いろいろな分野で、現在のアメリカは10年先の日本である。大体。
例えば、テレビ放送のハードディスク録画。
例えば、ペットボトルで飲む水。
昔、知人が、そろそろ日本でもペットボトルの水を飲むようになるから、事業に着手すると言って、四国の水源とか調査していた。
周囲は、アメリカは上水道がよくないのかもしれないが、日本の上水道は質が高いと言われていて、実際、飲料水として何の文句もない。こればかりは、10年たてば日本でも、とはいかないだろう、と話していた。
ところが現在では水はペットボトルで買って飲んでいる。
薬剤でもドラッグラグと言われている。
学問の流行もそのようなもので、アメリカで流行して、日本から留学した学者などが学んで、翻訳して、日本で流行するまで、10年かかっていた。
ネットの世界になって少しは移植が早くなったのかもしれないが、いずれにしてもアメリカに注目していれば、タイムマシン効果で、やがて日本でも流行することが多いとしたら、すなおにアメリカの流行を取り入れておけば、良いことになる。未来の先取りができる。留学の費用も取り返せる。
自然科学系はアメリカが圧倒している。哲学は一部フランスが流行発信地となることがあり、その点でフランス語が理解できることは有利だ。それ以外はたいていアメリカ語で足りる。中国は論文数は多いが、知識階級はアメリカ語で発信して、アメリカで勉強している。インドもその傾向だ。新型コロナワクチンなどは、中国なら中華ワクチンができそうだし、インドならインド製ワクチンジェネリックなどできそうである。
AIの分野でも、たとえばアップルのAIはアメリカで先行して開放、日本語での運用開始は来年くらいかなどと言われている。ここにもタイムラグがある。
AIで調べたりするとき、日本語で調べないで、英語で調べて、最終結果を日本語に翻訳したほうが高品質だとか言われている。
勿論、サンプルとなる文章や論文は日本語よりも英語が圧倒的に多いし、質の高いものも多い。したがって、それを学習するAIも英語で使った方が賢いということになる。
日本語のサンプルをどの程度学習しているのだろう。
日本語の質問を英語に直して、そのあと情報処理して、英語で答えが得られたらそれを日本語に直して、おしまい。中身は英語にした方が質が上がるらしい。同等だとすれば、質問を勝手に英訳して、英語ライブラリーを参考にアウトプットして、最期に日本語に直している可能性がある。