ロジャーズ60 能動的なクライエント(active client)
Ryan と Deci およびその共同研究者たちの研究は、人間が自律性(autonomy)、有能感(competence)、および関係性(relatedness)に向かって内発的に動機づけられているという見方を支持しています。
つまり、Bohart & Tallman(1999)が述べた「能動的なクライエント(active client)」の概念を裏付けるものです。
また、主観的幸福感(SWB: subjective well-being)、ハーディネス(精神的強靭性)やレジリエンス(回復力)、自己決定(self-determination)と心理的幸福(PWB: psychological well-being)に関する研究も、Rogersが自身の療法の中で観察した「能動的で創造的に意味を作り出す人間」のイメージを支持するものとなっています。
これらの研究結果をもとに、Rogersは「人間の唯一の動機は自己実現傾向(actualizing tendency)である」と仮定しました。