MBCT(マインドフルネス認知療法, Mindfulness-Based Cognitive Therapy)は、マインドフルネスの実践と認知療法を組み合わせた心理療法です。もともとは、うつ病の再発防止を目的として開発されましたが、現在では不安障害やストレス管理などにも効果があるとされています。
MBCTの特徴
1. マインドフルネスの活用
- マインドフルネスとは、「今、この瞬間の経験を判断せずに受け入れる」心の在り方のこと。
 - 呼吸や身体の感覚、思考や感情に注意を向け、それらをありのまま観察する練習を行う。
 
2. 認知療法の技法
- ネガティブな思考パターンに気づき、それに対する新しい見方を身につける。
 - うつの再発を防ぐために、ストレスの多い状況でもバランスを保つ方法を学ぶ。
 
3. 8週間のプログラム
- MBCTは通常、8週間のグループプログラムとして提供される。
 - 毎週のセッションと、日常生活でのマインドフルネス実践を組み合わせる。
 
MBCTの主な内容
MBCTでは、以下のようなマインドフルネスの実践を行います。
- ボディスキャン
- 身体の各部位に意識を向け、感覚をありのまま観察する。
 
 - 呼吸への集中
- 呼吸を観察することで、現在の瞬間に意識を向ける練習。
 
 - 歩く瞑想
- 歩く動作に注意を向け、身体の動きや接地感を観察。
 
 - 思考や感情の観察
- 自分の思考や感情を客観的に眺め、巻き込まれずに対処する方法を学ぶ。
 
 - マインドフルな日常生活
- 食事や掃除など、日常の活動を意識的に行う練習。
 
 
MBCTの効果
✅ うつ病の再発防止
- 研究により、うつの再発率を大幅に低下させることが確認されている。
 
✅ ストレスや不安の軽減
- マインドフルネスの実践により、ストレスや不安に対処しやすくなる。
 
✅ 感情の調整力向上
- ネガティブな感情に巻き込まれにくくなり、心のバランスを保ちやすくなる。
 
✅ 思考の柔軟性アップ
- 「どうせダメだ」「また失敗する」といった自動的な思考に気づき、新しい視点を持てるようになる。
 
MBCTはどんな人に向いている?
- うつ病を繰り返しやすい人
 - ストレスを減らしたい人
 - ネガティブな思考に囚われやすい人
 - 感情のコントロールが難しいと感じる人
 - マインドフルネスや瞑想に興味がある人
 
MBSRとの違い
MBCTとよく似たプログラムに MBSR(マインドフルネス・ストレス低減法) があります。
| MBCT | MBSR | |
|---|---|---|
| 目的 | うつ病の再発防止 | ストレス・痛み・不安の軽減 | 
| 技法 | マインドフルネス + 認知療法 | マインドフルネス中心 | 
| 対象者 | うつ病経験者向け | 幅広い人に適用可能 | 
MBSRはより一般的なストレス対策として、MBCTは特にうつの再発予防に特化したアプローチとして発展しました。
まとめ
MBCTは、マインドフルネスの実践と認知療法を組み合わせたアプローチで、うつ病の再発防止やストレス管理に効果的なプログラムです。8週間のプログラムを通じて、思考や感情のコントロールを学び、ネガティブなパターンから距離を取る力を養います。
興味がある場合、オンラインや専門機関でのMBCTプログラムを受けることも検討してみるとよいでしょう!
  
  
  
  