大量の背景常識を理解する

子どもが盗みををしたりして、親は驚いてどうしたらよいか分からない。
このようなとき、カウンセラーはすぐに結論を出すことはしない。
これをどう解決するかなどということより、このことによって来談された人が何を発見し、何を自分のものにしていくか、という過程が大切と思う。
じっくりと経過をきいていると、話をすることによって相談者が自分をある程度客観化したり、そのときの感情を再体験したりして、その人は自分なりの答を自ら見出していくことが多い。
その間に、子どもは盗みまでして「ほんとうは、何が欲しかったのでしょうね」などと問いかけてみたりする。

こうした作業の背景には、かなり大量のコンテクストが存在している。背景常識とでもいうべき様なもの。
それを共有しているから、話が早い。
そうでなければ、その人の背景常識を調べるために、一年くらいはかかるだろう。

また逆に、話が早いのも怪しい。本当にその人の背景常識を理解できているのか、慎重であるべきである。

タイトルとURLをコピーしました