第12章 若年層に対する認知行動療法
著者: Sarah A. Crawley, Jennifer L. Podell, Rinad S. Beidas, Lauren Braswell, Philip C. Kendall
概要
認知行動療法(CBT)は、子どもや青少年に対して、行動ベースのアプローチや認知的な介入を用いて、思考、感情、行動の変化を促す療法です。CBTのさまざまな形態は、子どもが建設的な世界観と問題解決志向を身につけることを共通の目標としています。この問題解決志向は「コーピングテンプレート」とも呼ばれます。CBTは、計画的な経験を通じて、子どもや家族が適応的で問題解決的な視点を築くのを助けます。
CBTは子どもや青少年に対してますます発展し、洗練されています。多くの編集書籍、メタ分析、治療マニュアル、研究が、若年層に対するCBTの有益な効果について報告しています(例:Hibbs & Jensen, 2005; Kendall, 2006; Weisz, McCarty, & Valeri, 2006など)。しかし、このような進展にもかかわらず、まだ多くの疑問が残されています。特に、子どもに対する効果をより確かなエビデンスに基づいたものにするためには、慎重に実施された結果研究が必要です。
この章では、以下の内容について説明します:
- 若年層と成人に対する治療の違い
- 子どもに対するCBTの主要な構成要素
- 特定の小児期障害に対するCBTの適用
- 特別な集団に対するCBT
- CBT研究における現在の課題と将来の研究課題
発達に応じた治療の違い
子どもや青少年を治療する際には、成人とは異なる点を考慮する必要があります。治療は、発達段階に応じて適切に実施されることが重要です。特に以下の点が重要です:
- 治療への参加方法の認識
- 子どもや青少年は、自分から進んで治療を求めることは少なく、保護者や教師などの第三者によって治療が開始されることが一般的です。
- 子どもや青少年は、大人と問題について話すことに抵抗を示すことが多く、衝動的で自己反省が乏しい場合もあります。
- そのため、治療環境を快適にし、子どもや青少年が治療を楽しみ、参加したいと思うようにすることが重要です。
- 年齢に適した提供方法の使用
- 治療の内容や方法は、子どもの年齢や発達段階に合わせて調整する必要があります。
- 認知および感情の発達への配慮
- 子どもの認知能力や感情の発達段階を理解し、それに応じたアプローチを取ることが重要です。
- 社会的文脈の認識
- 子どもや青少年が置かれている社会的環境(家庭、学校、友人関係など)を考慮することが不可欠です。
- セラピストの役割と治療への期待の明確化
- セラピストは、治療の目的や期待を明確に伝え、子どもや家族との信頼関係を築くことが重要です。
まとめ
子どもや青少年に対するCBTは、発達段階に応じたアプローチが不可欠です。治療環境を整え、年齢に適した方法を用いることで、効果的な治療が可能となります。今後も、より多くの研究を通じて、CBTの効果をさらに高めていくことが期待されます。
年齢に適した提供方法の価値
心理治療を実施する際、子どもや青少年との間で言葉のやり取り、学習、協力、感情の共有を含めるためには、遊びに関連した活動を治療に取り入れることが有効です。Kendallら(1998)が指摘するように、効果的なセラピストは「遊びながら教え、教えながら遊ぶ」ことができます。年齢に適した遊び活動を巧みに活用することは、以下の3つの重要な目的を達成します:
- 良好な治療関係を築く
- 子どもの行動や信念を直接観察する機会を作る
- 適応的な行動や建設的な思考を導入・発展させる手段となる
具体的には、ロールプレイ、シャレード、さまざまなアート活動、選ばれたボードゲームなどを治療に取り入れることができます。幼い子どもに対しては、人形やぬいぐるみを使うことが、特定の状況を直接演じるロールプレイの前段階として有効です。
認知・感情・社会的発達のレベルへの配慮
遊びの方法を発達段階に応じて選択するだけでなく、子どもの認知能力や感情の発達にも注意を払う必要があります。これには、記憶力や注意力、言語能力、概念的な推論能力などが含まれます。成人に適した認知戦略は、子どもには理解や管理が難しい場合があるため、発達段階に応じた方法で情報を提供することが重要です。
例えば、子どもは「合理的な思考」と「非合理的な思考」を区別する認知的な成熟度を持っていないかもしれませんが、「ある出来事が起こる可能性が高いか低いか」を理解することはできる場合があります。子どもに「考えている出来事が実際に起こるかどうかの証拠を集める」ように指導することで、その出来事の可能性を判断し、合理的な思考と非合理的な思考の違いを概念的に理解できるようになることがあります。
認知的処理における重要な点
- 認知的欠陥(Cognitive Deficiency):必要な情報処理が欠如している状態(例:外部化問題を持つ子どもに多い)。
- 認知的歪み(Cognitive Distortion):非機能的な思考が生じている状態(例:内部化問題を持つ子どもに多い)。
この区別は、臨床家が特定の機能不全や歪みを特定するのに役立ちます。また、期待、帰属、自己言及、信念、スキーマなどのプロセスが、感情や行動パターンの発達にどのように関わっているかを認識することも重要です。
効果的なプログラムは、ポジティブな感情を伴う行動体験を意図的に計画し、参加者の事前および事後の認知活動に注意を払います。セラピストは、子どもの過去の行動や感情に対する帰属、および将来の行動や感情に対する期待を導くことで、子どもが将来の出来事に対する認知的構造を獲得できるように支援します。
心理社会的発達への配慮
- 青少年期:学業やデート、対人関係が重要なテーマとなり、親からの自立への欲求が高まります。
- 治療プログラムは、これらのテーマを取り入れ、青少年の成長に応じた設計が必要です。
セラピストの役割と期待
子どもに対する認知行動療法(CBT)のセラピストは、以下のような複数の役割を果たします(Kendall, 2000):
- 診断者(Diagnostician)
- クライアントに関するさまざまなデータを統合し、正常な発達過程や精神病理学の知識と組み合わせて問題の定式化を行います。
- コンサルタント(Consultant)
- 問題の定式化や治療オプションのコストと利益に関する知識を家族と共有し、治療目標を優先順位付けし、治療戦略を選択します。
- 教育者(Educator)
- 子どもの障害に関する教育や必要なスキルのトレーニングを子どもや保護者に提供します。
セラピストは、子どもや家族にとっての「コーチ」に例えられます。この比喩は、セラピストが一時的に関与する存在であり、長期的なサポートシステムではないことを子どもに理解させるのに役立ちます。
