PTSDで観察され、さらにほかの精神病でも見られることであるが、
精神的外傷を負うに至った場面に関する事柄を徹底的に回避するのがよいと思われるのだが、
実際には再度、精神的外傷を負う場面にやすやすと突き進んでしまう場合があり、
これを回避するだけで、ずいぶんと安心できる世界になると思うのだが、
そのようにはならない。
なぜか、禁忌の場面に飛び込んでしまう。
二回あると、三回目はさらに起こりやすいように思う。
どういうからくりがあるのか、メカニズムについてはいくつか想定できるのだろうが、
決定的ではない。
その特定の場面(A)は、患者さんにとって不愉快で苦痛なものだから、
それ自体なら回避できると思うのだが、
その周辺部(B)に、患者さんにとって魅力的な報酬があるので、近寄ってしまうらしい。
Aには近寄りたくないが、Bには近寄りたい、そこで結局Bを求めて、Aに近づいてしまうらしい。
Bを求める力はとても強いので、仕方ないらしい。