting. Journal of Abnormal Psychology, 92, 173–184.
Hammen, C. L., & Krantz, S. E. (1976). Effects of success and failure on depressive cognitions. Journal of Abnormal Psychology, 85, 577–586.
Hofmann, S. G., Moscovitch, D. A., Kim, H., & Taylor, A. (2004). Changes in self perception during treatment of social phobia. Journal of Consulting and Clinical Psychology, 72, 588–596.
Hollon, S. D., & Kendall, P. C. (1980). Cognitive self-statements in depression: Development of an automatic thoughts questionnaire. Cognitive Therapy and Research, 4, 383–396.
Hollon, S. D., Kendall, P. C., & Lumry, A. (1986). Specificity of depressotypic cogni tions in clinical depression. Journal of Abnormal Psychology, 95, 52–59. Hurlburt, R. T. (1997). Randomly sampling thinking in the natural environment. Journal of Consulting and Clinical Psychology, 65, 941–948.
Hurlburt, R. T., & Akhter, S. A. (2006). The descriptive experiences sampling method. Phenomenology and the Cognitive Sciences, 5, 271–301.
Imber, S. D., Pilkonis, P. A., Sotsky, S. M., Elkin, I., Watkins, J. T., Collins, J. F., et al. (1990). Mode-specific effects among three treatments for depression. Journal of Consulting and Clinical Psychology, 58, 352–359.
Ingram, R. E. (1990). Self-focused attention in clinical disorders: Review and a con ceptual model. Psychological Bulletin, 107, 156–176.
Ingram, R. E., Lumry, A. B., Cruet, D., & Sieber, W. (1987). Attentional processes in depressive disorders. Cognitive Therapy and Research, 11, 351–360. Ingram, R. E., Miranda, J., & Segal, Z. V. (1998). Cognitive vulnerability to depres sion. New York: Guilford Press.
Ingram, R. E., Kendall, P. C., Siegle, G., Guarino, J., & McLaughlin, S. C. (1995). Psychometric properties of the Positive Automatic Thoughts Questionnaire. Psy chological Assessment, 7, 495–507.
Ingram, R. E., Nelson, T., Steidtmann, D. K., & Bistricky, S. L. (2007). Compara tive data on child and adolescent cognitive measures associated with depression. Journal of Consulting and Clinical Psychology, 75, 390–403.
Ingram, R. E., & Wisnicki, K. S. (1988). Assessment of positive automatic cognition. Journal of Consulting and Clinical Psychology, 56, 898–902.
Jarrett, R. B., Vittengl, J. R., Doyle, K., & Clark, L. A. (2007). Changes in cog nitive content during and following cognitive therapy for recurrent depression: Substantial and enduring, but not predictive of change in depressive symptoms. Journal of Consulting and Clinical Psychology, 75, 432–446.
Joormann, J., & Gotlib, I. H. (2007). Selective attention to emotional faces following recovery from depression. Journal of Abnormal Psychology, 116, 80–85. Joormann, J., Talbot, L., & Gotlib, I. H. (2007). Biased processing of emotional infor mation in girls at risk for depression. Journal of Abnormal Psychology, 116, 135–143.
Just, N., & Alloy, L. B. (1997). The response theory of depression: Test and an exten sion for the theory. Journal of Abnormal Psychology, 106, 221–229. Kasch, K. L., Klein, D. N., & Lara, M. E. (2001). A construct validation study of the Response Styles Questionnaire Rumination scale in participants with a recent onset major depressive episode. Psychological Assessment, 13, 375–383. Kendall, P. C., & Hollon, S. D. (1981). Assessing self-referent speech: Methods in the measurement of self-statements. In P. C. Kendall & S. D. Hollon (Eds.), Assess ment strategies for cognitive-behavioural interventions (pp. 85–118). New York: Academic Press.
Kendall, P. C., & Hollon, S. D. (1989). Anxious self-talk: Development of the Anxious Self- Statements Questionnaire (ASSQ). Cognitive Therapy and Research, 13, 81–93.