セラピスト自身の期待管理
- 合理的な期待:介入が子どもの適応を促し、治療で獲得したスキルが将来的に役立つと信じること。
- 非合理的な期待:CBTや他の心理療法ですべての問題が「解決」されると思わないこと。治療は精神病理を「治す」のではなく、管理するのに役立つものです。
また、子どもは新たに獲得したスキルをすぐに示さないことがあります。時には、自分が正しかったと思い込み、セラピストに学んだことを知られたくないと感じることもあります。このような行動は発達的に適切な場合があるため、セラピストはその点を認識することが重要です。
まとめ
- 年齢に適した遊び活動を治療に取り入れることで、治療関係を強化し、子どもの認知や行動を観察・改善することができます。
- 認知・感情・社会的発達に配慮したアプローチが不可欠です。
- セラピストは診断者、コンサルタント、教育者としての役割を果たし、子どもや家族の「コーチ」として支援します。
- 治療の効果はすぐに現れないこともあるため、セラピストは適切な期待を持ち、子どもの発達段階を理解することが重要です。
治療における社会的文脈の認識
すべてのクライアントは社会的文脈の中で機能していますが、子どもや青少年は完全な自立ができないため、彼らの周囲の影響を考慮することが重要です。特に、親やその他の重要な人々の役割を認識し、これらの人々を介入プロセスに取り入れることが、若年層の治療成功に不可欠です。親は以下のような役割を果たすことができます(Kendall, 2000):
- コンサルタント(Consultant)
- 子どもの行動に関する情報を提供する役割。
- 協力者(Collaborator)
- 治療プログラムの実施を支援する役割。
- 共クライアント(Co-client)
- 子どもの問題の一部を引き起こしたり維持したりしている場合、親自身も治療の対象となることがあります。
親の関与の性質と利点
- 行動や感情の問題を持つ子どもに対する親の関与の効果は、子どもの問題や発達段階によって異なります。
- 行為障害(Conduct Disorder)を持つ子どもの親は、子どもの活動を頻繁に監視する傾向があります。
- 不安障害を持つ子どもの親は、子どもの行動をあまり監視しない傾向があります。
- 親がセッションに参加したり、逆に親と子どもを意図的に分離したりすることで、子どもの適応や症状の改善が促進されることがあります(Barmish & Kendall, 2005)。
- 幼い子ども:治療の初期段階から親を関与させることが有効な場合が多い。
- 青少年:親をセッションに参加させない方が効果的な場合がある。
今後の研究では、親の理想的な関与の方法や、子どもの年齢や主な障害に応じた親の役割についてさらに検討する必要があります。
治療の共通要素
CBTは、子どもの年齢や問題によって異なりますが、以下の戦略が共通して用いられます(Kendall, 1993):
- 問題解決(Problem Solving)
- 認知再構成(Cognitive Restructuring)
- 自己調整(Self-Regulation)
- 感情教育(Affective Education)
- リラクゼーショントレーニング(Relaxation Training)
- モデリング/ロールプレイ(Modeling/Role Playing)
- 行動の結果管理(Behavioral Contingencies)
以下では、これらの戦略について詳しく説明し、特定の小児期障害への応用を考えます。
問題解決
問題解決はCBTの重要な要素であり、さまざまな小児期障害に共通して用いられます。問題解決トレーニングは、子どもや成人に対して長い歴史を持つアプローチです。1970年代には、問題解決を臨床的なスキルとして定式化する試みが増加しました(例:D’Zurilla & Goldfried, 1971; Mahoney, 1977; D’Zurilla & Nezu, 1999)。
Spivack、Platt、Shure(1976)は、効果的な対人的・認知的問題解決には以下のサブスキルが必要だと仮定しました:
- 人間の問題に対する感受性
- 代替案を生み出す能力
- 概念化する能力
- 特定の解決策を達成する手段
- 人間の行動における結果や因果関係に対する感受性
問題解決を教えることで、子どもは日常の困難を解決する自信を身につけることができます。例えば、不安を持つ子どもに対しては、まず不安を引き起こさない状況(例:朝学校に行く前に靴が見つからない)から問題解決を始めます。セラピストと一緒に複数の解決策(例:裸足で学校に行く、手で歩いて学校に行く、学校に行かない、スリッパを履く)を考え、それぞれの選択肢を評価します。不安を引き起こさない状況で問題解決スキルを実践できるようになったら、次に恐怖を感じる状況(例:社交不安を持つ青少年のスピーチ)でも問題解決を練習します。
問題解決ワークシートの例
以下の質問に答えて、問題解決のプロセスを進めましょう。
- できることをリストアップする
- 「この状況をより恐れないようにするために、私は何ができるか?」
-
- 最適なアイデアを選ぶ
- 各選択肢について考えます。
- 「最初のアイデアを選んだら、何が起こるだろうか?」
- 「どう感じるだろうか?」
- 同様に、2番目と3番目の選択肢についても考えます。
- 最適な選択肢を選ぶ
- 各選択肢について考えた後、最も良いと思うものを選びます。
まとめ
- 治療では、子どもの社会的文脈(特に親の役割)を考慮することが重要です。
- 問題解決はCBTの中心的な要素であり、子どもが日常の困難に対処する自信を育てるのに役立ちます。
- 問題解決ワークシートを使うことで、子どもは具体的なステップを踏みながら解決策を見つけることができます。
特定の集団への適用
以下に、あなたができる可能性のあることをリストアップしてください。自分自身に問いかけてみましょう:「この状況をより恐れないようにするために、私は何ができるか?」
次に、あなたにとって最適なアイデアを選ぶ必要があります。それぞれの可能性に焦点を当てて、自分自身に問いかけてみましょう:「最初のアイデアを選んだら、何が起こるだろうか?」
「どう感じるだろうか?」
同じプロセスを2番目と3番目の選択肢についても行います。自分自身に問いかけてみましょう:
「2番目のアイデアを選んだら、何が起こるだろうか?」
「どう感じるだろうか?」
「3番目の解決策を選んだら、何が起こるだろうか?」
「どう感じるだろうか?」
これで、それぞれの可能性について考えました。
あなたにとって最も良いと思うのはどれですか?
