体内脂肪はどのように分解され排出されるか

ダイエットというと、多くの人は、「脂肪を減らしたい」と思うでしょう。

脂肪はだいたい、C、H、O、Nなどでできていますから、HとOはH2O(水)として排出、Nは尿素として排出、そこまでは尿とか汗とかでよく分かります。ではCはどうかというと、クエン酸回路ではCO2(二酸化炭素)になって、「ヒトは呼吸しているとき、O2酸素を取り入れて、CO2二酸化炭素を吐き出す、その気体の二酸化炭素として排出している」ということになるんです。

とすると、呼吸時に酸素1個を吸い込んで二酸化炭素一個を吐き出すと考えれば、O2は増減なし、Cは二酸化炭素の中に1個だけ排出される。

えーー、個体として食べたC炭素が、気体CO2としているのか、意外だなあ。C炭素は大便の中に捨てられるのかと思っていた、との声が多くあります。

しかも、個体として食べたC炭素を気体のCO2で排出するなんて、どれだけ多くの二酸化炭素を出さないといけないのかと思ってしまいます。

しかも、環境問題の界隈では、CO2削減が大目標になっているのですから。

このあたりを解説。

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消費されずに体内で余ったエネルギーが、中性脂肪として白色脂肪細胞内に貯蔵されています。これがぜい肉ですね。

運動などを行なうと、中性脂肪は、遊離脂肪酸とグリセロール(グリセリン)に分解されます。

遊離脂肪酸は運動によって消費され、グリセロールは脂質の合成や代謝の過程に利用されます。その後、さらに二酸化炭素と水に分解されて、結果的に消費された脂肪の84%は息を通して、残り16%は汗や涙などを経由して排出される仕組みです。

次の図では、食物の中の3つの栄養素がどのようにして使われて、エネルギー、水、二酸化炭素になるか、示されています。(窒素は省略されている)

次の図はもう少し簡略に示している。

脂肪だけ取り出せば次のようにも描ける。

例えば、脂肪1kgが燃焼された場合、840gは二酸化炭素として吐き出し、160gが尿や汗になります。

1時間ジョギングすると、40gの二酸化炭素が排出されます。燃焼した脂肪の約80%が二酸化炭素として排出されることから考えると、脂肪1kgを落とすには20時間前後のジョギングが必要です。

脂肪1kgが燃焼された場合、二酸化炭素は840g、呼吸で吐き出される。

1時間ジョギングすると、40gの二酸化炭素が排出される。

驚きますよね、だって、
呼気中の二酸化炭素ですよ、気体ですよ、それが840gとか40gとか、あり得ないではないですか。

20時間なら、ゆっくりとしたペースでも150~200kmの距離になり、脂肪を排出することの難しさがよく感じられるでしょう。こちらはジョギング中に排出する二酸化炭素が100%脂肪燃焼による場合の計算なので、実際は呼吸による二酸化炭素の排出量もプラスされ、さらにハードルは高くなります。

そのため、ダイエットをして脂肪が減ったと実感できるまでは、1ヶ月程度の期間がかかることも多くあります。
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痩せるためには食事の内容を意識することが大切です。

理由は簡単。

運動で頑張ってカロリーを消費するよりも、食事を変えてカロリーを抑える方が大きな結果に繋がるから。30分のウォーキングよりも夜の白米を抜く方がダイエットになります。

でも、食事を抜くダイエットは厳禁。

食べないダイエットは不調の元ですし、おやつとかをついつい食べてしまうもの。

すぐ痩せるダイエットは戻るのもあっという間です。

・しっかり食べること
・カロリーは抑えること
・続けること


ダイエットでは、この3つを意識するだけで、空腹にならずに気になるお肉が無くなっていきますよ。
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人間が体脂肪を1キロを落とすために必要なカロリーは、約7200kcalです。

つまり、1週間で1キロ痩せるには、1日あたり約1030kcal、2週間かける場合は1日約515kcal、1ヶ月なら1日約240kcalを、余分に消費する計算になります。

240kcalを運動で消費しようとすると、ジョギング約27分間やウォーキング約50分間が必要です。また、摂取カロリーから240kcal分を抑えようとすると、どら焼き1個や発泡酒500mlを我慢すればOK。

ダイエット期間が短くなるほど難易度が増していくため、消費カロリーと摂取カロリーの両方をうまく管理しながら、効果的に痩せるよう意識しましょう。
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1キロの減量では、たいした変化がないようにも感じられますが、どんな要因から痩せたのかによって変化の表れ方が変わります。

また1キロ程度なら、むくみや老廃物を取り除くだけでも、痩せられる場合があります。むくみ・老廃物が落ちると、身体の末端部分の見た目が変わりやすいので、顔や手・脚がほっそりとしやすいでしょう。
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食生活を見直したり、適切なトレーニング方法を実施することで、短期間でも確実に1キロ痩せることは十分可能です。

