誤審

パリ・疑惑の審判、パリ誤審オリンピックなどと言われていて、外野から、誤審を何とかしろ、ビデオ判定が必要、AIを入れろなどと言われているそうだ。

最後の、AIを入れろと言う意見は何重にも無理解を物語っていると思うが。まあ、仕方がない。

例えば、プロレスとかボクシングは昔ながらの「興行」という体質が濃厚に残っている。現代商業主義オリンピックも同じ。マンガじみた全体前宣伝の雰囲気の中で、最初から勝つのはどちらで、試合時間としてはどの程度がいい、などと興行側の都合が優先される。

ずっと昔のプロレスでは、悪役の外国人選手が反則をやり放題で、それを取り締まるべき審判は、偶然反則を見ていないことになっていたり、逆に正義の味方の自国選手に見当違いなことで注意を与えたりしていて、つまり、観客のフラストレーション・興奮が最高にまで上昇するように持って行って、最後は、自国選手の必殺技で時間通りに勝利させて、いいタイミングでコマーシャルも入り、つまり、ショータイムとして、スポーツの正義などは守られるはずもなく、ただ興奮させて金を稼ぐだけ、視聴者をイライラさせて、視聴率を稼ぎ、広告収入を稼ぎ、選手も、興業屋も、みんなが儲かるようにできていたショーだった。

このことを批評するとすれば、興業屋の手先となって興奮させる側で批評するか、あるいは、興業屋の外で、企業としての興業屋の成長率や未来を論評するものだっただろう。

現在、ネットの中で語られている「誤審批判」は多分、オリンピックとして巨大な興業屋が仕組んだ全体像の中の、予想通りの部品になっているはずだ。無視されるのが一番よくない。大いに話題になったとの実績があれば、2年後も4年後も、商売ができるのである。外側から、商売の行く先を語るとか、青少年スポーツへの悪影響を語るなどは、しらけるから黙らせろということなのだろう。

選手たちは国際的にドサ周りをしていたので、アメリカでは、黄色いジャップが、真珠湾と同じように汚い攻撃を仕掛け、審判までが騙されたようにふるまい、観客の怒りが頂点に達したところで、自国の正義のレスラーが待ち遠しかった必殺技で勝利する。
フランス様が忌々しい東洋人に勝つのである。それがフランスのオリンピックである。何の矛盾もない。そうと分かっていて出場したのは日本人なのだから、負けて悔しがって大泣きして見せれば、観客はなおさら喜ぶというもので、それも織り込み済みだ。企画側の勝利である。日本側も首脳陣は承知の上だから、形だけ怒って見せている。

オリンピックの英雄・柔道のリネールが大活躍。その対戦相手として屈辱にまみれた日本人選手は「コーチが死ぬ気で行けと言った。死んで来いと言った」とインタビューで答え、そこまでぎりぎりやりましたということらしいのだが、「リネールの作戦はこう、その戦い方に対抗するにはこう」というような具体的な作戦はないものなのだろうか。リネールの、審判も味方につけての試合運びを分かっていながら、その通りにしたのは、コーチもまた興業屋の一部として機能したからか、あるいは、または、同時に、現行のルールではリネールの戦い方が最高で、それ以上はない、負けるしかないということなのだろうか。とすれば、正解は、審判の買収だろう。それをしないならばさっさと正義のままで負ければいい。それでも、観客に、試合はリネールが買ったけれども、柔道としては負けていたかもしれない、というような感想が残れば、興業屋としては成功、そして未来の日本柔道も予算もついて安泰、という線を狙えたかもしれない。

もう、これを何度でも繰り返して金を稼いできた。オリンピックは、成立の過程ではいろいろあっただろうが、最近では商業化路線は安定の王道通っている。選手にすれば、プロになってもいいし、それぞれその先の道の保証書になるし、関係者一同、オリンピック委員会とか国際柔道連盟とかそんなところから、もともとは税金交付金であるお金をもとにして、みんなで税金のかからない収入をむさぼりあい、みんなが持ちつ持たれつで生活を維持してゆく「村」なのである。

そのおこぼれにあずかれない人だけが、誤診だとか言っている。おこぼれにあずかる側にしてみれば、こんな風にいろいろな人が発言してくれると、これほどいいことはない。内容はともかくとして、関心が高かったとして、また来年から、国の予算の中から、スポーツ振興費とかオリンピック関係費用とか、いろいろ確保できて、各競技に回り、関係者一同、懐が潤う。

