うつ病薬の治験と治験コーディネーター2011-06-06

アメリカで第一選択薬のベンラファキシンは日本では治験を中止

SNRIはうんと古い薬がやっと通っただけ
SSRIはエスシタロプラムがやっと通った
アメリカの治療ガイドラインに推奨されている薬剤が保険診療で使えない現状をどう見るか
残念という考え方もある
しかしそれならば取り寄せて使うことはできないことでもないので使えばいいだろう
効かないから治験を通らないのだという考え方もある
まあ、それも一理あると思う
確かに効かないしなくてもいい薬も少なくない
しかしまた、治験の方法の中に解答が内在するとする考え方もある
先行する代表的な抗うつ剤、試験したい新規抗うつ剤、プラセボの三者を用意して
無作為割付で治験をスタートしたとして
プラセボでもうつ病の場合にはずいぶん治ってしまうし
副作用まで結構な率で発現しているのだ
プラセボでも吐き気を報告する
これはどういう事なんだろうと
いくつかの解釈が提案されている
プラセボを使った場合の治癒因子は
プラセボ効果の他に、治験コーディネーターの役割が大きいのではないかとの指摘がある
あるというか、私もそれを指摘したいのだけれど
体調全般について、つまり睡眠や食欲、気分やその他気になる症状について
詳細に聴取し、しかし否定も肯定も指導もしない
ただきちんと正直に応えてくださいというだけ
精神療法的なことはなにもしない
薬剤の飲み残しがないか、飲んだ時間は正しいか、Alcoholは飲んでいないかとか
そのあたりも詳細に聞き取る
しかしそれについてもまあ、約束はできるだけ守ってくださいという程度で
守ってくれなければ治験から脱落なのだし
そのような人がいたというだけで
治験コーディネーターが何か感情的になることでもないのだ
そんな感じで週に一回、きちんと通って、現状報告しているだけで
うつ病は治ってしまうのである
何のテクニックも使っていない
ただ詳細に聞いてありのままを本社に報告するのである
その価値中立的な姿勢がとてもいいのかもしれない
私は治験コーディネーターだと威張ることもない
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もちろんであるが、そうは言っても、心理専門家なので、観察して記述する内容は心理的である
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それにしてもなぜそれで治るんだろう
という話になる
私は自分なりに解答を用意しているので全く不思議はないのだが
一見したところ不思議である
http://ssn837555.blog.ocn.ne.jp/ssn837555/2010/05/choice-of-treat.html

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