問題解決トレーニングの適用
問題解決トレーニングは、子どもや青少年が経験する困難(例:不安、攻撃性、抑うつ)の治療において、肯定的な結果をもたらすことが示されています。
問題解決トレーニングの具体的な適用例
- 不安を持つ子ども
- 不安を軽減するための問題解決スキルを教える(Kleiner, Marshall, & Spevack, 1987)。
- 攻撃性を示す子ども
- 怒りを適切に表現し、他者から欲しいものを社会的に適切な方法で得る方法を学ぶ(Lochman, Powell, Whidby, & Fitzgerald, 2006)。
- 抑うつ状態の子ども
- 不快な感情を引き起こす状況を変えるための行動を促す(Stark et al., 2006)。
障害に応じた問題解決の難しさ
- 攻撃性や行動化の問題を持つ子ども:
- 他者の意図を誤解したり、敵意を過剰に感じたりする傾向があるため、問題の定式化段階でのトレーニングとサポートが必要(Dodge, 1985)。
- 代替案を考える際に、非攻撃的な選択肢を生み出すための時間をかける支援が必要。
- 抑うつ状態の子ども:
- 否定的な思考(例:「どうせ何も変わらないからやっても無駄だ」)が問題解決スキルの適用を妨げるため、特別な励ましが必要。
問題解決トレーニングは、個々のクライアントやその家族のニーズに合わせて柔軟に適応できるツールとして概念化されています。
認知再構成(Cognitive Restructuring)
感情や行動の問題を示す子どもは、自己に関する否定的な認知(例:自己批判、悲観的な信念)を持っていることが研究で示されています(Crick & Dodge, 1994; Kendall, Stark, & Adam, 1990; Rabian et al., 1993)。認知療法は、これらの否定的な認知を特定し、検証することで改善を目指します。
認知再構成の基本的なプロセス
- 否定的な認知の特定
- セラピストは、クライアントが自己、世界、未来についての役に立たない考え(例:自己言及、期待、信念)に気づくのを助けます。
- 認知と感情の関連性の理解
- 否定的な思考が感情にどのように影響するかをクライアントと一緒に検討します。
- 適応的な思考の導入と検証
- セラピストとクライアントが協力して、より適応的な考え方を特定し、検証します。
子どもに対する認知再構成の適用
- 幼児(5~6歳未満):
- 自分の思考や思考プロセスについての反省(メタ認知)には興味や能力がない(Harter, 1982)。
- 小学生:
- 自己反省能力が発達し、現在の生活に関連する問題について考え始める。
- 青少年:
- 時間をかけて形成されたスキーマ(思考の枠組み)を完全に検討できるようになる。
子ども向けの認知再構成の具体例
- 思考バブル(Thought Bubble):
- 漫画のキャラクターがさまざまなシナリオに直面したときの思考を「思考バブル」に記入させる(例:昼食トレイをこぼした子どもの思考を想像する)。
- 思考日記:
- 特定の種類の思考(例:自己批判)を簡単な日記に記録させる。
- 気分評価:
- 否定的な思考と不快な感情の関連性を理解するために、気分を評価させる。
- 行動実験:
- 異なる考え方を選択することで、感情がどのように変わるかを体験させる。
認知再構成の質問例
- 「この考えを支持する証拠は何か?」
- 否定的な解釈を支持する証拠を検討する。
- 「この観察を別の角度から見る方法はあるか?」
- 別の説明を探る(例:廊下で友達が挨拶しなかった理由を考える)。
- 「もしそれが本当だとしても、それは本当に最悪なことか?」
- 最悪のシナリオが現実に起こった場合の影響を検討する(例:「友達が怒っていても、それは最悪なことか?」)。
行動実験の例
- 不安を持つ子ども:
- 「他の子に笑われるのではないか」という信念を検証するために、他の子どもにアンケートを取る。
障害に応じた認知再構成の焦点
- 不安障害:
- 将来の出来事に関する誤解を解き、コーピング戦略を開発する。
- 抑うつ状態:
- 過去の出来事についての誤った帰属を特定し、現実的でポジティブな思考に置き換える。
まとめ
- 問題解決トレーニングは、不安、攻撃性、抑うつなど、さまざまな問題を持つ子どもに有効です。
- 認知再構成は、否定的な思考を特定し、適応的な思考に置き換えるプロセスです。
- 子どもに対する認知再構成では、発達段階に応じたアプローチが重要です。
- 行動実験や思考バブルなどの具体的なツールを使うことで、子どもが自分の思考と感情の関連性を理解しやすくなります。
感情教育(Affective Education)
感情教育は、多くのCBTプログラムに暗黙的に含まれていますが、最近では子どもや成人の精神病理治療における感情の役割に明示的に焦点が当てられるようになりました(Kendall & Suveg, 2007参照)。CBTの重要な要素の一つは、子どもや青少年が感情を認識し、ラベル付けし、正確に表現する方法を学ぶのを助けることです。CBTの予防および治療プログラムは、直接的な感情教育を取り入れることで効果を高めます(Suveg, Southam-Gerow, Goodman, & Kendall, 2007)。
感情教育の目的と内容
- 感情の認識と表現
- 子どもは自分の感情状態を敏感に感じ取ることができますが、その感情を話すための語彙を身につける必要がある場合があります。
- また、感情が変化可能であることを理解するのを助ける必要があります(Southam-Gerow & Kendall, 2000)。
- 生理的反応の理解と正常化
- 強い感情に伴う生理的な症状(例:心拍数の上昇、発汗)を理解し、それが正常な反応であることを教えます。
- 感情の範囲と強度の理解
- 感情の幅と強度を理解するのを助けます。特に、感情的な苦痛の初期段階で生理的なサインを認識し、感情がまだ低い強度のうちに対処する方法を学びます。
- 思考と感情の関連性の理解
- 思考と感情のつながりを理解し、自己対話(セルフトーク)が感情の強度を増減させる可能性があることを学びます。
感情教育の具体例
- スポーツの比喩:
- 新しい自己管理スキルを学ぶことは、サッカーやバスケットボールの新しい動きを練習するのと似ています。まず練習でスキルを磨き、コーチングを受け、試合で使えるようになるまで繰り返し練習します。
リラクゼーショントレーニング(Relaxation Training)
リラクゼーショントレーニングは、子どもの内面化された困難(例:不安、怒り)の治療において重要な要素です(Barrios & O’Dell, 1989; Morris & Kratochwill, 1983)。CBTでは、リラクゼーションを単なる条件反射ではなく、必要な時に意図的に行うコーピングスキルとして教えます。
リラクゼーショントレーニングの重要性
- 怒り管理の困難を持つ子どもや青少年にとって、リラクゼーションは特に有効です(Feindler & Ecton, 1986; Lochman, White, & Wayland, 1991)。
- 子どもはリラクゼーショントレーニングの目的を理解しにくい場合があるため、セラピストは親と子どもにリラクゼーションの目的と適切な使い方を説明する必要があります(Stark, 1990)。
リラクゼーショントレーニングの方法
- 筋弛緩法(Deep Muscle Relaxation)
- OllendickとCerny(1981)が提案した方法で、子どもはさまざまな筋肉群を緊張させたり緩めたりすることで、筋肉の緊張の生理的サインを認識する能力を高めます。
- この認識を利用して、筋肉の緊張の初期サインに対処し、リラクゼーションを行います。
- ガイド付きイメージ法
- Koeppen(1974)は、学齢期の子どもが筋肉群を緊張させたり緩めたりするのを助けるためのガイド付きイメージを開発しました。
- 特別な支援が必要な子ども向けに、リラクゼーションプログラムが修正されています(Cautela & Groden, 1978)。
- 簡単なリラクゼーションテクニック
- ロボット–ぬいぐるみゲーム:
- セラピストと子どもがロボットのように部屋を動き回り、腕や脚を硬く緊張させます。その後、セラピストの合図でぬいぐるみのように椅子に倒れ、腕や脚をリラックスさせます(Kendall & Braswell, 1993)。
- ろうそくの呼吸法:
