「自死」「自殺」の使い分けに関する論点整理(概要)
「自死遺族等を支えるために 総合的支援の手引(改訂版)」に係る有識者会議(第1回~第3回まとめ)
<「自死」の使用を推奨する意見>
1)自死遺族等の想いや考えに基づく意見
- 「殺」という言葉に抵抗感を感じる。
- 刑法的に見れば、「他殺」の場合は殺意があったことになるが、「自殺」の場合は、本人に自分自身を殺す殺意があったかどうかについて疑問を感じる。
- 「死んでしまいたい気持ち」や、「飛び降りたい衝動」、自分自身を死に至らしめる行為に及んでしまう衝動に抗いながら死に至った実情が見えた経験があるので、「自殺」という言葉には抵抗がある。
2)誤った認識や偏見、差別の問題に基づく意見
- 自らを殺したのではなく、死に追いやられたのだから、「自死」を使いたい。
3)その他
- 「自死」の方が認知度が高く、定着してきている。
- 「自死」の方が言葉の受け取り方が柔らかい。
- 「自殺」という言葉の響きに対するこどもの反応は大きい。
<「自殺」の使用を推奨する意見>
1)自死遺族等の想いや考えに基づく意見
- 社会に殺されたのだから、「自殺」という用語を使いたい。
- 「自死」に言い換えてしまうと、「自殺」の深刻さやハードルが軽んじられてしまうことへの懸念がある。
- 自分を殺してしまうほどの苦しみの中での行為なので「自殺」を使いたい。
- 「自死」と言い換えられると、まるで自分の家族が「自殺」という悪い死に方をしたから言い換えられているのだと思って悲しくなる。
- 「自死遺族」という言葉の固定化は、自殺によって遺された「遺族」が他の死因による「遺族」とは異なるという「特殊
性」を社会に発信し、偏見と差別を助長する恐れがあるため、「自死遺族」ではなく「遺族」と言いたい。
2)誤った認識や偏見、差別の問題に基づく意見
- 「自死」という表現は、「自ら選んだ死」「自らが望んだ死」という従来からの誤った認識が強調されてしまう。
- 「自死」に言い換えてしまうと、 「自殺」に対する偏見や差別を助長してしまうことへの懸念がある。
- 自殺は決して悪い亡くなり方ではなく他の死に劣るものでもないので自殺と言いたい。
- 偏見や差別の意識なく「自殺」を使用したい。
3)その他
- 行政や医療の業界では、法律用語として使用されているため「自殺」を用いることが多い。
<その他の意見>
- 「自死」、「自殺」のいずれの用語も受け入れがたい。
- 議論が分かれる部分については、両方の意見を併記するのはどうか。