Kendall, P. C., & Korgeski, G. P. (1979). Assessment and cognitive-behavioural inter ventions. Cognitive Therapy and Research, 3, 1–21.
Khawaja, N. G., & Oei, T. P. S. (1998). Catastrophic cognitions in panic disorder with and without agoraphobia. Clinical Psychology Review, 18, 341–365. Khawaja, N. G., Oei, T. P. S., & Baglioni, A. (1994). Modification of the Catastrophic Cognitions Questionnaire (CCQ-M) for normals and patients: Exploratory and LISREL analyses. Journal of Psychopathology and Behavioral Assessment, 16, 325–342.
Krantz, S., & Hammen, C. L. (1979). Assessment of cognitive bias in depression. Journal of Abnormal Psychology, 88, 611–619.
Kuiper, N. A., & MacDonald, M. R. (1983). Schematic processing in depression: The self-consensus bias. Cognitive Therapy and Research, 7, 469–484. Kuiper, N. A., & Olinger, L. J. (1986). Dysfunctional attitudes and a self-worth con tingency model of depression. In P. C. Kendall (Ed.), Advances in cognitive behavioural research and therapy (Vol. 5, pp. 115–142). New York: Academic Press.
Last, C. G., Barlow, D. H., & O’Brien, G. (1985). Assessing cognitive aspects of anxi ety: Stability over time and agreement between several methods. Behavior Modi fication, 9, 72–93.
Lim, S. L., & Kim, J. H. (2005). Cognitive processing of emotional information in depression, panic, and somatoform disorder. Journal of Abnormal Psychology, 114, 50–61.
MacDonald, M. R., & Kuiper, N. A. (1984). Self-schema decision consistency in clini cal depressives. Journal of Social and Clinical Psychology, 2, 264–272. MacLeod, C., Mathews, A., & Tata, P. (1986). Attentional bias in emotional disor ders. Journal of Abnormal Psychology, 95, 15–20.
MacLeod, C., Rutherford, E., Campbell, L., Ebsworthy, G., & Holker, L. (2002). Selective attention and emotional vulnerability: Assessing the causal basis of their association through experimental manipulation of attentional bias. Journal of Abnormal Psychology, 111, 107–123.
MacLeod, A. K., Tata, P., Kentish, J., Carroll, F., & Hunter, E. (1997). Anxiety, depression and explanation-based pessimism for future positive and negative events. Clinical Psychology and Psychotherapy, 4, 15–24.
Mathews, A., & MacLeod, C. (1985). Selective processing of threat cues to anxiety states. Behaviour Research and Therapy, 23, 563–569.
Mathews, A., & MacLeod, C. (1994). Cognitive approaches to emotion and emo tional disorders. Annual Review of Psychology, 45, 25–50.
McCarthy-Larzelere, M., Diefenbach, G. J., Williamson, D. A., Netemeyer, R. G., Bentz, B. G., & Manguno-Mire, G. M. (2001). Psychometric properties and fac tor structure of the Worry Domains Questionnaire. Assessment, 8, 177–191.
Metalsky, G. I., Halberstadt, L. J., & Abramson, L. Y. (1987). Vulnerability to depres sive mood reactions: Toward a more powerful test of the diathesis–stress and causal mediation components of the reformulated theory of depression. Journal of Personality and Social Psychology, 52, 386–393.
Meyer, T. J., Miller, M. L., Metzger, R. L., & Borkovec, T. D. (1990). Development and validation of the Penn State Worry Questionnaire. Behaviour Research and Therapy, 26, 169–177.
Miranda, J., Persons, J. B., & Byers, C. N. (1990). Endorsement of dysfunctional beliefs depends on current mood state. Journal of Abnormal Psychology, 99, 237–241.
Mogg, K., & Bradley, B. P. (2005). Attentional bias in generalized anxiety disorder versus depressive disorder. Cognitive Therapy and Research, 29, 29–45. Molina, S., Borkovec, T. D., Peasley, C., & Person, D. (1998). Content analysis of wor risome streams of consciousness in anxious and dysphoric participants. Cogni tive Therapy and Research, 22, 109–123.
