自己効力感とコントロール信念:相関性と差異
自己効力感とコントロール信念は、どちらも個人が持つ自己に関する信念であり、密接な関係を持つ概念です。しかし、厳密には異なる側面を指しています。
- 自己効力感:特定の状況下で、特定の行動を成功裏に遂行できるという個人的な信念です。つまり、ある特定のタスクに対して「自分はできる」という確信のことです。
- コントロール信念:一般的に、自分の人生や出来事をある程度コントロールできるという、より広範な信念です。外部の要因ではなく、自分の行動によって結果を左右できると信じることです。
両者の関係
- 部分的な包含関係:コントロール信念は、自己効力感よりも広範な概念です。自己効力感は、コントロール信念の一部を構成すると言えるでしょう。
- 相関性:一般的に、自己効力感が高い人は、コントロール信念も高い傾向があります。特定の状況で成功できるという信念を持つことは、より広い範囲で自分の人生をコントロールできるという信念につながりやすいからです。
コントロール信念の種類と自己効力感との関係
コントロール信念には、大きく分けて以下の3つの種類があります。
- 内部コントロール信念:自分自身の努力や能力によって、出来事をコントロールできるという信念。
- 外部コントロール信念:運や運命、他人の力によって、出来事がコントロールされると信じる信念。
- 無力感:自分には何もできない、出来事は偶然によって起こると信じる信念。
- 内部コントロール信念と自己効力感:両者は強い相関関係があります。内部コントロール信念を持つ人は、様々な状況で自己効力感を発揮し、目標達成に向けて積極的に行動する傾向があります。
- 外部コントロール信念と自己効力感:相関関係は弱く、むしろ逆の傾向が見られることがあります。外部コントロール信念を持つ人は、努力しても無駄だと考えがちで、自己効力感も低い傾向があります。
- 無力感と自己効力感:無力感は、自己効力感の欠如状態と言えます。無力感を持つ人は、何事もできないと思い込み、行動を放棄しがちです。
両者の関係性の重要性
自己効力感とコントロール信念は、個人の行動や心理状態に大きな影響を与えます。
- 高い自己効力感とコントロール信念を持つ人は、
- 目標達成に向けて積極的に行動する
- 困難な状況にも立ち向かう
- ストレスに強く、心の健康を保ちやすい
- 自己肯定感が高い
- 低い自己効力感とコントロール信念を持つ人は、
- 行動を躊躇し、目標達成を諦めやすい
- ストレスを感じやすく、うつ病などのリスクが高まる
- 自己肯定感が低い
まとめ
自己効力感とコントロール信念は、密接に関連する概念であり、個人の行動や心理状態に大きな影響を与えます。特に、内部コントロール信念と自己効力感は強い相関関係があり、両者を高めることは、より豊かな人生を送るために重要です。
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セルフ・エフィカシーとコントロール確信は、心理学において密接に関連する概念です。両者の関係について以下のように考察できます:
- 定義の比較:
- セルフ・エフィカシー:特定の状況や課題に対して、自分が必要な行動をうまく遂行できるという信念。
- 信念:自分の人生や状況をコントロールできる程度に関する一般的な信念。
- 範囲の違い:
- セルフ・エフィカシーは特定の課題や状況に焦点を当てています。
- コントロール確信はより広範で、人生全般に適用されます。
- 相互作用:
- 高いセルフ・エフィカシーは、特定の領域での制御信念を強化する可能性があります。
- 逆に、強いコントロール確信は、新しい状況でのセルフ・エフィカシーの発達を促進する可能性があります。
- 行動への影響:
- 両方の概念とも、個人の行動選択や努力の程度に影響を与えます。
- 高いセルフ・エフィカシーと強いコントロール信念を持つ人は、困難に挑戦しても粘り強く取り組む傾向があります。
- 発達プロセス:
- セルフ・エフィカシーは主に特定の経験や成功体験から形成されます。
- コントロール確信は、より長期的な人生経験や文化的影響から形成される傾向があります。
- 測定と評価:
- セルフ・エフィカシーは通常、特定の領域や課題に関連して測定されます。
- コントロール自信は、より一般的な質問評価されることが多いです。
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自己効力感(セルフ・エフィカシー)とは心理学で用いられる用語のひとつです。 心理学辞典では「自分が行為の主体であると確信していること、自分の行為について自分がきちんと統制しているという信念、自分が外部からの要請にきちんと対応しているという確信」と定義されています。
“sense of control”・“コントロール感覚”
Control beliefs(コントロール信念)
