たとえば上司が変だとか、過労が続いてとかで、うつ病になるとして、人間の場合だったらそんなことがあるだろうけれども、コンピュータの場合はどうか考えてみる。今後は人間のホワイトカラーの仕事をコンピュータが代わってしてくれるというのであるが、コンピュータは人間と同じようにうつ病になるのだろうか。
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コンピュータが作動して結果を返してくれる場合、上司の態度が問題だとか、過労が問題だとかはなさそうではないか。
上司の態度がどうであっても、コンピュータは入力に対して出力を返すだけで、むかついたりイライラしたりはしない。
上司がしっかりしていない人で、仕事がやり直しになったりしても、ただ黙々と作業をする。
お前はダメなコンピュータだと言われたとしても、別段どうということもない。
上司がコンピュータをいじめるという状況も考えにくい。コンピュータをいじめるとはどういうことなのか不明だ。どんなにいじめても、コンピュータが、もう辞職しますとか、1か月休みますとかは言わない。
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人間の場合、脳の仕組みから考えて、神経細胞の問題、神経細胞の結合の問題、などが大きな原因と考えられるが、それならば、コンピュータで置き換えられそうである。
置き換えたと考えたとして、コンピュータがうつ病になるとは考えにくいのではないか。
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状況を変えて、コンピュータと、それを操作する人間がいて、上司から言われる仕事を実行するとする。
その場合、上司に原因があったり、過労が原因になって、うつ病になるとして、うつ病になるのは、操作している人間だけではないだろうか。コンピュータはうつ病になりそうもない。
冷却不十分で故障したり、電源系で、たとえばコンデンサーが故障したりなどはあるだろうけれども、それはうつ病というイメージではない。
将来、上司が、部下を使わずに、コンピュータに直接、人間の自然言語で命令するとすれば、その様子は、上司が普通の言葉で部下に仕事を命令しているのと同じだろう。
その場合は、コンピュータはうつ病にならないと思う。むしろ、命令している上司がうつ病になる可能性がある。
無駄な命令を出して、コンピュータは何度も仕事をやり直して、人間ならばこんな無駄な仕事で疲れ果てるのは嫌だということで、感情が大きく動くと思うが、コンピュータは命令されたらやるだけだし、その命令がよいとか悪いとかも別段問題にしないだろう。
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こうして考えてみると、上司、部下、コンピュータの三者がいるとして、うつ病になるのは上司と部下だけである。
コンピュータが有能になって部下が不要になったとして、上司が直接コンピュータに命令するとすれば、うつ病になる可能性があるのは上司だろう。しかし、賢い人間であれば、道具に腹を立てたり失望するのではなく、操作の仕方を工夫すればいいだろう。それだけのことである。
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とすれば、部下がうつ病になってしまうのは、どういうことなのだろうか。
・部下+コンピュータのセットは、コンピュータだけで置き換えられる。
・コンピュータはうつ病にならない。
・したがって、部下の脳には、仕事に関係のない余計な部分があって、その部分がうつ病になっているのだろうと推定される。
・だとしたら、そんな余計な部分は何の役に立っているのだろうか。
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つまりは、上司と部下の対人関係なのだろうか。