CBT-H-1-1認知行動療法: 歴史、哲学、主なアプローチ 概略 学習補助

認知行動療法: 歴史、哲学、主なアプローチ

この章では、認知行動療法 (CBT) の歴史、哲学的基盤、および主要なアプローチについて包括的に解説しています。初期のCBTの誕生から現代の展開までを辿り、その有効性に関するエビデンス、今後の課題についても考察しています。

第1章 認知行動療法の歴史的および哲学的根拠

  • CBT の核心: CBTの3つの基本的な前提 – 認知活動と行動の関係、認知の可塑性、認知変化による行動変化の可能性 – について解説し、これらの前提を支持する研究を紹介します。
  • 認知活動が行動に影響を与えること。
  • 認知活動はモニタリングと変更が可能であること。
  • 望ましい行動の変化は、認知の変化によってもたらされる可能性があること。
  • CBTの構成要素: 認知、行動、感情、生理学的変化といったCBTにおける変化の指標と、その目標設定について、具体的な治療例を交えながら解説します。
  • CBTの歴史的根拠: 行動療法と精神力学的療法という二つの流れを背景に、CBTがどのように発展してきたのかを解説します。
  • 行動療法からの影響: 古典的およびオペラント条件付けの原理に基づく行動療法における限界 – 特に認知的側面の軽視 – を指摘し、それがCBTの登場へと繋がった経緯を説明します。
  • 精神力動療法からの影響: 精神力動療法、特に精神分析の有効性に対する疑問、短期的な症状軽減と問題解決への関心の高まりが、CBTの発展にどのように寄与したかを論じます。
  • CBT 開発の要因: CBT の発展を促進した主な要因 – 既存の治療モデルへの不満、認知現象への関心の高まり、認知行動療法の有効性を示す研究結果 – について解説します。
  • 主な認知行動療法: REBT、認知療法、自己指導トレーニング、セルフコントロール治療、ストレス接種トレーニング、問題解決療法、構造的および構成主義的心理療法、第三波CBTといった主要なCBTアプローチの歴史、理論、治療技法について解説します。
  • 合理的感情行動療法 (REBT): アルバート・エリスによって開発されたREBTの基本的な考え方 – 人間の思考、感情、行動の関係性、不合理な信念の特定と修正 – と具体的な治療技法について解説します。
  • 認知療法: アーロン・ベックが提唱する認知療法 – うつ病における認知の歪みに着目し、より現実的で適応的な認知を促進する – の理論、治療技法、有効性に関する研究について解説します。
  • 自己指導トレーニング: ドナルド・マイヘンバウムが提唱する自己指導トレーニング (SIT) – 問題解決における自己言語の役割に着目し、自己制御能力を高める – の理論、具体的な訓練手順、適用範囲について解説します。
  • セルフコントロール治療: 自己効力感、自己制御、自己規制といった概念に着目し、様々な状況下における自己制御能力を高めることを目指す治療法の理論、技法、適用範囲について解説します。
  • ストレス接種トレーニング: ストレスに対する抵抗力を高めることを目的としたストレス接種トレーニング – 教育、スキル習得、応用訓練の3段階からなる – の理論、具体的なトレーニング内容、適用範囲について解説します。
  • 問題解決療法: 問題解決能力の向上に焦点を当てた治療法 – 問題の定義、代替案の生成、意思決定、解決策の実行といった段階的なプロセス – について、具体的な技法、適用範囲、有効性に関する研究を紹介します。
  • 構造的および構成主義的心理療法: 個人の認知構造、自己と世界の捉え方に着目し、より適応的な認知構造の構築を目指す治療法の理論的背景、治療目標、具体的な技法について解説します。
  • 「第三波」認知行動療法: 受容とコミットメント療法 (ACT) を中心とした第三波CBT – 認知の柔軟性、価値に基づいた行動、マインドフルネスを重視 – の特徴、他のCBTとの違い、有効性に関する研究を紹介します。
  • CBT における類似性と多様性: さまざまなCBTアプローチに共通する特徴 – 認知活動への焦点、時間制限、患者中心主義、教育的側面 – と、それぞれの違いを明確化します。
  • 今後の課題: 認知行動療法における今後の課題 – 認知現象の定義の明確化、治療技法の標準化、異なる問題への適用可能性 – について論じます。

結論: CBTは、誕生以来、多様化と発展を遂げ、多くの精神疾患や問題に対して有効性を示してきました。今後、更なる発展と普及が期待される分野です。

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