時間遅延理論とリベット スポーツでいうゾーン

私の時間遅延理論でいえば、
リベットの実験も整合的に解釈できる。

リベットの指摘するように、人間が何かを意思したと自覚した瞬間よりも前に、すでに脳は活動を始めていて、それなのに、人間は自分が自発的に意思したと錯覚している。

この錯覚が起こるのは、意思に関連する初動部分Aがあり、そこから二つに分かれて、Bの経路(自分の意思と思う回路)とCの経路(体を動かす経路)を通って、二つとも、比較照合部分であるDに信号を送る。Bの経路からの信号がDに早く到着する、Cからの信号は遅れて到着する、という場合、自分の意志が先で、運動が後であるから、意思の能動性や自己所属感が発生する。

逆に運動信号が先に到着して、そのあとに意思信号が到着すると、させられ体験などになる。体験は被動的であったり、意思の発動は他者に所属したりする。

同時である場合、自生思考になる。

普通の程度にBがCよりも早く到着すれば、普通の感覚であるが、Bが早すぎる場合は、もう少し特殊な全能感の感覚になる。野球の川上哲治のボールが止まって見えるとかの場合である。

スポーツで「心理的にゾーンに入った」などと言う場合、自分の意思が消えて、トレーニングの結果としての自動運動の様になる場合のことであり、見の、自分の意思が消えて、というのは、意思と運動が全く同一時間にDに到着しているのである。ふつうはBが先に到着して、Cがそのあとに到着する。

タイトルとURLをコピーしました