カウンセラーはなぜ、何が正しい道か知っているのだろう
それが不思議です
自分は正しい道を知っていると考えるのはなぜなのか、メタ認知的に不思議です
多分、何も考えていないからです
偉い人が言ったから
というのが答えだったりするんだ
ゲシュタルトがそのように仕組まれているだけで
洗脳と変わらないのだ
ーー
正しさなんて擬制なんです
嘘も入っているなあ、と思いつつ進むのと
嘘に気がつかないで進むのとでは
やはりずいぶん違うような気がする
ーー
しかしそんなことを言っていては何も決められないし
どちらに進んでいいかも分からないし
他人にどっちに進めとも言えなくなるし
他人に号令をかけたい人にとっては不都合なことだろう
隠棲を決めてしまえば問題ではなくなるけれど
ーー
何が正しいか私は知らないと語ったとすれば
すでに自己言及のパラドックス
何が正しいか私は知っていると語ったとすれば
なんとも単に幼い
ーー
そうは言うものの、試験の正解を、試験製作者は一応、決めてある
それが社会というものだ
それを正解とみなす
そのようにおよそあらゆることについて一応の解答がある
それはいい
一応、そうなのだ
たまに笑ってしまうけれど、社会の合意はそこにあるとは言える
ーー
すごく頭のいい人で、工学部で情報関係の仕事をしていて
いまは無線通信のシステムの精度を飛躍的に上げる理論的な研究をしている
実際にすごい頭脳だ
ところが彼はそのすばらしい理系的頭脳で
自分で創りだした技術の末端の応用である携帯電話で
どこにでもある修羅場を演出しているのである
通信履歴に問題があることを彼女が見つけた
彼は理系的な部分については先輩秀才の業績を受け継いで、その最先端からスタートできた
すでに巨人である
しかしそうではない人間関係部分については、全くゼロから試行錯誤しているのである
何という愚かさと幼さだろうか