休養感を高める生活習慣
質の良い睡眠を得るためには、まず身体を眠りやすい状態にすること、
さらに寝付きやすく、睡眠を妨げない環境を整えることが重要です。
就寝前の生活習慣や睡眠環境を見直し、睡眠休養感を高めましょう。
·寝る前にリラックスして心身の緊張をゆるめる
·快適な寝室
·寝る前にぬるめの入浴でからだをあたためる
·日中に散歩など適度な運動を
·しっかり朝食をとり、寝る直前の食事は避ける
·眠れないときは寝室から出る
·眠くなってから寝床へいく
·昼寝は短めに
·日中と夜間のメリハリ
眠りの環境を整えましょう
光の環境づくり
起床時に朝日を浴びることで体内時計がリセットされます。また日中
にも日光を浴びることで、夜に適切なタイミングで睡眠を促す体内物質が
分泌され、速やかな睡眠が得られると考えられます。逆に就寝時にスマート
フォンや強い光を浴びると入眠が妨げられます。
温度の環境づくり
人の深部体温は日中に上昇し、夜間には低下することで眠りと覚醒のメリ
ハリが作られます。また、冬に就寝前の部屋の室温が低いと寝付くまで
の時間が延長され、夏に室温が上昇すると睡眠時間が短縮するとの
報告があります。体温の変動とともに寝室の温度環境を整えましょう。
音の環境づくり
騒音の中では多くの人が眠りづらさを感じます。騒音により夜間の覚醒
が増加し、深い睡眠が得られにくいことが報告されています。適切な
睡眠には静かな環境が必要です。一方で睡眠への影響には慣れがみられ
ることや、騒音の感じ方には個人差があることも知られています。
適度の運動と食生活、日中と夜間のメリハリのある
規則正しい生活習慣が質の良い睡眠を助けます。
生活習慣や睡眠環境の改善で効果が得られない睡眠障害では、
不眠症や閉塞性睡眠時無呼吸などの疾患が原因となっている場合があります。
睡眠に不安を感じたら専門医に相談しましょう。
体内時計と交替制勤務
現代社会では多くの方が夜間の仕事に携わることで、便利な日常が維持
されています。しかし勤務時間が変化する交替制勤務(シフトワーク)は、
体内時計の機能に逆らった生活となりやすく、就業者の身体に負担のかかる
業務形態であることがわかっています。
その日によって勤務時間帯が変わるのが「交替制勤務」です
●交替制勤務と健康リスク
交替制勤務とは、日ごと、または一定の期間ごとに勤務時間帯が変化する勤務形態を指し、不眠や眠気、睡眠休養感の低下とともに、仕事の効率の低下、勤務中や通勤中の交通事故や怪我の発生などに関連しています。
また、勤務時間が決まっている人に比べてメタボリックシンドロームの発症リスクが1.06倍増加し、心血管系疾患発症のリスクが1.15倍増加すると報告され、さらに乳がんや前立腺がんなどの他に、うつ病や認知症の発症リスクが高くなると報告されています。
交替制勤務での工夫
交替制勤務では仮眠やコーヒー(カフェイン)などをうまく利用することで、業務中の眠気や作業効率の改善が期待できます。
「夜間の勤務中に仮眠をとる深夜0時~4時からの仮眠(20分~50分)は仕事の効率や疲労を改善したことが報告されています。
仮眠前のカフェインで寝起きを容易に仮眠前に適量のコーヒーなどを飲むことで、寝起きのぼんやり感を減らせる場合があります。
夜勤明けは夕方以降から長めの睡眠を交替制勤務の夜勤明けは、すぐに眠らず午前中の日光を浴びて体内時計のずれを減らしましょう。