- 子どもが人差し指を口の前に置き、ろうそくの炎をイメージします。深く息を吸い、ゆっくりと吐き出して、炎が揺れても消えないようにします。
- 逆数えや穏やかなセルフトーク:
- リラクゼーションの方法をいくつか提示し、子どもが好きな方法を選んで練習します。
- 自宅での練習
- セッションでリラクゼーションスキルを教えた後、セラピストは子どもの好きな方法を録音し、自宅で使用できるようにします。
リラクゼーショントレーニングの効果
- リラクゼーショントレーニングは、多面的な治療計画の一部として使用されることが一般的ですが、Kahnら(1990)は、リラクゼーショントレーニング単独でも、抑うつ症状の軽減や自尊心の向上に効果があると報告しています。
まとめ
- 感情教育は、子どもが感情を認識し、表現し、管理する方法を学ぶのに役立ちます。
- リラクゼーショントレーニングは、不安や怒りの管理に有効なコーピングスキルとして教えられます。
- 子ども向けのリラクゼーションテクニックは、筋弛緩法、ガイド付きイメージ、簡単な呼吸法など、さまざまな方法があります。
- これらのスキルは、セッションで練習した後、自宅でも継続して使用できるようにサポートされます。
モデリングとロールプレイ(Modeling/Role Playing)
モデリングとロールプレイは、若年層に対するCBTの重要な要素です。人間はしばしば他者を観察することで学びます。これは「観察学習」または「モデリング」と呼ばれます。モデリングは、社会的学習理論(Bandura, 1969, 1986)に基づいており、特定の状況で適切な反応を示すことで、子どもに望ましい行動を教えます。モデリングは、行動の欠陥を減らし、過度の恐怖を軽減し、社会的行動を促進するために使用されます(Bandura, 1969, 1971; Rosenthal & Bandura, 1978)。
モデリングの種類
- 映像モデリング:
- 不安を持つ子どもが、不安を感じる状況に対処するモデルのビデオを見る。
- ライブモデリング:
- セラピストが直接モデルとなり、子どもに適切な行動を示す。
- 参加型モデリング:
- セラピストが子どもと一緒に行動し、恐怖の刺激に近づく方法を指導する。
モデリングの効果を高める要素
- モデルの特徴:モデルが行動中に思考や行動を言語化することで、学習効果が高まります(Meichenbaum, 1971)。
- 学習者の特徴:子どもは、自分と似たモデルや尊敬する人物の行動を真似しやすいです。
- 行動の結果:モデルの行動に伴う結果が、学習者の反応に影響を与えます。
コーピングモデル vs. マスタリーモデル
- コーピングモデル:
- ミスや不安を示しながらも、努力を続けて課題を達成するモデル。
- クライアントに必要な行動を示すだけでなく、妨げとなる思考や感情に対処する方法も教えます。
- マスタリーモデル:
- 不安や困難を示さずに成功するモデル。
ロールプレイの活用
- ロールプレイは、クライアントに実践的な学習経験を提供し、新しく学んだスキルをどの程度実行できるかを評価する手段として使用されます。
- セッション内で、クライアントとセラピストが問題状況に対するさまざまな反応を演じることで、子どもは積極的に参加し、コーピング行動をモデル化する機会を得ます。
- ロールプレイは、クライアントが苦痛を感じる状況に置かれ、新たに獲得したスキルを使用するための良い練習にもなります。
行動の結果管理(Behavioral Contingencies/Contingent Reinforcement)
行動の結果管理には、シェイピング(行動形成)、正の強化、消去などの手法が頻繁に使用されます。CBTにおける行動の結果管理は、子どもの障害や発達段階を考慮して選択されることが効果的です。
報酬の種類と適用
- 幼い子ども:
- 具体的な報酬(例:おもちゃ、シール)や社会的承認(例:褒め言葉)が有効。
- 年長の子ども:
- 目標を達成したことを示す報酬(例:ポイント制)が重要。
- ADHDを持つ子ども:
- 頻繁な報酬が効果的(Zentall, 1995)。
家庭での報酬の適用
- 親は、家庭で一貫して報酬を使用する必要があります。
- 親は、何が子どもにとって報酬となるかを理解する必要があります。例えば、親の注目が子どもの行動を強化する力を持っていることを認識することが重要です。
- チャートやグラフを使用して、行動変容を支援する方法を指導することができます。
特定の小児期障害への適用
CBTは、特定の障害に合わせて設計され、障害の性質と子どもの独自のニーズに応じて戦略が使い分けられます。以下に、いくつかの障害に対するCBTプログラムと関連する研究結果を紹介します。
適用例
- 不安障害:
- 不安を軽減するためのコーピングスキルを教える。
- ADHD:
- 注意力や衝動性を管理するための行動変容プログラムを実施する。
- 抑うつ:
- 否定的な思考を変えるための認知再構成を行う。
まとめ
- モデリングとロールプレイは、子どもが新しいスキルを学び、実践するための重要な手段です。
- 行動の結果管理は、子どもの発達段階や障害に応じて報酬を設計し、行動変容を促します。
- CBTは、特定の障害に合わせてカスタマイズされ、子どもの独自のニーズに対応します。
不安障害(Anxiety Disorders)
不安や恐怖を感じることは、ほとんどの子どもにとって正常な発達の一部です。子どもの不安や恐怖の内容は、現実に対する認識の変化に応じて変わります。子どもの恐怖は、最初はより全体的で、想像的で、制御不能で、強力なもの(例:暗闇に潜む「お化け」)から始まりますが、時間の経過とともに、より具体的で、現実的で、区別されたもの(例:仲間からの受け入れや学校の成績に関する心配)に変わります(Bauer, 1976)。不安が障害となるのは、その体験が特定の状況で予想される範囲を超えて誇張されている場合、または子どもの機能を妨げている場合です。
不安障害が治療の対象となるのは、恐怖の深刻さや持続時間が、友達を作る、学校に通う、年齢に応じた分離に耐えるなどの重要な発達課題の達成を妨げている場合です。治療を受けない場合、小児期や青年期の不安障害は慢性化し、成人期における他の精神病理(不安、うつ、物質使用など)と関連することが示されています(Aschenbrand et al., 2003; Woodward & Fergusson, 2001)。
不安障害に対するCBT
不安障害を持つ若年層に対するCBTは、行動療法の効果的な要素(例:曝露療法、リラクゼーショントレーニング、ロールプレイ)に、個々の不安に関連する認知情報処理の要素を加えたものです。治療の目標は、子どもが不安の兆候を認識し、その兆候を不安管理技術のきっかけとして活用できるようにすることです。
コーピングキャットプログラム(Coping Cat Program)
- 対象:不安を持つ子どもや青少年(10代向けには「C.A.T. Project」と呼ばれる)。
- 内容:16セッションのマニュアル化された治療プログラムで、多くの言語に翻訳されています。
- 構成:
- スキルトレーニング(最初の8セッション)
- 不安に関連する身体的症状や感情への気づきを高める。
- 不安を引き起こす「自己対話(セルフトーク)」を認識し、評価する。
- 問題解決スキルを学ぶ(例:不安を引き起こすセルフトークを修正し、コーピング計画を立てる)。
- 自己評価と報酬の仕組みを学ぶ。
- スキル実践(最後の8セッション)
- 学んだスキルを実際の不安を引き起こす状況で実践する。
問題解決ステップ(青少年と親向け)
以下は、青少年と親が一緒に問題を解決するためのステップです(Robin, 2000)。
I. 問題を定義する
A. お互いが何に悩んでいるか、なぜそれが問題なのかを簡潔に伝える。
- 簡潔に伝える。
- 非難ではなく、ポジティブな態度で伝える。
B. 相手の話を繰り返して、理解を確認する。
II. 代替案を生成する
A. 交互に可能な解決策をリストアップする。
B. 以下のルールに従う:
- できるだけ多くのアイデアを出す。
- アイデアを評価しない。
- 創造的になる。変なアイデアも提案する。
C. 提案したからといって、必ずしも実行する必要はない。
III. 最適なアイデアを評価・決定する
A. 各アイデアを交互に評価する。
- このアイデアはあなたの問題を解決するか?
- このアイデアは他の人の問題を解決するか?