Mor, N., & Winquist, J. (2002). Self-focused attention and negative affect: A meta analysis. Psychological Bulletin, 128, 638–662.
Mumma, G. (2004). Validation of idiosyncratic cognitive schema in cognitive case formulations: An intraindividual idiographic approach. Psychological Assess ment, 16, 211–230.
Neisser, S. (1976). Cognition and reality: Principles and implications of cognitive psychology. San Francisco: Freeman.
Nelson, R. D., Hayes, S. C., Felton, J. L., & Jarrett, R. B. (1985). A comparison of data produced by different behavioural assessment technique with implications for models of social-skills inadequacy. Behaviour Research and Therapy, 23, 1–11.
Nolen-Hoeksema, S. (2000). The role of rumination in depressive disorders and mixed anxiety/depressive symptoms. Journal of Abnormal Psychology, 109, 504–511. Nolen-Hoeksema, S., & Morrow, J. (1991). A prospective study of depression and posttraumatic stress symptoms after a natural disaster: The 1989 Loma Prieta earthquake. Journal of Personality and Social Psychology, 61, 115–121. Obsessive Compulsive Cognitions Working Group. (2003). Psychometric validation of the Obsessive Belief Questionnaire and the Interpretation of Intrusion Inventory: Part I. Behaviour Research and Therapy, 41, 863–878.
Obsessive Compulsive Cognitions Working Group. (2005). Psychometric validation of the Obsessive Belief Questionnaire and Interpretation of Intrusion Inventory: Part I. Factor analyses and testing of a brief version. Behaviour Research and Therapy, 43, 1527–1542.
Oliver, J. M., & Baumgart, E. P. (1985). The Dysfunctional Attitude Scale: Psycho metric properties and relation to depression in an unselected adult population. Cognitive Therapy and Research, 9, 161–168.
Otto, M. W., Teachman, B. A., Cohen, L. S., Soares, C. N., Vitonis, A. F., & Harlow, B. L. (2007). Dysfunctional attitudes and episodes of major depression: Predic tive validity and temporal stability in never-depressed, depressed, and recovered women. Journal of Abnormal Psychology, 116, 475–483.
Peterson, C., Semmel, A., von Baeyer, C., Abramson, L., Metalsky, G., & Selig man, M. (1982). The Attributional Style Questionnaire. Cognitive Therapy and Research, 6, 287–299.
Peterson, C., & Villanova, P. (1988). An expanded Attributional Style Questionnaire. Journal of Abnormal Psychology, 97, 87–89.
Peterson, R. A., & Reiss, S. (1992). Anxiety sensitivity index manual (2nd ed.). Wor thington, OH: International Diagnostic Systems.
Purdon, C., & Clark, D. A. (1994). Perceived control and appraisal of obsessional and intrusive thoughts: Replication and extension. Behavioural and Cognitive Psychotherapy, 22, 269–285.
Reiss, S. (1991). Expectancy theory of fear, anxiety, and panic. Clinical Psychology Review, 11, 141–153.
Ronan, K., Kendall, P. C., & Rowe, M. (1994). Negative affectivity in children: Devel opment and validation of a self-statement questionnaire. Cognitive Therapy and Research, 18, 509–528.
Rudy, T. E., Merluzzi, T., & Henahan, P. (1982). Construal of complex assertive situ ations: A multidimensional analysis. Journal of Consulting and Clinical Psychol ogy, 50, 125–137.
Rush, A. J. (1984, March). Measurement of the cognitive aspects of depression. Paper presented at the NIMH Workshop on Measurement of Depression, Honolulu, HI.
Scher, C. D., Ingram, R. E., & Segal, Z. V. (2005). Cognitive reactivity and vulner ability: Empirical evaluation of construct activation and cognitive diatheses in unipolar depression. Clinical Psychology Review, 25, 487–510.