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Skinner et al. (1988b) は今まで動機づけ研究で扱われてきた「期待」をコントロールの認知 (perceived control) として位置づけて扱っている。そのコントロールの認知を測るため,活動理論を背景として作成された尺度がCAMI (Control, Agency, and Means-Ends Interview; Skinner et al., 1988a, 1988b) である。
CAMIは「統制信念 (Control beliefs) 」,「手段の認識 (Means-Ends beliefs) 」,「手段保有感 (Agency beliefs) 」という3つの独立した信念から構成される
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統制信念は,行為者と目標間の信念であり,「手段を特定することなしに,自分が目標を達成できるか」という期待である。ここでの手段とは具体的な行動ではなく,後述する努力,能力,運,他者の援助,未知の原因を包括する概念である。従来この統制信念は行為者と手段の関係 (例えば自己効力感) と,手段と目標の関係 (例えば結果予期) を測ることにより予測されてきたため独立した期待としては測定されてこなかったが,Skinner et al. (1988a) は統制信念の独立性をみいだしている。Atkinsonの期待価値理論 (1964) で扱われた「課題への主観的な成功確率」である期待は,手段などを想定しておらず,自分が成功できるかどうかだけを扱っている。そのため,これは「手段を特定することなしに,自分が目標を達成できるか」という期待である統制信念に対応すると考えられるかもしれない。また,有能感 (perceived competence; Harter, 1982; White, 1959) もこの統制信念に対応するといわれている (Skinner, Zimmer-Gembeck, & Connell, 1998)。さらに,この統制信念は「自我の保護 (protection of ego)」という役割も果たすとされている (Abramson & Alloy, 1980)。
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手段の認識は,手段と目標間の信念であり,「一般にどのような手段で目標が達成できるか」に関する期待である。Skinner (1990) はRotterのLocus of Control (1966) は,その尺度が一次元的であり (例えば,内的統制でない人は外的統制とされる),また内的統制においては努力,能力という内的要因の区別を考慮しておらず,外的統制においては運,他者という外的要因の区別を考慮していないと批判している。さらにConnell (1985) は子どもたちへのインタビューから,「何が成功につながるのか分からない」という認識も実際に存在することを確認している。以上の研究や,Weinerの原因帰属 (1979) などを参照し,Skinner et al. (1988a)は 手段の認識におけるは具体的な手段として,努力 (effort),能力 (attribute),運 (luck),他者の援助 (powerful others),未知の原因 (unknown) という5つの手段を挙げている。このように,それぞれの手段に対する信念が別個に問われる多次元的なものとなっている点が特徴的である。なお,CAMIは学習場面について扱われるため,「他者の援助」は具体的に「教師 (の援助) 」として扱われている。手段の認識はBandura (1977) の結果予期や,Rotter (1966) やSeligman & Maier (1967) の随伴性期待と同様に手段と目標の間における信念である。なおSkinner et al. (1988a) は,例えば「僕が逆上がりをできるようになったのは,努力をしたからだ」というような従来の手段の認識の測定の仕方では,「僕は努力ができる」という手段保有感を同時に暗示する可能性があり,測定上において区別がなされていないとしている。そこで,「友だちが逆上がりをできるようになったのは,努力をしたからだ」というように,自分についてではなく,一般にどのような手段が目標につながるのかを測定することで,手段の認識のみを測定できるとしている。
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行為者と手段間の信念である手段保有感は,「行為者が目標達成に必要な手段をどれくらい保有しているか」に関する期待である。手段保有感はBandura (1977) の自己効力感と同様に行為者と手段の間における信念であり,ここでは努力,能力,運,他者の援助という手段が想定されている。未知の原因が手段保有感に含まれないのは,自分の持っている手段については未知の原因が想定しにくいからである。
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以上の3つの信念を測定する尺度としてSkinner et al. (1988a, 1988b) は,CAMIを開発したが,これは従来扱われてきた期待概念をより精緻化して扱っているものであるといえる。
