アウストラロピテクスのパレイドリア能力 ニュートン

アフリカでアウストラロピテクスなんかの骨を探していた時に、
小さな平たい石で、表面には目のような二つの丸と口のような一つの棒があって、
現在の人間が見たところでは人間の顔に似ているなと思うようなものが見つかった。
何個も見つかっていて、しかもそれはもともと石が産生された場所から離れていて、
鳥などが運ぶには大きすぎるということで、たぶん、アウストラロピテクスがこの石に興味をもって、
ちょっと遠くまで運んできたのだろうと仮説を立てている学者がいるそうだ。

このことから、アウストラロピテクスにはパレイドリア能力があったとの話につながる。

パレイドリアは、たとえば天井の染みや、壁の木目が、人の顔に見えたり、猫の体のように見えたりすることであるが、
猫というのは実際は少なくて、たいていの場合が、人の顔、多いのは目、という傾向ではないだろうか。

アウストラロピテクスにパレイドリア能力があったとすると、現代のヒトがそんなにしょっちゅうパレイドリア能力を基にして行動したりしないのは、古い能力であるパレイドリア能力を抑制する回路ができているからだろう。そして、脳の上位部分が機能損壊すると古い機能であるパレイドリア能力が突出してくるのだろう。

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パレイドリアは、木目模様が顔の形など、形の類似に関するものであるが、
ニュートンが、リンゴが地面に落ちることと、地球が太陽の周りをまわっていることが、同じ原理によるものだと考えたことと似ている。

二つのものあるいは二つの事柄の、隠れた深い関係を見抜く力は、天才の力でもあるが、古代人の能力でもあるということになる。

もちろん、木目は木目であって、顔ではない。
しかしリンゴも地球も、重力で説明できることは、本質をとらえている。
その点で違うのであるが、しかし、二つのものや事の中に内在する共通する何かを見つける能力は脳に特有の能力なのではないかと思う。

それは類似であったり、相関であったり、因果関係であったりするだろう。

まじないとかもその系統である。類感呪術などは内在する関係の認識の上に成り立つ。
そうしたものは、非常にまれにしか真実を言い当てることはないものであるが、
人間の思考に広くみられるものであり、
脳の病気の場合には高次の抑制が消失しているせいで、パレイドリア能力のほか、原始的思考が突出することになる。

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