マインドフルネス19 アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT) 心理的柔軟性(Psychological Flexibility)
アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)
アクセプタンス:今の体験をありのままに受け入れる。
コミットメントと行動変容:価値に基づいて行動を選び、前に進む。
状況主義とは?
「生き物(人間)」が、「これまでの経験(歴史)」と「今の環境(状況)」の中でどのように行動しているか
人の行動は、その人の過去の経験と今の状況に影響を受けるという考え方
ネガティブな感情(悲しみ・不安など)も、必ずしも「悪いもの」とは限りません。
その感情が「人生を豊かにするかどうか」を基準に、治療の対象とするか決めます。
関係フレーム理論(Relational Frame Theory; RFT)
言葉は人間にとって非常に強力なツールですが、苦しみの原因にもなります。
例:「つらい気持ちは消さなければならない」という考え方は、言語によって作られたものです。
→ この考えにとらわれると、心理的な苦痛から逃れようとし、逆に問題が悪化します。
ACTは、言葉が生む苦しみを和らげるためのアプローチです。
① 「体験の回避」が問題を引き起こす
不快な体験(感情・思考・記憶・身体感覚など)に向き合うことを避けること。
これを避けるためにとる行動が、かえって人生を悪化させることがあります。
不安を感じるから学校に行かない(回避行動)
→ その場では楽になるが、友達との関係が悪くなったり、学習が遅れたりして、長期的には問題が増える。
② 「認知フュージョン」が柔軟性を奪う
自分の考えや言葉を絶対的な事実だと思い込むこと
「私はダメな人間だ」と思ったときに、それが事実であるかのように感じる。
→ 考えにとらわれることで、新しい行動がとれなくなります。
ACTの最終的な目標は、心理的柔軟性(Psychological Flexibility)を高めること
心理的柔軟性とは?
困難な状況でも、自分の価値観に基づいて行動できる能力
- 受容とマインドフルネス 不快な体験を避けず、今この瞬間に注意を向ける力。
- コミットメントと行動変容 自分が大切にする価値に基づき、前向きな行動をとる力。
受容(Acceptance)は、「ありのままを受け入れること」
「我慢する」ではなく、抵抗せずに体験をそのまま感じることを意味します。
例:悲しみや不安を「悪いもの」として押しのけるのではなく、そのまま認める。
マインドフルネスとは、今この瞬間に意識を向け、評価せずに観察すること
考えにとらわれる(認知フュージョン)のを防ぎ、より柔軟な対応ができるようになります。
コミットメントと行動変容
コミットメントは、自分が大切にする価値に基づいて行動することです。
例:「友達との関係を大切にしたい」→ 不安を感じても学校に行くことを選ぶ。