CBT-H-8-3 合理的感情行動療法 3 学習補助

小テスト

  1. REBTによると、感情的な苦痛の原因は何ですか? 2~3文で説明してください。
  2. REBTでいう「非合理的信念」とは何ですか? 例を挙げてください。
  3. REBTでいう「合理的信念」とは何ですか? 例を挙げてください。
  4. REBTの治療プロセスを5つのステップで説明してください。
  5. REBTの5つの特徴と利点を挙げてください。
  6. REBTの3つの限界と批判点を挙げてください。
  7. REBTと他の認知行動療法との主な違いを3つ挙げてください。
  8. REBTでいう「無条件の自己受容」とはどういう意味ですか?
  9. REBTでよく見られる非合理的信念にはどのようなものがありますか? 2つ例を挙げて説明してください。
  10. REBTでは、クライアントが自分の不合理な信念を変えるために、どのような宿題が出されることがありますか? 2つ例を挙げてください。

解答

  1. REBTによると、感情的な苦痛の原因は出来事自体ではなく、 その出来事に対する非合理的な信念 です。例えば、プレゼンテーション後、聴衆の反応が悪かったとします。この時、「自分は人前で話すのが下手だ」と考えるのは非合理的信念であり、「改善点はあるが、まずまずできた」と考えるのは合理的信念です。
  2. REBTでいう「非合理的信念」とは、現実的でなく、論理的でなく、役に立たない考え方 のことです。例えば、「私はすべての人から好かれなければならない」「失敗は絶対に許されない」などが挙げられます。
  3. REBTでいう「合理的信念」とは、現実的で、論理的で、役に立つ考え方 のことです。例えば、「すべての人から好かれるのは難しいが、私は私なりに頑張ろう」「失敗は残念だが、次に活かせばよい」などが挙げられます。
  4. REBTの治療プロセスは以下の5つのステップで行われます。
  5. 問題の特定: クライアントが抱える問題や、望ましくない感情、行動を特定します。
  6. ABC分析: 問題となる状況(A)、それに対する信念(B)、そして結果として生じる感情や行動(C)を分析します。
  7. 非合理的信念の特定と反駁: クライアントの非合理的信念を特定し、それらに対して論理的、経験的、実用的な観点から反駁します。
  8. 新しい合理的信念の形成: 非合理的信念に代わる、より合理的で適応的な信念を形成します。
  9. 新しい信念の強化: 認知的、感情的、行動的な技法を用いて、新しい合理的信念を強化します。
  10. REBTの特徴と利点は以下の点が挙げられます。
  11. 実用的: 現在の問題に焦点を当て、具体的な解決策を提供します。
  12. 教育的: クライアントに心理学的な原理を教育し、自己援助のスキルを身につけさせます。
  13. 積極的: セラピストは指示的で積極的な役割を果たし、クライアントの非合理的信念に直接挑戦します。
  14. 柔軟性: 様々な問題や障害に適用が可能で、個人療法だけでなく、グループ療法や夫婦療法にも応用できます。
  15. 自己受容: 無条件の自己受容を重視し、自己価値を特定の行動や他者の評価に依存させないように促します。
  16. REBTの限界と批判点は、以下の点が挙げられます。
  17. 過度に理性的: 感情の役割を軽視し、すべての問題を理性的思考で解決しようとする傾向があるという批判があります。
  18. 文化的配慮: 西洋的な個人主義や合理主義に基づいているため、異なる文化背景を持つ人々には適用が難しい場合があります。
  19. 複雑な問題への適用: トラウマや深刻な精神疾患など、複雑な問題に対しては、単独での使用には限界があるかもしれません。
  20. REBTと他の認知行動療法との主な違いは以下の点が挙げられます。
  21. REBTは、他の認知行動療法よりも指示的で構造化された治療法です。セラピストは宿題の課題や行動実験などを用いて、クライアントが非合理的で非現実的な信念を特定し変更することを積極的に支援します。
  22. REBTは、無条件の自己受容(USA)の重要性を強調しています。REBTは、人々は自分自身や他人を評価せずに受け入れるべきだと教えています。
  23. REBTは、人間の心理的な苦痛の根本原因として、非合理的で非現実的な信念に焦点を当てています。他の認知行動療法は、思考、感情、行動の関係を認識していますが、必ずしもこれらの信念に同じ重点を置いているわけではありません。
  24. REBTでいう「無条件の自己受容」とは、ありのままの自分自身を、良い面も悪い面も含めて、そのまま受け入れるということです。
  25. REBTでよく見られる非合理的信念には、以下の様なものが挙げられます。
  26. 自己中心的信念: これは、「すべての人は自分の願い通りに行動すべきだ」「自分は常に正しい」といった考え方です。
  27. 破滅的な信念: これは、「もし何か悪いことが起こったら、それは世界の終わりだ」「自分はもう立ち直れない」といった考え方です。
  28. REBTでは、クライアントが自分の不合理な信念を変えるために、以下のような宿題が出されることがあります。
  29. 認知日記: 1日の出来事と、それに対する自分の思考、感情、行動を記録することで、自分の思考パターンに気づくことを目的とします。
  30. 行動実験: 自分の非合理的信念を試し、それが現実と一致しているかどうかを検証します。

エッセイ問題

  1. REBTにおける「合理的信念」と「非合理的信念」の違いについて、具体的な例を挙げながら論じてください。
  2. REBTの治療プロセスにおいて、セラピストとクライアントはどのような役割を担うべきでしょうか?
  3. REBTの「無条件の自己受容」の概念について、あなたの意見を述べてください。
  4. REBTは、現代社会においてどのような意義を持つと考えられるでしょうか?
  5. REBTと他の心理療法(例:精神力動療法、認知療法)との比較を行い、REBTの特徴を明確にしてください。

用語集

REBT: 合理情動行動療法(Rational Emotive Behavior Therapy)の略称。アルバート・エリスによって創始された、認知行動療法の一種。

非合理的信念: 現実的でなく、論理的でなく、役に立たない考え方。

合理的信念: 現実的で、論理的で、役に立つ考え方。

ABC分析: REBTにおける問題分析の方法。A(活性化事象:Activating event)、B(信念:Belief)、C(結果:Consequence)の3つの要素から成り立ち、問題状況(A)とその時抱いた信念(B)が、感情や行動といった結果(C)を生み出すと考える。

自己中心的信念: すべての人が自分の願い通りに行動すべきだという、自己中心的な考え方。

破滅的な信念: 何か悪いことが起こると、それが大惨事になるという、悲観的で極端な考え方。

フラストレーション: 耐性欲求不満や不快な状況に耐える能力。

無条件の自己受容: ありのままの自分自身を、良い面も悪い面も含めて、そのまま受け入れること。

認知再構築: 非合理的信念を特定し、それらに挑戦し、より合理的で適応的な信念に置き換えること。

宿題: セラピーセッションで学んだことを、日常生活で実践するために課される課題。

恥攻撃演習: REBTで使用される行動療法の一種。クライアントが恐怖に直面し、それを克服するために、意図的に恥ずかしい行動をとる練習をする。

リスクテイク演習: REBTで使用される行動療法の一種。クライアントが恐怖に直面し、それを克服するために、意図的にリスクを冒す行動をとる練習をする。

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