- ワークシートに「プラス」または「マイナス」を記入する。
B. 最適なアイデアを選ぶ。 - 全員が「プラス」と評価したアイデアを探す。
a. そのようなアイデアを1つ選ぶ。
b. 複数のアイデアを組み合わせる。 - 全員が「プラス」と評価したアイデアがない場合、最も意見が近いところを見つけ、妥協点を交渉する。親が2人いる場合は、親と青少年の両方が「プラス」と評価したアイデアを探す。
IV. 選択した解決策を実行する計画を立てる
A. 誰が、何を、いつ、どこで、どのように行うかを決める。
B. タスク完了のためのリマインダーを計画する。
C. 遵守または非遵守に対する結果を計画する。
まとめ
- 不安障害は、子どもの発達において正常な部分ですが、過度な不安や恐怖が日常生活を妨げる場合は治療が必要です。
- CBTは、不安を管理するためのスキルを教え、実際の状況で実践することを通じて効果を発揮します。
- 問題解決ステップは、青少年と親が協力して問題に対処するための具体的なガイドラインを提供します。
不安管理のためのCBTプログラム:FEARプラン
このCBTプログラムは、不安管理の主要な原則をFEARという頭字語を使って説明しています(表12.2参照)。FEARプランは以下の4つのステップで構成されています:
- F: Feeling frightened?(怖いと感じている?)
- 不安の身体的症状を認識する。
- E: Expecting bad things to happen(悪いことが起こると予期している?)
- 不安を引き起こす認知(考え)を特定する。
- A: Actions and attitudes that can help(役立つ行動と態度)
- コーピング戦略のレパートリーを開発する。
- R: Results and rewards(結果と報酬)
- 結果を評価し、報酬を与える(行動の結果管理)。
子どもは、治療のスキルトレーニング部分でFEARプランを学び、スキル実践部分でこれらのステップを適用します(表12.3参照)。
FEARプランの具体例
表12.2:不安を持つ若年層向けFEARプラン
- Feeling nervous?(緊張している?)
- 緊張しているか?どうやってわかる?
- Expecting bad things to happen?(悪いことが起こると予期している?)
- 自己対話(セルフトーク)に注意を向ける。この状況で何が心配なのか?
- Attitudes and actions can help.(役立つ態度と行動)
- この状況について他の考え方はあるか?状況を良くするために取れる行動は何か?
- Results and rewards.(結果と報酬)
- どうだったか?行動を起こして気分が良くなったか?よくやった!
表12.3:FEARプランの具体例
状況:レストランで自分で注文する
- Feeling frightened?(怖いと感じている?)
- 手が汗ばんでいて、お腹が痛い。
- Expecting bad things to happen?(悪いことが起こると予期している?)
- 何を言うか忘れたらどうしよう?ウェイターが私を笑ったらどうしよう?
- Attitudes and actions that can help.(役立つ態度と行動)
- 私はできる。ウェイターは優しそうだし、笑わないだろう。それに、最悪何が起こるというの?
- Results and rewards.(結果と報酬)
- やった!自分でピザを注文したら、すごく美味しかった!お父さんもきっと誇りに思ってくれる。
バリエーションと発展
Kendallの子ども向けCBTには、以下のようなバリエーションがあります:
- グループ治療(Flannery-Schroeder & Kendall, 2000; Mendlowitz et al., 1999)
- 家族治療(Howard et al., 2000)
- 学校ベースのグループ治療(Masia-Warner, Nangle, & Hansen, 2006)
また、AlbanoとBarlow(1996)は、社交不安を持つ10代向けのCBTグループを開発しました。このプログラムには、不安を永続させる認知の歪みを特定し変える認知再構成、欠陥を補うための社会的スキルトレーニング、問題解決トレーニングが含まれます。
さらに、Silvermanら(1995)は、恐怖症やその他の不安障害を持つ子ども向けのCBTアプローチを開発しました。これはKendallらのアプローチに似ていますが、子どもと親の個別セッションと合同セッションを含んでいます。
最近の研究では、子ども向けCBTに親や家族の関与を加える試みが行われています(Barrett, Dadds, & Rapee, 1996; Cobham, Dadds, & Spence, 1998; Wood et al., 2006)。しかし、親の関与が子ども向けCBTに比べてどの程度効果的かについては、結果が混在しています。この分野のさらなる研究が必要です。
研究の成果
CBTは、若年層の不安障害に対する有効性が研究によって支持されています。KazdinとWeisz(1998)、OllendickとKing(1998)などの研究者は、CBTが実証済みの治療法(empirically supported treatment)であると評価しています。
また、変化に関連するメカニズムについての研究も進んでいます。KendallとTreadwell(2007)は、子どもの不安を引き起こす自己対話(セルフトーク)が、不安のレベルを予測し、治療の成果を仲介することを発見しました。
さらに、不安障害を持つ子どもの自己対話、自己認識、コーピング能力、治療満足度を評価するための多様な評価ツールが使用されるようになっています。
まとめ
- FEARプランは、不安を管理するための4つのステップ(身体的症状の認識、認知の特定、コーピング戦略の開発、結果の評価)を提供します。
- CBTは、グループ治療、家族治療、学校ベースの治療など、さまざまな形で適用されています。
- 親や家族の関与を加えたCBTの効果については、さらなる研究が必要です。
- CBTは、若年層の不安障害に対する有効性が実証されており、治療メカニズムの解明も進んでいます。
強迫性障害(Obsessive–Compulsive Disorder, OCD)
強迫性障害(OCD)の治療において、CBTと薬物療法の有効性に関する研究が進んでいます。子どもに対するCBTと薬物療法を比較した研究(de Haan et al., 1998; Pediatric OCD Treatment Study Team, 2004)から、CBTが効果的、安全、かつ持続的な効果を持つことが示され、OCDの治療においてCBTを最初の選択肢とするコンセンサスが得られています(Albano, March, & Piacentini, 1999; March et al., 1997)。
MarchらによるCBTプログラム
Marchら(1995; 1998; 1994)は、OCDを持つ若年層向けの効果的なCBTプログラムを開発しました。このプログラムは、曝露療法(Exposure)、反応妨害(Response Prevention)、消去(Extinction)といった伝統的な行動療法に加え、リラクゼーションや認知再構成を含む不安管理コンポーネントを組み合わせています。
OCDの行動理論的理解
- 強迫観念(Obsessions):侵入的で望まない思考、イメージ、衝動であり、急速に不安を引き起こす。
- 強迫行為(Compulsions):不安を軽減するための行動や認知。
- 学習理論に基づき、強迫行為は不安を軽減するため、時間とともに負の強化を受けます。つまり、強迫行為が不安を軽減するほど、その行動が強化されます。
MarchらのCBTプログラムの構成
- 心理教育(Psychoeducation)
- セラピストが患者と家族にOCDについて教育し、認知行動理論に基づいて説明します。
- 症状の階層化(Symptom Hierarchy)
- 個別の曝露課題を設計し、実施順序を決定するためのテンプレートを作成します。
- 曝露と反応妨害(Exposure and Response Prevention, ERP)
