「万物は量子情報」という認識論的な理解

「万物は量子情報」と「万物は素粒子」との整合性について｜Masahiro Hotta

「万物は量子情報」という認識論的な理解と「万物は原子分子、そしてそれらは素粒子標準理論に出てくる素粒子やまだ発見されていない素粒子からできている」という原子論的な還元論の理解との整合性で混乱する人もいます。それは原子論が前世紀に実在論として...

「量子力学は情報理論であり、局所実在はそもそも存在しない」

「そこにモノが在る」という局所実在性が実験で否定をされているのです。天動説が観測によって覆ったように、我々にとって当たり前な感覚でもある「そこにモノが在る」という思い込みも、既に現代物理学の実験によって覆っているのです。

「万物は量子情報」という認識論的な理解

物理学の素朴還元論の「終焉の始まり」｜Masahiro Hotta

「還元論」という考え方は、前世紀までの様々な科学を大きく発展をさせてきました。我々の体を含めた、身の回りの全てのものは、限られた種類の原子の集まりであるという原子論も、この還元論的な考え方の１つです。その原子の組み合わせで、どんな複雑な物体...

量子力学におけるウィーラーの参加型宇宙｜Masahiro Hotta

「宇宙は私たちから独立して『あそこに』存在しているわけではありません。私たちは、起こっているように見えることを引き起こすことに避けられない形で関わっています。私たちは単なる観察者ではありません。私たちは参加者です。奇妙な意味で、これは参加型...

量子力学では、測定前にいかなる「実在」も存在をしていません。測定をすることで、その測定をした観測者にとっての「実在」や「現実」が創発をします。

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前世紀では、量子力学が情報理論であるという認識はまだ明確ではありませんでした。当時、多くの人々は波動関数を何らかの「実在」と考え、観測によってそれが相対論的因果律を破り、一気に1点に収縮することに問題を感じていました。そのため、波動関数の収縮に関する「観測問題」は、量子力学の深刻な課題であり、物理学最大の未解決問題の一つだとされていたのです。しかし、21世紀に入った現在では、量子力学にそのような「観測問題」はそもそも存在しない、という理解が広がっています。