ここからは、1キロ痩せるには欠かせない、ダイエットのポイントをまとめているので、ぜひやり方の参考にしてダイエットを成功させてください。

これはやせる方法として最も一般的な「運動」ですね。

上で説明したように、脂肪が分解されてc炭素は呼気の中のCO2として出ていくのですから、呼吸を荒げて「ゼーハー」いうのも、よく分かるところですね。


有酸素運動とは、その名の通り、酸素を取り入れながら行うトレーニングのこと。一定時間、有酸素運動を続けると、エネルギー源である血中脂肪が少なくなってくるため、皮下脂肪や内臓脂肪が分解されてエネルギー源として消費されます。

そのため、毎日30分を目安に有酸素運動を行い、効果的に脂肪を燃やしていきましょう。

特に以下のメニューは、比較的取り組みやすく1キロ痩せるまでのハードルも低いためおすすめです。体重70.3kg、運動時間30分の場合の消費カロリーも記載しているので、ぜひ参考にして実践してみてください。

ランニング(時速8.7km):335kcal
水泳(クロール):409kcal
自転車(マウンテンバイク):316kcal


呼吸など、生命を維持するために最低限消費されるエネルギーのことを「基礎代謝」と言います。筋肉は、基礎代謝で最も多くのエネルギーを必要とするので、筋肉量が増えれば、その分、基礎代謝も高まるのです。

そのため、短期間で1キロ痩せるには、筋トレによって筋肉量をアップさせ、カロリーを消費しやすい体質作りを行うことが大切。

ダイエットにおすすめの筋トレメニューは、以下の3種類です。初心者でも自宅で簡単に取り組めるので、ぜひ実践してください。

スクワット:下半身の大きな筋肉を鍛え、効率的に基礎代謝をアップさせる。
クランチ(腹筋):ぽっこりお腹が気になる人にぴったり。
腕立て伏せ:たるんだ二の腕や、胸の筋肉を引き締められる。

これはゼーハーいう運動ではないですね。基礎代謝で分解された脂肪も、最終的には呼気中のCO2として排出されます。静かに排出されます。


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主食である炭水化物(糖質)は、タンパク質を吸収したり、脂肪を代謝させたりするのに役立つ栄養素です。そのため、食事メニューから炭水化物を極端に減らすことはせずに、食材の種類に注意して選ぶようにしましょう。

これが糖質ダイエットの注意点にもなります。

白米や食パンといった主食はカロリーが意外と高い食べ物。いつも白米や食パンを食べている方は、ダイエット期間中は大麦ご飯や玄米、しらたき、胚芽パン、全粒粉パスタなどの低カロリー食品を主食にを利用しましょう。これらは炭水化物の代謝を助けるビタミンB1や食物繊維を含有しており、脂肪蓄積の原因になる血糖値の急上昇を抑えてくれます。

食事開始時の血糖値の急上昇が悪いことが分かっていますので、食事の最初に糖質を取らず、まず水やお茶を飲んで少しおしゃべりをして、次にサラダを食べて、その後に、糖質と脂質と蛋白質をバランスよく食べることが勧められています。

バランス悪く食事を減らすとどうなるか。

以下に示すように、糖質、脂質、たんぱく質を分解してエネルギー、水、二酸化炭素、尿素に変換するときに、各所でビタミン系が関与しています。ビタミンB群が大事ですが、それを豚肉で取ると考えると体重コントロールにはマイナスです。

ビタミンB群は、植物性の食品では、バナナやパプリカ、さつまいも、玄米などに比較的多く含まれています。そのほか、
乾燥とうがらし
モロヘイヤ
ドライトマト
ブロッコリー
ほうれんそう
春菊
こまつな
グリンピース
枝豆
そら豆
ブロッコリー
豆苗
にんにく

葉物や豆に含まれています。食事コースの最初に食べておきます。


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タンパク質豊富な食事にする
タンパク質は、筋肉の分解を防いでくれる栄養素なので、ダイエット中はしっかり摂取して筋肉量を保つようにしてください。

ただロースやバラといった脂肪が多く含まれる肉は、高カロリーなためダイエットメニューには向きません。赤身肉や鶏ささみ・むねの他、アジ・いわしなどの魚や大豆製品(納豆・豆腐)、卵は、低カロリーで減量中のレシピにぴったりですよ。

また食物繊維は、脂質や糖を排出してくれたり、腹持ちを良くしたりする働きがあります。大切な栄養素なので、野菜、きのこ、海藻などから、積極的に摂取しましょう。

実際には、糖質を減らして、たんぱく質を多くするという方針が多いようです。蛋白質としては鶏肉、魚、大豆などが勧められます。

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ついでですが、高齢者のひざの痛みに、軟骨の成分であるグルコサミンやコンドロイチンをサプリメントとして経口摂取する錠剤のコマーシャルを見かけます。

