確証バイアス フィルターバブル

確証バイアス(かくしょうバイアス、: confirmation bias)とは、認知心理学社会心理学における用語で、仮説や信念を検証する際にそれを支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視または集めようとしない傾向のこと[1][2]認知バイアスの一種。また、その結果として稀な事象の起こる確率を過大評価しがちであることも知られている[3]追認バイアスともいう。

ソーシャルメディアでは、フィルターバブル、または「アルゴリズム編集」を使用することで、自分が今まで見てきたウェブとは反対意見のウェブをみる機会が自動的に減っていくため、確証バイアスが増幅される[5]。確証バイアスは、社会がフィルターバブルの影響から逃れられない理由だと主張される。なぜなら、人は自分の価値観や信念に一致する情報を探そうとする生来の心理的な傾向を持つためである[6]。この「アルゴリズム編集」は多様な視点や情報を取り除いており、フィルターバブルを無くさなければ有権者は十分な情報に基づいた政治的決定を下すことができないだろうと主張される[7][5]

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医療およびメンタルヘルス

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心理学者のレイモンド・ニッカーソンは、科学的医学の到来前に何世紀にもわたって用いられた効果のない医療処置に対する確証バイアスを非難する[12]:192。医者は患者が病気から回復した場合、自然に回復したというような代わりの説明を探すよりも、治療が成功したためとみなした。

偏った情報を受入れることは、人が代替医療に引き付けられる要因である。代替医療の支持者は肯定的な事例証拠には心を揺り動かされるが、科学的証拠は極度に批判的に扱う[13][14][15]。また、確証バイアスは患者からの圧力により医師に不要な医療行為を行わせる可能性もある[16]

認知療法は、1960年代初頭にアーロン・ベックによって開発され、一般的な手法となっている[17]。ベックによると、偏った情報処理は抑うつの要因となっている[18]。 その手法は、否定的な考えを選択的に強化するのではなく、証拠を公平に扱うよう教えるものである[19]恐怖症病気不安症も、脅迫的な情報の確証バイアスをもつことが示されている[20]

確証バイアスを利用した医療ビジネスの例では、ANK免疫細胞療法などに代表される末期がん患者をターゲットとする免疫療法などの例がある[21]

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