Schultz, L. T., Heimberg, R. G., Rodebaugh, T. L., Schneier, F. R., Liebowitz, M. R., & Telch, M. J. (2006). The Appraisal of Social Concerns Scale: Psychometric validation with a clinical sample of patients with social anxiety disorder.
Schwartz, R. M. (1997). Consider the simple screw: Cognitive science, quality improvement, and psychotherapy. Journal of Consulting and Clinical Psychol ogy, 65, 970–983.
Segal, Z. (1988). Appraisals of the self-schema construct in cognitive models of depres sion. Psychological Bulletin, 103, 147–162.
Segal, Z. V., & Cloitre, M. (1993). Methodologies for studying cognitive features of emotional disorder. In K. S. Dobson & P. C. Kendall (Eds.), Psychopathology and cognition (pp. 19–50). San Diego: Academic Press.
Segal, Z. V., & Dobson, K. S. (1992). Cognitive models of depression: Report from a consensus conference. Psychological Inquiry, 3, 219–224.
Segal, Z. V., & Gemar, M. (1997). Changes in cognitive organization for negative self-referent material following cognitive behavior therapy for depression: A primed Stroop study. Cognition and Emotion, 11, 501–516.
Segal, Z. V., Gemar, M., Truchan, C., Gurguis, M., & Hurowitz, L. M. (1995). A priming methodology for studying self-representation in major depressive disor der. Journal of Abnormal Psychology, 104, 205–213.
Segal, Z. V., Gemar, M., & Williams, S. (1999). Differential cognitive response to a mood challenge following successful cognitive therapy or pharmacotherapy for unipolar depression. Journal of Abnormal Psychology, 108, 3–10.
Segal, Z. V., & Ingram, R. E. (1994). Mood priming and construct activation in tests of cognitive vulnerability to unipolar depression. Clinical Psychology Review, 14, 663–695.
Segal, Z. V., Kennedy, S., Gemar, M., Hood, K., Pederson, R., & Buis, T. (2006). Cognitive reactivity to sad mood provocation and the prediction of depressive relapse. Archives of General Psychiatry, 63, 749–755.
Segal, Z. V., Shaw, B. F., Vella, D. D., & Katz, R. (1992). Cognitive and life stress pre dictors of relapse in remitted unipolar depressed patients: Test of the congruency hypothesis. Journal of Abnormal Psychology, 101, 26–36.
Segal, Z. V., & Swallow, S. R. (1994). Cognitive assessment of unipolar depression: Measuring products, processes and structures. Behaviour Research and Ther apy, 32, 147–158.
Startup, H. M., & Erickson, T. M. (2006). The Penn State Worry Questionnaire. In G. C. L. Davey & A. Wells (Eds.), Worry and its psychological disorders: Theory, assessment, and treatment (pp. 101–119). Hoboken, NJ: Wiley.
Szabo, M., & Lovibond, P. F. (2002). The cognitive content of naturally occurring worry episodes. Cognitive Therapy and Research, 26, 167–177.
Tallis, F., Eysenck, M., & Mathews, A. M. (1992). A questionnaire for the measure ment of nonpathological worry. Personality and Individual Differences, 13, 161–168.
Taylor, S. (1999). Anxiety sensitivity: Theory, research, and treatment of the fear of anxiety. Mahwah, NJ: Erlbaum.
Taylor, S., Zvolensky, M. J., Cox, B. J., Deacon, B., Heimberg, R. G., Ledley, D. R., et al. (2007). Robust dimensions of anxiety sensitivity: Development and ini tial validation of the Anxiety Sensitivity Index–3. Psychological Assessment, 19, 176–188.
Telch, M. J., Brouillard, M., Telch, C. F., Agras, W. S., & Taylor, C. B. (1987). Role of cognitive appraisal in panic-related avoidance. Behaviour Research and Ther apy, 27, 373–383.
Telch, M. J., Lucas, R. A., Smits, J. A. J., Powers, M. B., Heimberg, R., & Hart, T. (2004). Appraisal of social concerns: A cognitive assessment instrument for social phobia. Depression and Anxiety, 19, 217–224.
