最近の軽量「Linux」

古くなったPCでも快適に動作する軽量「Linux」ディストリビューション5選

軽量をうたうディストリビューションはいくつかあるが、本記事では、1GHz以下のCPU、2GB以下のRAM、10GB以下のストレージがシステム要件となっているものだけを紹介する。これらのディストリビューションはすべて、機能を犠牲にすることなく高速性を実現している。

  1. 「Linux Lite」 
    Linux Liteはおそらく最も優れた軽量Linuxディストリビューションだろう。長期サポート版の「Ubuntu LTS」をベースとし、使いやすさを念頭に置いて設計されている。「Xfce」デスクトップを採用しており、機能を犠牲にすることなく、すっきりとしたシンプルなUIを実現している。  インストールを完了すると、Linux Liteには、「Google Chrome」や「LibreOffice」「GIMP」「Photo Manager」「Deja Dup Backups」「VLC」、USBイメージライター、オンスクリーンキーボード、「Timeshift」(復元ポイントを作成)など、使用を開始するのに必要なアプリが多数含まれていることに気づくはずだ。必要なアプリが含まれていない場合は、いつでも「Synaptic Package Manager」のGUIを使って、探しているものを簡単に見つけることができる。

Linux Liteのシステム要件:

CPU:1GHz以上
1GBのRAM
8GBのドライブ容量

  1. 「AntiX」 
    AntiXも軽量のディストリビューションだが、Linux初心者にはお薦めしない。AntiXは、少なくともある程度はLinuxを使用した経験のあるユーザー向けである。なぜなら、AntiXでは、「zzzFM-IceWM」ウィンドウマネージャーが採用されているからだ。開発元はこのウィンドウマネージャーをかなり親しみのある外観に設定しているが、ユーザーがルック&フィールを変更するのは「KDE Plasma」や「GNOME」ほど簡単ではない。  AntiXには、「Firefox」やLibreOffice、「Firejail」、さまざまなメディアプレーヤーなど、多くのアプリがプリインストールされている。しかし、AntiXの最大の特徴は超高速であることだ。つまり、古いコンピューターでも購入したばかりの新品を使っているように感じる。

AntiXのシステム要件:

CPU:Intelの「Core 2 Duo」、または、AMDの「Athlon 64 X2」
1GB以上のRAM
10GB以上のドライブ容量
グラフィックス:3Dアクセラレーションに対応したグラフィックスカード

  1. 「Bodhi Linux」
     正直に告白すると、筆者はBodhi Linuxが大好きだ。「Moksha Desktop」は「Enlightenment」のフォークで、美しい外観を備えている。軽量ディストリビューションの中で、Bodhiは群を抜いて最もユニークな存在だ。しかし、そのユニークさ故にBodhi Linuxは使いにくいのではないか、とは思わないでほしい。実際に使用してみれば、このディストリビューションの使いやすさに驚くはずだ。  Bodhi Linuxで筆者が気に入っている機能の1つは、マウスの右クリックメニューだ。デスクトップ上の任意の場所を右クリックするとメニューが表示され、そこからアプリケーションを起動したり、そのほかの多くの機能を実行したりできる。右クリックメニューはデスクトップメニューと同じなので、非常に効率的だ。Bodhi Linuxには、視覚的に魅力的な要素はそれほど多くないが、美しいテーマが豊富に用意されている。

Bodhi Linuxのシステム要件:

CPU:1.0GHz以上
768MBのRAM
10GBのドライブ容量

  1. 「BunsenLabs Linux」
     BunsenLabs Linuxを使用した人は、優れた機能性と使いやすさに驚くはずだ。その上、外観も美しい。このディストリビューションは、かつて高い人気を誇った「CrunchBang Linux」の後継である。「Debian」をベースとしており、「Openbox」ウィンドウマネージャーや「tint2」パネル、「conky」「jgmenu」を採用している。これらすべての相乗効果により、非常に優れたパフォーマンスを提供するだけでなく、非常にモダンな外観も備えた軽量Linuxディストリビューションに仕上がっている。  ディストリビューションの動作に慣れるのにも時間はかからないはずだ。さらに素晴らしいことに、BunsenLabs Linuxには、Bodhi Linuxと同様のデスクトップマウスメニューも含まれている。

BunsenLabs Linuxのシステム要件:

CPU:1GHz以上
2GBのRAM
20GBのドライブ容量

  1. 「Lubuntu」
     LubuntuもUbuntu LTSをベースとするディストリビューションだが、「LXQt」デスクトップを採用している。LXQtは軽量デスクトップ環境の中で最も機能が充実したものの1つだ。LXQtは極めて高速で使いやすい。何らかのバージョンの「Windows」を使用したことのある人なら、LXQtに親しみを覚えるはずだ。LubuntuはUbuntuの公式スピンであり、「Snap」パッケージのサポート、安定したカーネル、Ubuntuと同様のプリインストールソフトウェア群、Ubuntuの標準リポジトリーへのアクセスなどの機能を受け継いでいる。  Lubuntuデスクトップには2000年代初頭のような雰囲気があるが、だからといって使い物にならないほど保守的なわけではない。Lubuntuには、KDE Plasmaの「Discover」アプリストアも含まれているため、必要なアプリをすべて問題なくインストールできる。ただし、Lubuntuの最大の長所は動作速度の速さである。この軽量Linuxディストリビューションを使用すれば、その速さに驚愕するはずだ。それは古いハードウェアにインストールした場合でも同じである。

Lubuntuのシステム要件:

CPU:1GHz以上
1GBのRAM
5GBのドライブ容量
 上記のLinuxディストリビューションのどれを導入しても、古くなったPCを蘇らせることができるだろう。したがって、Windows 10のサポート終了が目前に迫った今も、Windows 11をサポートしないコンピューターを使っている人は、これらのディストリビューションの1つをインストールして、そのコンピューターをあと数年活用してほしい。

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