- 子どもが恐怖を感じる刺激に接触し、関連する儀式的行動や不安を軽減する行動を抑制します。
- セラピストは、ERPの前後に適応的なコーピング戦略をモデル化し、自己対話を強化します。
家族の役割
- 家族のコンテキストがOCDの症状や子どもの症状が家族機能に与える影響は大きい(Piacentini & Langley, 2004; Waters & Barrett, 2000)。
- OCDの治療を受ける子どもの親や近親者も同様の症状を持つことが多い。
- 家族の感情的反応やOCDに対する否定的な認識は、治療反応を悪化させる可能性があります(Livingston-Van Noppen et al., 1990)。
攻撃的行動(Aggressive Behavior)
攻撃的行動は、他者に対して破壊的な口頭や身体的行動を繰り返す慢性的で重度の行動パターンです(Bandura, 1971)。このような行動は、米国における精神保健サービスの主要な紹介理由となっています(Achenbach & Howell, 1993; Lochman et al., 2006)。慢性的で重度の攻撃的行動を示す子どもは、反抗挑戦性障害(ODD)や行為障害(CD)と診断されることが多いです。
社会的認知モデル
- 攻撃的な子どもの不適応行動は、苦痛を引き起こす出来事に対する認識と評価に起因します(Crick & Dodge, 1994)。
- 特に、攻撃的な子どもは、曖昧な状況での他者の意図を誤解し、挑発的だと見なして報復を正当化します(Dodge, 1985)。
- このモデルでは、認識と評価、覚醒、社会的問題解決の3つの要素が攻撃的反応に寄与します(Lochman et al., 2006)。
攻撃的行動に対するCBT
- CBTは、歪んだ認識、意図の誤解、非言語的解決策への過剰依存、言語的解決策の不足に対処します(Lochman et al., 2006)。
- 学校やクリニックベースの介入で、攻撃的行動を示す子どもに対するCBTの有効性が示されています。
学校ベースの治療
- 「カメのテクニック」(Turtle Technique)(Robin & Schneider, 1974; Robin et al., 1976)
- Lochmanのグループプログラム(Lochman et al., 2006; 1984; 1986; 1989)
- 問題解決ステップのトレーニング
- 覚醒の生理的サインの認識
- 挑発的な状況での自己鎮静のためのセルフトークの練習
- 行動目標設定の追加により、治療効果が向上しました。
コーピングパワープログラム(Coping Power Program)
- Lochmanの怒りコーピングプログラムを改良した学校ベースの治療(Lochman, Wells, & Murray, 2007)。
- 4~6年生向けの34セッションのグループ治療と、16セッションの親向けコンポーネントを含みます。
- 攻撃的な子どもの社会的認知の困難に焦点を当て、親子関係の改善と効果的な子育てスキルの指導を行います。
- 自己制御練習や社会的視点取得スキルも含まれます。
- 1年後の追跡調査では、介入を受けた子どもは、自己申告の非行、親が報告する物質使用、教師が報告する行動問題の減少を示しました(Lochman & Wells, 2004)。
まとめ
- OCDの治療では、CBTが最初の選択肢として推奨されています。Marchらのプログラムは、曝露療法や認知再構成を組み合わせた効果的なアプローチです。
- 攻撃的行動に対するCBTは、歪んだ認知や社会的問題解決スキルの改善に焦点を当てます。学校ベースのプログラムや親の関与を含む介入が有効です。
重度の障害を持つ子どもに対するCBTの成功例
Kazdinら(Kazdin, 2005; Kazdin et al., 1989; 1987a, 1987b; 1992)は、重度の攻撃的および破壊的行動のために入院した7~13歳の子どもに対するCBTの有効性を示しました。この治療は、問題解決トレーニングを中心とし、スキル実践のための実践的な機会を増やし、親に対する行動管理トレーニングを追加することで効果が向上しました。
結果
- 問題解決トレーニングと親の行動管理トレーニングを組み合わせることで、子どもの機能が臨床レベルから正常レベルに改善されました。
- ただし、学業機能の低下や症状が重い子ども、経済的不利、親の反社会的行動の歴史、不適切な子育てなどの要因がある場合、治療効果が低くなる傾向がありました(Kazdin & Crowley, 1997)。
- また、併存症や症例の複雑さは治療結果に大きな影響を与えないことが示され、複雑な行動障害にもCBTが有効である可能性が示唆されています(Kazdin & Whitley, 2006)。
高リスク児童に対する予防的介入
- FASTプログラム(Families and Schools Together)(McDonald, 1993; McDonald et al., 2006)
- 学校ベースの協力的プログラムで、教師によって行動問題があると識別された小学生を対象としています。
- 2年後の追跡調査でも効果が持続することが確認されています。
注意欠如・多動性障害(ADHD)に対するCBT
ADHDの治療におけるCBTの有用性については、科学的なサイクルの中で興味深い経緯があります(Braswell, 2007; Hinshaw, 2006)。新しいアプローチは当初熱狂的に受け入れられますが、後に当初考えられていたほど有用でないことが判明する場合があります。
ADHDの特徴
- ADHDと診断される子どもは、年齢や認知レベルに比べて不注意、衝動性、多動性が顕著です。
- 認知的な欠陥がADHDタイプの行動と関連しているため(August, 1987; Kendall & McDonald, 1993)、問題解決アプローチなどのCBTがADHDの子どもに適しているように思われました。
研究結果
- BaerとNietzel(1991)のメタ分析によると、CBTは衝動性を持つ子どもの改善に一定の効果を示しましたが、治療前後のスコアは比較グループの平均に近く、行動問題の深刻さが疑問視されました。
- ADHDの診断基準を満たす子どもに対するCBTは、社会的または学業的な結果指標において成功を収めていません(Abikoff, 1985, 1991; Kendall & Braswell, 1993)。
- CBTを精神刺激薬と組み合わせても、薬物単独の効果を超える証拠はほとんどありませんでした(Abikoff et al., 1988; Brown et al., 1986, 1985)。
学校ベースの介入プログラム
- Braswellら(1997)は、2年間の学校ベースのグループトレーニングプログラムを評価しました。
- 親と教師によって選ばれた行動問題のある子ども(うち3分の2がADHDの診断基準を満たす)を対象としました。
- 28回のトレーニンググループに参加し、親と教師も情報提供と行動管理グループに参加しました。
- 結果として、介入群と対照群の間に有意な差は見られませんでした。
結論
- 問題解決トレーニングは、ADHDの主要な症状に対する治療としては適していないと考えられます。
- ADHDの子どもには、パフォーマンスの場面での介入(例:目標環境でのスキル使用に対するプロンプトや強化)が必要です(Goldstein & Goldstein, 1998)。
ADHDに対するCBTの補助的な役割
併存する問題への適用
- 認知問題解決アプローチは、ADHDの主要な症状には適していないかもしれませんが、以下の補助的な問題には有効です:
- 親子の衝突
- 攻撃的行動
- 不安
- 抑うつ
多様な治療法の組み合わせ
- MTA研究(Multimodal Treatment Study of Children with ADHD)(MTA Cooperative Group, 1999a, 1999b)
- 薬物療法はADHDの主要な症状に対して最も効果的でした。
- 薬物療法と集中的な行動療法を組み合わせることで、反抗挑戦性障害の行動、内面化症状、親子関係の問題に対して追加の効果が確認されました。