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目的
自由意志とは基本的に、「自分の理由や欲求にそって行為を
選択する能力」を意味している。この自由意志に対する信念
は援助行動や攻撃行動など、われわれの社会行動の生起を規
定することが知られている。たとえば、Baumcister,Masicampo,
&DeWall(2009)は、自由意志の存在が否定されると援助行
動が減少し、攻撃行動が増加することを示している。この影
響の背景には「自己コントロール」という要因が媒介すると
仮定され、実際にその仮定を支持する知見も提出されている
(Rigoni,Wilquin,Brass,&Burle,2013;渡辺·櫻井·唐沢,2013)。
つまり、自由意志の否定によって、自分の衝動をコントロー
ルしようとする動機づけが低下してしまうのである。
ただし、日本では自由意志信念と自己コントロールが相関
レベルで関連することが示されてはいるが、自由意志信念か
ら自己コントロールに対する因果的影響は示されてはいない
(渡辺·岡田·酒井·池谷·唐沢,2013)。その理由として、
従来の実験操作(Veltcn method)は参加者のリアクタンスを
生起させやすく、なおかっ操作の強度が不足しているという
可能性が提起された。そこで本研究は、英文和訳という操作
手法を新たに使用することで、自由意志信念がもたらす因果
的影響について再検証をおこなうこととする。
方法
大学生80名が実験に参加した。実験は自由意志信念の操作、
自己コントロールの測定の順序で実施しており、各参加者は
自由意志信念(自由意志 vs.統制 vs.決定論)のいずれかの
条件にランダムに割りあてられた。
自由意志信念の操作では、英文和訳をとおして参加者の信
念を実験的に操作した。より具体的には、自由意志条件では
自由意志の存在を肯定する英文、統制条件では自由意志とは
無関連な英文、そして決定論条件では自由意志の存在を否定
する英文を提示し、それぞれの文章を和訳するよう参加者に
対して求めた。自由意志条件と決定論条件でもちいた英文例
を以下に記述する。なお、これらの英文を使用するにあたり、
難解な表現を平易なものに修正している。
自由意志条件:To be morally responsible, I have to be the
ultimate source of my behavior (Dennett, Freedom evolves).
決定論条件:The experience of conscious will comes up at
some point after the brain has already started preparing for
the action (Wegner, The illusion of conscious will ).
自己コントロールの測定では、日常生活における選択場面
を描いたシナリオを参加者に提示した。そのシナリオでは、
登場人物である参加者が欲求を抑制することが困難な状況を
描いており(出費を抑制するために食べ物の購入を控える)、
そうした場面で自己コントロールすることができるかどうか、
また自己コントロールすることが望ましいかどうかを尋ねた
(7項目5件法)。
結果·考察
分析に先立ち、自己コントロールの信頼性係数を算出した。
その結果、a =. 84と十分に高い信頼性が確認された。そこで、
7項目の平均値を「自己コントロール」の指標得点として、
以下の分析で使用した。
自己コントロールの得点について、自由意志信念(自由意
志 vs.統制 vs.決定論)を参加者間要因とした1要因の分散
分析を実施した。分析の結果、自由意志信念の効果は有意で
あった(F(2,77)=4.46,p <. 05)。つづけで、Bonferroni 法に
よる多重比較をおこなったところ、決定論条件は自由意志条
件や統制条件とくらべて、自己コントロールの得点がそれぞ
れ低いことが明らかになった(図1)。
以上の検討結果は、「自由意志の存在が否定されると、自己
コントロールは抑制される」ということを示している。した
がって、事前仮説どおり、自由意志信念は自己コントロール
を維持する役割を担っていると考えられよう。本研究は自由
意志信念が自己コントロールに与える因果的影響を一貫して
検討してきたが、今後は自己コントロールを介した行動変化
や道徳的責任との関連について、新たな研究が待ち望まれる。
引用文献
Baumeister, R. F., Masicampo, E. J., & DeWall, C. N. (2009). Prosocial
benefits of feeling free: Disbelief in free will increases aggression and
reduces helpfulness. Personality and Social Psychology Bulletin, 35,
260-268.
