ロジャーズ06 3つの核心条件

ロジャーズ06 3つの核心条件
クライエント中心療法においてセラピストが提供する三つの条件は、「一致(congruence)」、「無条件の肯定的関心(unconditional positive regard)」、そしてクライエントの内的な枠組みに対する共感的理解(empathic understanding)である。これらは「核⼼条件(core conditions)」と呼ばれ、その有効性について広範な研究がなされている。

・一致(Congruence): セラピストが自身の体験の流れを意識し、それを同化し、統合し、象徴化し続けるプロセスである。一致しているとは、セラピストがその瞬間に抱いている感情を自覚し、それを表現することを厭わないことを意味する。セラピストの一致は通常、「透明性(transparency)」や「誠実さ(genuineness)」として外見上に現れ、「リラックスした開かれた態度(relaxed openness)」という行動的な特徴としても示される。セラピストの一致が時間の経過とともに持続することで、クライエントはセラピストの開かれた態度が本物であり、隠れた意図を持っていないと学ぶ。

・無条件の肯定的関心(Unconditional Positive Regard): セラピストがクライエントに対して温かい称賛や尊重を持つことを意味する。セラピストは、クライエントの思考、感情、願望、意図、理論、解釈を、それぞれが独自のものであり、人間的であり、現在の体験に適したものとして受け入れる。理想的には、セラピストのクライエントに対する関心は、クライエントの選択、特性、または結果によって影響を受けない。特定のクライエントに対して無条件の肯定的関心を持ち、それを一貫して維持する能力は発達的なプロセスであり、批判的な反応を抑え、判断的な反応を避けることへのコミットメントを伴う。

・共感的理解(Empathic Understanding): クライエントの内的な枠組みを理解し、クライエントが自分自身を理解しているのと同じように理解しようと努め、その理解をクライエントに伝えることである。共感的理解は、機械的な反射や鏡のようなものではなく、個人的で自然、そして流れるような方法で行われる。セラピストは、クライエントの言葉の背後にある感情や意味を捉え、それをクライエントに伝えることで、クライエントが自身の経験をより深く理解するのを助ける。

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