実存メモ143

実存メモ143
ある女性の患者は、うつ病を抱えていた。
彼女の文化では「親に絶対服従すること」が求められていた。
そのため、「自分の人生の目標」を追いかけることが難しかった。
セラピストが「あなた自身の人生の責任について考えてみませんか?」と促しても、
「私は父が望むことをしなければなりません。」
「自分の人生を選ぶことはできません。」
このとき、実存療法のアプローチは次のようになる。
彼女に「服従すること自体も、自分で選んでいるのだ」と気づかせる。
「私は父の言うことを聞くことを選んでいる」と考えることで、自分の人生に責任を持つ意識を育てる。
「従うこと」もまた実存的な選択になりうる。

そのような解決もあるのか。
どんな価値観を持っていても、人は「どのように生きるか」を選択することができる。

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