ロサンゼルス山火事 ロスの木は残っている

ロサンゼルス山火事、死者24人に 発生原因の調査進む - 日本経済新聞

1万2000棟以上の建物が被害
写真を見ると、家も、庭にあった自動車も燃えてしまっているのに、庭や道路にある木は、緑の葉が残っているものもある。
かなり広い敷地にまばらに建てられた建物がほぼ全部焼失したのは風が強かったからだというが、そんな中で、木は残っている。
強い火にさらされた場合、木によっては、樹皮は燃えてしまうが、根と幹は残り、そのあと再生することもあるらしい。
銀杏の木は火事に強いことで知られる。火を浴びると水を放出するなどの話もある。
上の写真にも、樹皮が残っている気もあるし、樹皮がなくなっているような木もある。もともと樹皮がないように見える木だったのかどうかは分からない。
ヤシの木のようなものは葉も含めてそのまま生きているようで、自動車などが完全に焦げてしまう状況の中で、どのような仕組みで生き延びたものか、不思議だ。
木の中には、火事にあうと、実がはじけて、種をまき散らすものもある。山火事の後は日当たりもよくなり、土の栄養もよくなるので、種から育つには良い環境だ。
ヒロシマの原爆で、全てが焼失した後に、青桐が芽吹くのも観察されたという「被爆アオギリ」。
アオギリが庭木や街路樹によく使われるのは、その耐火性にあり、過去の震災においても火災の延焼を食い止めた例もたくさんあった。

山火事の後で種々の植物が成長する。年月が経って、植生が変化し、次第に広葉樹林になる。広葉樹の下の土には太陽が乏しくなる。そのようにして安定した環境がたとえば現在の明治神宮である。

山本周五郎「樅の木は残った」を読んでいたところだったので、ロサンゼルスの大火の写真を見て、木は残ったと思った。

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