実存メモ133
66歳の未亡人のケース
この患者は、夏の別荘を売却するべきかどうかで深く悩み、苦しんでいた。
その家は、庭の手入れや維持管理、防犯などが必要であり、健康状態が悪く、体力の衰えた彼女には負担が大きかった。
さらに、金銭面の問題もあり、不動産や財務の専門家に相談を重ねていた。
しかし、治療を進めるうちに、より深い感情的な問題が明らかになってきた。
治療のプロセスと結果
セラピストは、家を売るかどうかという決断を出発点にし、彼女のより深い感情的な問題を探り、受け入れるのを手助けした。
最終的に、彼女は「夫」「自分自身」「生まれてこなかった子供たち」に対する悲しみを十分に嘆き、向き合うことができた。
こうした深い問題を乗り越えることで、彼女は約12回のセッションの後、自然に、何の抵抗もなく家を売る決断を下すことができた。