- 行動療法単独は、ADHDと不安症状を持つ子どもに対してのみ、地域ケアを上回る効果を示しました。
今後の研究方向
- Hinshaw(2006)は、認知介入がADHDの臨床症例に有意な変化をもたらさない一方で、薬物療法は短期的で根治的ではないと指摘しています。
- 心理社会的治療と薬物療法の組み合わせが、薬物単独よりも大きな変化をもたらす場合があります(Hinshaw, Klein, & Abikoff, 2002; Swanson, Kraemer, & Hinshaw, 2001)。
- 今後の研究では、言語的仲介、行動の結果管理、行動リハーサルを組み合わせた認知治療の可能性が探られるべきです。
まとめ
- 重度の行動問題を持つ子どもに対するCBTは、問題解決トレーニングと親の行動管理トレーニングを組み合わせることで効果を発揮します。
- ADHDの主要な症状に対するCBTの効果は限定的ですが、併存する問題(例:親子の衝突、不安、抑うつ)に対しては有効です。
- ADHDの治療では、薬物療法と行動療法を組み合わせた多様なアプローチが推奨されます。
抑うつ(Depression)
CBTは、抑うつを持つ子どもに対して「おそらく有効(possibly efficacious)」、抑うつを持つ青少年に対して「おそらく有効(probably efficacious)」と評価されています(Kazdin & Weisz, 1998)。より多くの対照研究が発表されていますが、年少の子どもを対象とした研究は少なく、CBTのアプローチも多様です。
LewinsohnらによるCBT研究
Lewinsohnら(Clarke et al., 2001; Lewinsohn et al., 1990; 1994; 1996)は、重度の抑うつを持つ青少年を対象に、2つの無作為化臨床試験を行い、変化の証拠を得ました。
青少年の抑うつ対処プログラム(CWD-A)
- 内容:
- 抑うつを引き起こす思考パターンを認識し、建設的な認知に置き換えるスキルを教える。
- ポジティブな強化を引き出し、ネガティブな強化を避ける行動を増やすスキルを教える。
- 方法:
- ロールプレイ、宿題、報酬と契約を重視した構造化されたグループセッション。
- 抑うつを持つ青少年の親向けの教育プログラムも開発されました(Lewinsohn et al., 1991)。
結果
- 親のグループ参加を追加しても、青少年のみが参加した場合と比べて結果に大きな差はありませんでした(Lewinsohn et al., 1990)。
- グループ終了後のブースターセッションの効果も、特定のパターンが優れているという結果は得られませんでした(Lewinsohn et al., 1994)。
- 待機リスト対照群と比較して、CBTグループ治療の有効性が示されました(Clarke et al., 1999)。
BrentらによるCBT研究
Brentら(Birmaher et al., 2000; Brent et al., 1997, 1998, 1999)は、抑うつを持つ青少年に対して、CBT、システム的家族療法、非指示的支援療法を比較しました。
結果
- 急性治療期(12週間):
- CBTは他の2つの治療法よりも迅速かつ完全な抑うつ症状の緩和をもたらしました(Brent et al., 1997)。
- 特に不安を併存する患者に対してCBTが有効でした(Brent et al., 1998)。
- ただし、母親が抑うつ状態にある場合、CBTの相対的有効性は低下しました。
- 24か月の追跡調査:
- すべての条件で追加治療を受ける可能性は同等でした(Brent et al., 1999)。
- 追加治療の必要性は、急性期終了時の抑うつ症状の重症度、行動障害、家族の問題によって最もよく予測されました。
考察
- CBTは初期の症状軽減に優れていますが、行動障害や家族の対立に対処するためには、家族の関与を含むアプローチがより有効かもしれません。
大規模研究:TADS(Treatment for Adolescents with Depression Study)
TADS(March, 2004)は、中等度から重度の大うつ病性障害を持つ351人の青少年を対象に、薬物療法(フルオキセチン)、CBT、薬物療法+CBT、プラセボを比較しました。
TADS CBTプログラム
- 内容:
- 心理教育、目標設定、気分モニタリング、活動の増加、社会的問題解決、認知再構成。
- 社会的スキルの欠陥や親子関係の問題に焦点を当てたモジュールも含まれます。
結果
- 治療終了時:
- フルオキセチン単独も有効でしたが、CBTとフルオキセチンの組み合わせが最も効果的でした。
- CBT単独は従来の研究ほど効果的ではありませんでしたが、追跡調査では肯定的な反応が見られました(TADS Team, 2007)。
- 18か月後:
- CBT単独の反応率はフルオキセチン単独と同等でした。
- 3年後:
- CBT単独の反応率はCBTとフルオキセチンの組み合わせと同等でした。
- 自殺念慮と自殺未遂:
- CBTを受けた青少年は、治療後2年間の自殺念慮と自殺未遂の発生率が低かった。
その他の抑うつ治療プログラム
ACTIONプログラム
- 内容:
- コーピング、問題解決、認知再構成スキルを教える。
- 親トレーニングと教師相談を含み、子どもの新しいスキルを支援する環境を整える。
- 結果:
- 研究は進行中ですが、予備的な結果はこの介入が有効であることを示唆しています(Stark et al., 2006)。
再発予防
- 維持CBT:
- 大うつ病性障害から回復した青少年に対する維持CBTは、6か月間の再発リスクを低減しました(Kroll et al., 1996)。
- ブースターセッション:
- ブースターセッションは再発率を低下させませんでしたが、急性期終了時に抑うつ症状が続いていた青少年の回復を加速しました(Clarke et al., 1999)。
学校ベースの予防プログラム
- 対象:
- 抑うつのリスクがあるがまだ発症していない9年生。
- 内容:
- 15回の45分間の放課後グループセッションで、抑うつを引き起こす思考を特定し、挑戦する認知技術を教える。
- 結果:
- 12か月後の追跡調査で、治療群の抑うつ発生率は14.5%、対照群は25.7%でした(Clarke et al., 1995)。
まとめ
- CBTは、抑うつを持つ子どもや青少年に対して有望な治療法です。
- 特に、薬物療法と組み合わせたCBTが最も効果的であることが示されています。
- 再発予防や学校ベースの予防プログラムも有効性が確認されていますが、さらなる独立した研究が必要です。
その他の障害
これまでに議論した治療領域以外でも、CBTの有効性を検証する研究が進んでいます。例えば、トラウマや心的外傷後ストレス障害(PTSD)、学校拒否、青少年の自殺傾向、摂食障害に対するCBTの成果が報告されています(詳細はKendall, 2006を参照)。
特別な課題
普及と実施(Transportability/Dissemination)
すべての実証済み介入(Empirically Supported Treatments, ESTs)が直面する課題の一つは、その普及と実施です。心理学コミュニティでは、科学的に評価され、ChamblessとHollon(1998)の基準を満たす「実証済み治療法(ESTs)」の使用を推進する活動が行われています(Kendall & Beidas, 2007)。
ESTsの例
ESTsは以下のような形で紹介されています:
- 書籍や章(例:Hibbs & Jensen, 2005; Kazdin & Weisz, 2003; Kendall, 2006; Weisz, 2004; Chambless & Ollendick, 2001)
- ウェブベースのリソース(例:SAMHSAが支援するウェブサイト、www.nationalregistry.samhsa.gov)
- 専門団体によるリスト(例:Kettlewell, Morford, & Hoover, 2005)