Rigoni, D., Wilquin, H., Brass, M., & Burle, B. (2013). When errors do not
matter: Weakening belief in intentional control impairs cognitive
reaction to errors. Cognition, 127, 264-269.
渡辺匠·岡田真波·酒井真帆·泡谷光司·店沢かおり(2013).自由意
志信念に応じた婦属プロセスの変容.人間環境学研究,11,59-65.
渡辺匠·櫻井良祐·店沢かおり(2013).自由意志信念から援助行動·
攻撃行動への影響過程:自己制御という観点から.日本パーソ
ナリティ心理学会第22回大会発表論文集,93.
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自己効力感とコントロール信念を高める方法
自己効力感とコントロール信念を高めることは、より充実した人生を送るために非常に重要です。これらの信念を高めるための具体的な方法をいくつかご紹介します。
自己効力感を高める方法
- 小さな成功体験を積み重ねる: 大きな目標ではなく、達成可能な小さな目標を設定し、それを一つずつクリアしていくことで、成功体験を積み重ねることができます。
- 過去の成功体験を振り返る: 過去に困難を乗り越えた経験を思い出すことで、自己効力感を強化できます。
- ロールモデルを見つける: 成功している人や尊敬する人の行動を参考にしたり、その人からアドバイスをもらったりすることで、自分もできるという自信を持つことができます。
- ポジティブな自己暗示: 「私はできる」「必ずうまくいく」など、肯定的な言葉を自分に言い聞かせることで、自己効力感が高まります。
- 専門家のサポートを受ける: カウンセリングやコーチングを受けることで、客観的な視点から自己評価を行い、自己効力感を高めることができます。
コントロール信念を高める方法
- 行動計画を立てる: 目標を達成するための具体的な行動計画を立てることで、自分が状況をコントロールできるという感覚が強まります。
- 選択肢を増やす: 何か問題が発生した際、複数の選択肢を検討することで、より主体的に状況に対処できるようになります。
- 情報収集: 必要な情報を集め、状況を把握することで、より的確な判断を下せるようになり、コントロール感を得られます。
- 自己肯定感を高める: 自分の価値を認め、自己肯定感を高めることで、より積極的に行動できるようになり、コントロール信念も強まります。
- ストレス管理: ストレスを溜め込まず、適切なストレス解消法を見つけることで、心の安定を図り、コントロール感を取り戻せます。
両者を高めるための共通のポイント
- ポジティブな思考: ネガティブな思考パターンをポジティブな思考に変えることで、自己効力感とコントロール信念の両方を高めることができます。
- 挑戦: 少し難しいと感じることにも積極的に挑戦することで、自己成長を実感し、自己効力感が高まります。
- サポートを求める: 周りの人に相談したり、協力をお願いしたりすることで、孤独感を解消し、コントロール感を得られます。
- 健康的な生活: 規則正しい生活、バランスの取れた食事、適度な運動は、心身の健康を維持し、自己効力感とコントロール信念を高める上で重要です。
これらの方法を実践する上で大切なのは、継続性です。 一朝一夕に自己効力感やコントロール信念を高めることは難しいですが、日々の小さな積み重ねが大きな変化をもたらします。
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自己効力感とは、自分ならうまくやれるという自信のことで、自己効力感が高いとチャレンジする意欲が生まれ、失敗しても落ち込みにくくなります。
自己効力感の源泉となるのは、困難な状況に立たされたときも認知能力を駆使して問題を解決に導いたという自信です。
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自己効力感という言葉は、スタンフォード大学の教授であったアルバート・バンデューラ博士が初めて提唱しました。
自己効力感とは、目標達成のための能力を自分自身が持っていると認識することです。噛み砕くと、「自分なら乗り越えられる」「きっとできるはず」と思える状態のことを指します。
このような認知状態にあると、仕事や生活などさまざまなシーンで直面する壁や困難、難問に立ち向かうことができ、たとえ失敗してしまっても早く立ち直ることが可能です。英語ではセルフエフィカシー(Self-efficacy)、日本語では自己可能感と言われることもあります。
自己効力感は、誰でも同じではありません。一人ひとり認知状態は異なりますが、大きく分けて3つのタイプがあります。
自己統制的自己効力感
社会的自己効力感
学業的自己効力感
