手続き的シーケンスモデル(Procedural Sequence Model, PSM)

認知分析療法(Cognitive Analytic Therapy, CAT)の提唱者であるアンソニー・ライル(Anthony Ryle)は、「手続き的シーケンスモデル(Procedural Sequence Model, PSM)」という概念を論じています。これは、人が日常生活で経験する問題行動や思考パターンが、特定の順序に従って繰り返される「手続き的なシーケンス(流れ)」として理解できるという考え方です。

具体的には、PSMは以下のようなプロセスを含みます:

  1. トリガーとなる出来事: 何らかの外部の出来事や内的な感情が引き金となります。
  2. 自動的な思考や感情の反応: トリガーによって、瞬時に反応が引き起こされます。この反応は過去の経験や学習に基づいています。
  3. 行動のパターン: 反応が特定の行動や態度につながります。
  4. 結果とフィードバック: 行動がもたらす結果や周囲からの反応により、次のシーケンスが強化されたり変化したりします。

このモデルを用いることで、個人が無意識に繰り返している問題行動のパターンを明確にし、それを理解し、変化させることができると考えられています。たとえば、特定の状況でいつも同じような不安を感じ、それが特定の回避行動につながり、その結果として問題が悪化するというサイクルがある場合、そのサイクルを認識し、異なる反応や行動を選択することで、問題の解決が図られるのです。

PSMは、CATのセッションにおいて、クライアントとともにそのパターンを具体的に分析し、図式化する際に非常に役立つツールです。

タイトルとURLをコピーしました