グルコサミンは、末尾がアミンですから、アミノ糖の一種です。体内で合成されます。グルコサミンを摂取すると、血糖値、血圧、血中コレステロール値の上昇などが懸念されています。糖尿病、高脂血症 (脂質異常症) 、高血圧のリスクのある人は注意して利用する必要があるといわれています。また、若い人が長期にわたって摂取すると、自然な軟骨再生力が低下する可能性があるとも言われています。

コンドロイチンも軟骨成分に含まれている物質で、D-グルクロン酸 (GlcA) と N-アセチル-D-ガラクトサミン (GalNAc) の2糖が反復する糖鎖に、硫酸が結合した構造を持ちます。ガラクトサミンというのですから、これもアミノ酸の一種です。

つまり、グルコサミンもコンドロイチンも、消化管から吸収されるときにはアミノ酸に分解されて、体内で再度グルコサミンやコンドロイチンが合成されます。

ということは、治療になっているんでしょうか。

上記論文では、変形性膝関節症の患者1583人を5グループに分けて検討

・グループ1=毎日グルコサミンを投与

・グループ2=毎日コンドロイチンを投与

・グループ3=グルコサミンとコンドロイチンの両方を投与

・グループ4=鎮痛薬を毎日投与

・グループ5=プラセボ群(上記のいずれも投与されない)

6ヶ月間投与を続けた結果:グルコサミンとコンドロイチン、あるいは両方を投与されたグループで膝の痛みは良くならなかった

軟骨の成分であるグルコサミンやコンドロイチンをサプリメントとして摂取しても、軟骨が再生することもないし痛みがやわらぐこともなかったという、予想通りの、ごくつまらない結果です。でもこれがNEJMというトップジャーナルに掲載されるくらいですから、日本だけではなく、いろいろとあるんでしょう。

グルコサミンとコンドロイチンの生体内合成の促進ができれば、厚労省も有効として認可するのではないでしょうか。

コマーシャルの文言を見ていると、ぎりぎり法律に引っかからない程度に収めて、しかし、十分に誤解させるようなものになっています。

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糖分は、体内でブドウ糖に消化されてエネルギー源になります。しかし、消費されずに残った分は、皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられてしまうため、摂りすぎには気をつけましょう。

お菓子や果物といった甘い食べ物だけでなく、ご飯やイモなどのデンプンにも糖分が含まれているので、注意してください。

また、食事で塩分を摂りすぎると、体内に水分が溜まってむくみの原因となります。代謝が滞って太りやすい体質に陥ってしまうため、ダイエット中は塩分量もしっかりコントロールしましょう。

水分が貯留してむくんでいる場合、対処はそんなに難しくありません。


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飲み物でカロリーを摂らない
普段気にしない飲み物でも意外とカロリーを摂っているもの。特に、外食やカフェ、コンビニで利用する飲料には、糖分たっぷりで高カロリーのものも多いため、余計なカロリーを摂ってしまわないように注意が必要です。

ダイエット中は、水やお茶を利用するのが基本。冷たい飲み物は内臓を冷やして体に負担がかかりやすいため、常温以上で摂取しましょう。特に沸騰させたお湯を冷ました白湯を飲むと、身体が温まって代謝も高まりますよ。

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摂取カロリーをできるだけ抑えるには、お酒の量を減らすのが効果的です。減量中でも晩酌を楽しみたいというお酒好きの方は、太りにくいお酒とおつまみを選ぶといいでしょう。

蒸留酒のウイスキーや焼酎は、糖質が含まれていないため、ダイエット中にぴったりです。甘いジュースで割るのではなく、水や炭酸水を使うよう工夫してください。また、糖質ゼロタイプの酎ハイも、適量飲んでいいでしょう。

おつまみには、冷奴や刺身、野菜スティックなど、低カロリーな食べ物がおすすめ。醤油やドレッシングなどの調味料は、糖質とカロリーが高くなりがちなので、薄味で味わうのが好ましいです。

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1キロのダイエットはハードルが高くないため、やり方のポイントさえ押さえておけば、確実に成功させられます。必要な栄養素をバランス良く摂れるように食事メニューを工夫しながら、歩く有酸素運動や筋力トレーニングも適切に実践しましょう。

摂取カロリーと消費カロリーをしっかりコントロールすることで、短期間でも1キロ痩せられますよ。今回ご紹介したダイエットのやり方を参考に、ぜひあなたもダイエット目標をクリアしてください。

まあ、短期間でと思わないことです、取り合えずの目標は、体重現状維持、これ以上太らない。そして6か月で少しやせたらいい、その程度で行きましょう。

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