自己統制的自己効力感は、自分の行動をコントロールできる認知状態のことを言います。「自分ならできる」と考えられることが代表的な例で、ポジティブに気持ちをコントロールし、困難な仕事や難易度の高いプロジェクトなどに臨むことができます。困難にぶつかったときには、上手くいかない現状に耐える忍耐力、継続し続けるモチベーションなど、気持ちと行動の制御は何より大切です。
社会的自己効力感は、社会や他者との関係において発揮されます。さまざまな人と関わる中で、相手と親しくしたいのに自分では上手くいかないこともあるでしょう。そのようなときに、「きっと仲良くなれるはず」という心理状態をつくることができれば、打ち解けるチャンスが出てきます。大人になっても成長できるので、人間関係に悩んでいる方にとって重要な自己効力感です。
学業的自己効力感は、学習や学びにおける自己効力感のことを指します。「難関大学に合格した」「合格率の低い資格を取得した」など、学びに関する成果を通して自己効力感が高くなります。難しい知識やスキルの習得を目指す場面で、学業的自己効力感が高い人はあきらめずに取り組めることが多いです。
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自己効力感は、結果予期(結果期待)と効力予期(効力期待)の2つで構成されています。結果予期とは「こうすればこうなるだろう」という結果の予測、効力予期とは結果につながる行動を実行できることです。
例えば、新しいプロジェクトを任されたときに、過去の経験や自分の知識・スキルなどを元に、結果を予測します。その結果に向けて、何をすればよいかを考え、自分自身でそれを実行できると信じることが効力予期です。
結果予期と効力予期の高低、言わば「どれだけ自分を信じられるか」によって、人間の行動が変わります。良い結果、それに伴う行動に自信を持つことができれば、ポジティブに取り組むことができるでしょう。
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自己効力感に関わる要因は、主に4つあります。
遂行行動の達成
代理的経験
言語的説得
情動的喚起
遂行行動の達成とは、ある行動を最後までやり遂げた経験のことです。目標のための労力や時間などは財産であり、自己効力感の向上につながります。代理的経験とは、他の人の成功体験を間接的に体験することで、自己効力感の形成に効果的です。
言語的説得はポジティブな声かけで自己効力感が高まること、情動的喚起は健やかな精神状態からポジティブな気持ちが生まれることを言います。
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自己効力感と自己肯定感の違い
自己効力感は、自己肯定感とよく似ている言葉ですが、実際は異なる概念です。人間の行動や成果に対して、「自分ならできる」と考えられることを自己効力感と言います。
一方、自己肯定感は、自分自身の存在を肯定できる・認められる力です。できるかできないかは関係なく、できてもできなくても自分を受け入れることを自己肯定感と言います。
そのため、「できる」と信じる自己効力感、「できてもできてなくても」自分を認める自己肯定感という点で、2つの言葉には明確な違いがあります。
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「自分ならできる」と思えることは、さまざまなメリットにつながります。
落ち込みにくくなる
チャレンジ精神を向上できる
モチベーションを維持できる
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「行動の積極性」
何か仕事をするときは、自信を持ってやるほうである。
人と比べて心配性なほうである。
何かを決めるとき、迷わずに決定するほうである。
引っ込み思案なほうだと思う。
結果の見通しがつかない仕事でも、積極的に取り組んでいくほうだと思う。
どんなことでも積極的にこなすほうである。
「失敗に対する不安」
説教的に活動するのは、苦手なほうである。
過去に犯した失敗や嫌な経験を思い出して、暗い気持ちになることがよくある。
仕事を終えた後、失敗したと感じることのほうが多い。
何かをするとき、うまくいかないのではないかと不安になることが多い。
どうやったらようか決心がつかずに仕事に取り掛かれないことがよくある。
小さな失敗でも人よりずっと気にするほうである。
「能力の社会的位置づけ」
友人より優れた能力がある。
人より記憶力が良いほうである。
友人よりも特に優れた知識を持っている分野がある。
世の中に貢献できる力があると思う。
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自己効力感を高める方法
成功体験を積む
身近な例を参考にする
周囲がサポートする
健康状態を整える
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「自分ならできる」という感覚は、世界と自分についての脳内世界モデルの問題に帰着するのではないかと思う。