- 学術誌(例:Herschell, McNeil, & McNeil, 2004; Journal of Consulting and Clinical Psychologyの特集号、Journal of Clinical Child Psychologyの特集号)
代表的なESTs
- 外部化行動(例:攻撃的行動):
- 多系統的家族療法(Multisystemic Family Therapy; Henggeler & Borduin, 1990)
- 親子相互作用療法(Parent–Child Interaction Therapy; Brinkmeyer & Eyberg, 2003)
- コーピングパワー(Coping Power; Lochman et al., 2006)
- 親の行動管理トレーニング(Parent Management Training; Kazdin, 2005)
- 抑うつ:
- アクションプログラム(Taking Action Program; Stark et al., 2006)
- 不安障害:
- コーピングキャットプログラム(Coping Cat Program; Kendall et al., 1997)
- OCDに対するCBT(Pediatric OCD Team, 2004)
治療マニュアルの役割
ESTsの多くは、治療の実施をガイドし、治療の忠実度(fidelity)を確保するために治療マニュアルを使用しています。しかし、治療マニュアルは以下のような批判も受けています:
- 線形的すぎる
- 研究環境以外では適用できない
- 治療のレシピ本のように感じられる
- 臨床家を技術者に貶める
しかし、治療マニュアルは柔軟に使用されるべきであり、「忠実度の中での柔軟性(flexibility within fidelity)」が重要です(Kendall & Beidas, 2007)。
例:コーピングキャットプログラム
- 内容:不安を持つ若年層向けのEST。
- 柔軟性:曝露課題は個別に設計されます。例えば:
- 社会的拒絶に対する曝露課題:クラスメートにアンケートを取る。
- 安全に関する不安に対する曝露課題:専門家に電話で質問する。
コンピュータの活用
普及におけるコンピュータの役割
- CBT4CBT(Computer-Based Training to be a Cognitive Behavioral Therapist)(Kendall & Khanna, 2008a)
- セッションごとのガイドを含むモジュール形式。
- 治療セッションのビデオクリップ、曝露課題の例、経験豊富なセラピストからの「ヒント」、治療資料へのアクセスを提供。
- 各モジュール後に「知識チェック」を実施。
実施におけるコンピュータの役割
- Camp Cope-A-Lot(Kendall & Khanna, 2008b)
- 不安を持つ若年層向けのCoping Cat治療を12セッションのインタラクティブプログラムとして提供。
- ユーザーは他のキャンパーと一緒に遊園地に行ったり、タレントショーを開催したり、新しい人と出会ったり、公の場で話したりする体験を通じて自信をつけ、不安を管理する方法を学びます。
今後の課題
KazdinとKendall(1998)が指摘するように、CBTの有効性を実証することは第一歩です。次のステップは、CBTを地域社会に普及させ、実施することです。エビデンスに基づく実践(evidence-based practice)は、「最良の研究と臨床的専門知識の統合」と定義されています(American Psychological Association, 2005, p. 5)。
しかし、地域ベースのクリニックでは、設定、セラピスト、クライアントの特徴が異なるため、CBTが同等の結果をもたらすとは限りません。この問題を認識し、地域ベースの設定に近い重症度や文化的背景を持つクライアントを対象とした効果研究(effectiveness research)や実験的試験が必要です。
まとめ
- CBTは、トラウマ、学校拒否、自殺傾向、摂食障害など、さまざまな障害に対して有効性が研究されています。
- 実証済み治療法(ESTs)の普及と実施が進んでいますが、治療マニュアルの柔軟な使用が重要です。
- コンピュータを活用したトレーニングプログラム(例:CBT4CBT、Camp Cope-A-Lot)が開発され、CBTの普及と実施を支援しています。
- 今後の課題は、地域ベースの設定でのCBTの効果を検証し、エビデンスに基づく実践をさらに発展させることです。
併存症(Comorbidity)
多くのCBT治療は、特定の障害または一連の障害を治療するために開発されました。しかし、小児期の障害は他の障害と高い併存率を示すことが多いです(Flannery-Schroeder et al., 2004; Nock et al., 2007; Seligman & Ollendick, 1998)。
従来のアプローチ
- 併存症に対処するため、主たる障害の治療をわずかに修正して適用することが一般的でした。
- 例:Coping Catプログラム(Kendall & Hedtke, 2006a)は、複数の類似した障害を治療するために設計されています。
モジュール化されたアプローチ
- 最近では、モジュール化されたアプローチが開発され、ESTsの普及と併存症への対応が進んでいます(Chorpita, 2007; Chorpita, Daleiden, & Weiz, 2005)。
- モジュール化された治療:
- 個々のクライアントの問題に合わせてESTsを定義し、CBTの核心原則を柔軟に実施します。
- 複数のモジュールが治療の核心とされますが、各子どもに応じてモジュールを選択し、順序を変えて提供します。
- 例:分離不安障害と併存する行動障害を持つ子どもには、不安に関するモジュール、曝露療法、認知再構成、親への指導(無視、報酬、タイムアウト)が適用されますが、社会的スキルのモジュールは不要かもしれません。
文化的配慮(Cultural Considerations)
CBTの有効性に関する研究は、主に欧米系のクライアントを対象に行われてきました。現在のところ、民族/マイノリティグループ向けに治療介入を適応・修正するための統一された方法論やフレームワークはありません(Hwang, Wood, & Lin, 2006)。
文化の影響
- 文化は、症状の表現、障害の認識と病因、治療同盟、治療遵守に影響を与えます。
- また、家族が治療を求める理由やタイミング、家族の組織構造(誰が治療に参加するか)にも影響を与えます。
文化的感受性の重要性
- 異なる文化背景を持つ子どもや家族と働く際には、これらの違いに対する感受性が重要です。
- 文化的感受性を高めるためには、文化固有の評価ツールを使用し、文化固有の儀式を取り入れ、文脈的要因をプロファイリングすることが有効です。
- 文化的に適応されたESTsに関する研究が徐々に進んでいます。
結論と今後の方向性
子どもの介入分野は、善意のセラピストが提供するだけの時代から大きく進化しました。現在では、以下のようなCBTが有効な治療法として推奨されています:
- 攻撃的行動を示す7~13歳の子ども
- 不安や抑うつを持つ子どもや青少年
他のレビューでも、これらのアプローチが「おそらく有効(probably efficacious)」と評価されています(Brestan & Eyberg, 1998; Kaslow & Thompson, 1998; Ollendick & King, 1998)。
今後の課題
- 研究の精密化:
- 特定のアプローチの有効性を実証するためには、より詳細な研究手法の洗練が必要です。
- 関連分野の知識統合:
- 子どもの発達、教育、精神病理学、異文化心理学からの知識を統合することが重要です。
- 文化的適応:
- 異なる文化背景を持つ子どもや家族に対する治療介入の適応と普及が求められます。
まとめ
- 併存症に対処するため、モジュール化されたアプローチが開発され、柔軟な治療が可能になりました。
- 文化的配慮は、CBTの効果を最大化するために不可欠です。
- 今後の研究では、より精密な手法と関連分野の知識統合が求められています。
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