ロジャーズ35 自己概念
ロジャーズの人格に関する仮説のひとつ(第八命題)は、発達する乳児の「プライベートな世界」の一部が「私(me)」「私自身(I)」または「自己(myself)」として認識されるようになる というものであった。
ロジャーズは、乳児が環境と相互作用する過程で、「自己について」「環境について」「環境との関係における自己について」の概念を形成していく と述べている。
他者による評価の影響。子どもが他者から評価されるようになると変化する。
子どもが受け取る愛情や、自分自身を「愛される子ども」と象徴することは、行動に依存するようになる。
例えば、赤ちゃんの兄弟を叩いたり憎んだりすると、子どもは「悪い子」「愛されない子」だと言われるかもしれない。
その結果、子どもは「肯定的な自己概念」を維持するために、経験を歪めてしまう可能性がある。
「このようにして……親の態度は単に内在化される(introjected)だけでなく……
自分自身の感覚的・内臓的な経験に基づいているかのように、歪められた形で体験されるのである。
したがって、歪められた象徴化を通じて、怒りの表現は『悪いこと』として『体験』されるようになる。
しかし、より正確な象徴化では、怒りの表現はしばしば『満足を与え、自己を高めるもの』として体験されるはずである。
……すでに存在する自己構造に合わせるために、感覚的・内臓的な証拠を歪めることで形成された『自己』は、統合された組織を獲得し、個人はそれを維持しようと努める。」(Rogers, 1951, pp. 500-501)
このような相互作用は、自己に関する混乱、自信の喪失、自己不承認、そして他者の評価への依存 の種をまく可能性がある。
しかし、ロジャーズは、親が「子どもの否定的な感情」と「子ども全体」を受け入れながらも、赤ちゃんを叩くといった特定の行動を許さない場合、これらの悪影響を回避できる と示唆している。