問題なのは、選手生命は長くないことだ。

今大会でも、幼い年心の人が優勝すると、そばについているコーチが大写しにされる。

私の偏見だろうが、そのコーチたちは、みなイカツイをしていて、頭はつるつるに剥げていて、現役そのものである(何の現役かはいわないとして)。どの人もマイクタイソンによく似ているなあと思った。すごいもんだ。これくらいの「指導者」たちが、幼い少女たちの「ご主人様」になって、選手を意のままに操る。いい成績を収めれば、次の有望な選手に取りついて、また黄金の年月を過ごし、最後は五輪の舞台で、自分が作り上げた選手の品評会をやっている。

東京オリンピック招致運動でどのような金がどこに動いたかをフランス司法当局が追いかけている。そもそも伝統的に、オリンピック関係の帳簿や書庫品はすべて処分してしまうらしい。長野オリンピックでは終了直後に証拠隠滅のために燃やしたとかの話もあった。なかなか難しいし、上は上でつるんでいるから、司法当局が最初は不正に怒っていたとしても、あとあと、仲間に飲みこめばいいだけだと思うらしい。

当時の竹田会長が何をしたか。
昔の新聞
疑惑は15年、仏捜査当局が、セネガル出身で国際陸上競技連盟元会長のラミン・ディアク氏に絡むドーピング問題をめぐる資金の流れを追うなかで浮上した。

東京大会の招致委員会は13年、シンガポールのコンサル会社にコンサル料として計約2億3千万円を送金。コンサル会社の代表者はディアク氏の息子と親密な関係にあるとされ、仏捜査当局はコンサル料の一部が当時IOC委員だったディアク氏側への賄賂となった疑いがあると判断したもようだ。

13年には20年大会の開催都市を決めるIOC総会があり、陸上界やアフリカ諸国のとりまとめ役と見なされたディアク氏を「みな味方に付けたいと思っていた」(当時の招致関係者)という。

仏当局の捜査の動きが明らかになった16年5月、JOCは弁護士や公認会計士らによる調査チームを設置。国内外34人から事情を聴くなどし、同年9月、コンサル会社にはロビー活動などの業務実態があり、コンサル料に違法性はないとする報告書を公表した。

ただ、調査でコンサル会社の代表者やディアク氏、その息子からは話を聞くことができず、調査チームも「強制捜査権のないチームの限界」と認めていた。

仏検察当局はその後も捜査を続け、今回、裁判所による「予審」と呼ばれる捜査に移ったことが明らかになった。

仏裁判所は18年12月に竹田会長から事情聴取。他の関係者の聴取などを進め、裁判を開くかどうか判断するとみられる。関係者が複数国にまたがることなどから捜査は長期化する可能性もある。
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というわけで、長期化しています。懐かしいなあ。セネガル出身で国際陸上競技連盟元会長のラミン・ディアク氏。
2億3千万円は「正当なコンサル料だ」という。

それで開会式のマリー・アントワネット。
Qu’ils mangent de la brioche !
Let them eat cake
開会式でご挨拶したわけだ。

あなたがたはどうなさる?

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税金なのか企業協賛費なのか知らないが、庶民のお金が集められてまわりまわって、どこかに消えてゆく。
売春婦にお金を払うようなもので、税金はかけられないし、残るのは病気だけだ。

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今回の誤審疑惑について、審判に異議を唱えている顔ぶれを見るのも面白い。

全日本柔道選手権大会の歴代の優勝回数ランキング
大会回数77回のうち優勝者は39名、複数回の優勝者は18名。

順位選手優勝回数
1山下 泰裕9
2小川 直也7
3王子谷 剛志4
4鈴木 桂治
5井上 康生3
6篠原 信一
7神永 昭夫
8吉松 義彦

全日本柔道選手権大会というものの意義がどうかはよく知らないがとりあえず、こうしてみると、柔道の本流は、山下であることが分かる。

野村とか強くて、オリンピック3連場と分かりやすく言われるが、最強は山下である。小川は次に強かった。

そして現在、山下はお偉いさんだから、騒ぎが鎮まるまで静観だ。小川はそういう立場ではないので、比較的軽い立場でものをいう、そういう関係にあるらしいと分かる。山下の次を狙う人たちは静観。

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それはそうと、2012のあたりからオリンピックは赤字だと言われていて、テレビ放映権なども高くなっている。テレビ局も大変で、スポンサーの配置がうまくいかない。どの競技を放送するかはくじで決まるらしい。するとテレビ局としても黒字ではないらしい。そこから、地上波とBSでの割り振りも考えられているらしい。

勝つ見込みがなくてもみんな熱狂する競技と、勝つ見込みがあるけど、一部の人しか見ないだろう競技と、どう分配して放映するかは難題とのことだった。

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