Timbremont, B., & Braet, C. (2004). Cognitive vulnerability in remitted depressed children and adolescents. Behaviour Research and Therapy, 42, 423–437. Turner, S. M., Johnson, M. R., Beidel, D. C., Heiser, N. A., & Lydiard, R. B. (2003). The Social Thoughts and Beliefs Scale: A new inventory for assessing cognitions in social phobia. Psychological Assessment, 15, 384–391.
Van den Heuvel, O. A., Veltman, D. J., Groenewegen, H. J., Witter, M. P., Merkel bach, J., Cath, D. C., et al. (2005). Disorder-specific neuroanatomical correlates of attentional bias in obsessive–compulsive disorder, panic disorder, and hypo chondriasis. Archives of General Psychiatry, 62, 922–933.
Verkuil, B., Brosschot, J. F., & Thayer, J. F. (2007). Capturing worry in daily life: Are trait questionnaires sufficient? Behaviour Research and Therapy, 45, 1835– 1844.
Watkins, J., & Rush, A. J. (1983). The Cognitive Response Test. Cognitive Therapy and Research, 7, 425–436.
Watson, D., & Friend, R. (1969). Measurement of social-evaluative anxiety. Journal of Consulting and Clinical Psychology, 33, 448–457.
Webb, E. J., Campbell, D. T., Schwartz, R. D., & Sechrest, L. (1966). Unobtrusive mea sures: Non-reactive research in the social sciences. Chicago: Rand McNally. Weissman, A. N. (1979). The Dysfunctional Attitude Scale: A validation study. Unpublished dissertation, University of Pennsylvania, Philadelphia. Weissman, A. N., & Beck, A. T. (1978). Development and validation of the Dysfunc tional Attitude Scale: A preliminary investigation. Paper presented at the 86th annual meeting of the American Educational Research Association, Toronto, Canada.
Wells, A. (1994). A multidimensional measure of worry: Development and prelimi nary validation of the Anxious Thoughts Inventory. Anxiety, Stress and Coping, 6, 289–299.
Wells, A. (2006). The Anxious Thoughts Inventory and related measures of metacog nition and worry. In G. C. L. Davey & A. Wells (Eds.), Worry and its psycho logical disorders: Theory, assessment, and treatment (pp. 121–136). Hoboken, NJ: Wiley.
Wells, A., & Cartwright-Hatton, S. (2004). A short form of the Metacognitions Questionnaire: Properties of the MCQ-30. Behaviour Research and Therapy, 42, 385–396.
Wenzel, A., Sharp, I., Brown, G., Greenberg, R., & Beck, A. T. (2006). Dysfunctional beliefs in panic disorder: The Panic Belief Inventory. Behaviour Research and Therapy, 44, 819–833.
Westling, B. E., & Ost, L.-B. (1993). Relationship between panic attack symptoms and cognitions in panic disorder patients. Journal of Anxiety Disorders, 7, 181–194. Williams, J. M. G., Watts, F., MacLeod, C., & Mathews, A. (1998). Cognitive psy chology and emotional disorders. Chichester, UK: Wiley.
Williams, S. L. (1985). On the nature and measurement of agoraphobia. In M. Hersen, R. M. Eisler, & P. M. Miller (Eds.), Progress in behaviour modification (Vol. 19, pp. 109–144). New York: Academic Press.
Williams, S. L., & Rappoport, A. (1983). Cognitive treatment in the natural environ ment for agoraphobics. Behavior Therapy, 14, 299–313.
Woody, S. R., Taylor, S., McLean, P. D., & Koch, W. (1998). Cognitive specificity in panic and depression: Implications for comorbidity. Cognitive Therapy and Research, 22, 427–443.
Zuroff, D. C., Blatt, S. J., Sanislow, C. A., Bondi, C. M., & Pilkonis, P. A. (1999). Vulnerability to depression: Reexamining state dependence and relative stability. Journal of Abnormal Psychology, 108, 76–89.