PCA(認知分析療法)-6-H 再構築セッション  Psicoterapia Cognitiva Analítica-Teoría y práctica

このテキストは、認知行動療法(PCA) と呼ばれる心理療法における再定式化のプロセスを説明しています。PCAでは、患者の機能不全苦痛の根本にある問題のある相互役割パターンを特定し、図を用いて視覚化することで、患者が自分の問題をより深く理解し、変化に向けた行動を起こせるように支援します。テキストでは、再定式化の手順、具体的な事例、図式化の考え方などが詳しく解説されており、PCAの実践的な側面を理解するのに役立ちます。

第6章:再構築セッション

  • はじめに:この章では、認知分析心理療法(PCA)における再構築セッション、特にセラピストの役割とタスクに焦点を当てています。
  • ケースの定式化とPCAの再定式化:ここでは、PCAにおけるケース定式化のアプローチについて、従来の心理療法との違いを強調しながら説明しています。PCAでは、セラピストと患者は協働して、患者の経験、問題となる行動、治療プロセスにおける不適切な役割パターンを理解します。このプロセスでは、文書化、図解、物語の再構成を通じて、患者の問題の維持に寄与する要素を明らかにします。
  • 再定式化プロセス:このセクションでは、再定式化プロセスを段階的に説明しています。評価セッションから始まり、構造化されていないインタビュー、心理療法アンケート、自己モニタリング課題を通じて患者の問題となる行動パターンを特定します。セラピストは、患者の物語の中のパターン、態度、行動を観察し、患者の過去と現在の行動を結びつける仮説を立てます。通常4回目または5回目のセッションで行われる再定式化セッションでは、セラピストは、患者の生活史、問題となる行動パターン、治療における潜在的な課題を要約した暫定的な再定式化レターを提示します。このレターは、患者のフィードバックに基づいて共同で改訂され、治療の共通の議題と概念的な枠組みを提供します。
  • 再定式化の効果:再定式化は、患者の気分を改善し、治療関係を強化し、混乱や不確実性を軽減し、記憶へのアクセスを改善し、感情の認識を高めるなど、多くの治療効果をもたらします。また、患者の問題に対する洞察を提供し、心理的な幸福に不可欠な個人的な意味の感覚を高めます。
  • 再定式化レター:ここでは、再定式化レターの実際的な側面について説明し、28歳のうつ病の女性であるベアトリスの事例を用いて、その構成要素と原則を説明しています。手紙には、患者の生活史の簡単な要約、現在のパターンの特定、過去と現在の経験の関連付け、問題となる手続きのリスト、治療における潜在的な課題、達成可能な目標に関する現実的な提案が含まれています。また、レターを書く際の一般的な原則、一般的な落とし穴、患者のフィードバックを組み込むことの重要性についても説明しています。
  • 図式再定式化:このセクションでは、再定式化レターを補完する図式再定式化の役割について説明しています。口頭での説明では、順序や関係、特に複雑なケースでは把握するのが難しい場合があるため、図式表現が役立ちます。
  • 単純なフローチャート:フローチャートは、トラップ、ジレンマ、スナッグとして現れるシーケンスを視覚化するための、単純でありながら効果的な方法として紹介されています。これらは、セッション中に共同で作成して、シーケンスを明確にし、患者の洞察と自己モニタリングを促進することができます。
  • シーケンスの図式再定式化の原則:ここでは、シーケンスの図式再定式化(RDS)を紹介し、その基礎となる原則を詳しく説明しています。RDSは、患者の過去と現在の関係における反復的な相互作用パターンである、核となる役割手続きレパートリーを記述することを目的としています。これらのパターンは、患者の報告とセラピストの推測から特定され、フローチャートよりも包括的な問題の概念化を提供します。RDSは、問題となる行動がどのように発生し、維持され、治療に影響を与えるかを理解するための枠組みを提供します。
  • シーケンスの図式再定式化。実際的な手順:このセクションでは、RDSを作成するための段階的なガイダンスを提供しています。セラピストは、共感、進化論的視点、逐次的思考、相互作用的思考、構造的思考という5つの主要な視点を採用することをお勧めします。RDSの作成は、患者の初期の生活経験、現在の自己管理パターン、セラピストとの関係から明らかになる可能性のある重要な相互作用パターンの特定から始まります。次に、これらのパターンを、患者と他者の両方を含む相互作用手順とその結果を詳述する手順回路に変換します。このプロセスでは、さまざまな役割パターンから生じる可能性のある主観的な困難、不適応な対処機制、肯定的な結果を考慮します。
  • 例の続き:ベアトリスのケースを再び取り上げ、彼女のRDSを提示して、図式再定式化の原則を説明しています。彼女の図は、幼少期の拒絶と見捨ての経験から生じる2つの主要な相互作用パターンを浮き彫りにしています。これらのパターンは、現在の人間関係における彼女の行動と、親密さを求めながらも拒絶を恐れるという葛藤を理解するための枠組みを提供しています。
  • 図では単一または複数の核:このセクションでは、単一の相互作用パターンで十分な場合もあれば、複数の相互作用パターン、さらには解離した自己状態を必要とする場合もあるなど、RDSにおける複雑さのレベルについて説明しています。境界性パーソナリティ障害の患者では、部分的に解離した自己状態のレパートリーを示すことができ、それぞれに独自の相互作用パターンと主観的な経験があります。これらのケースでは、自己状態を認識し、マッピングすることが不可欠であり、各状態の支配的な気分、行動、自己および他者の感覚、および関連する症状を特定します。RDSにおける自己状態の統合は、治療において観察される不安定性と突然の状態変化を理解するための貴重な洞察を提供します。
  • 自己状態のシーケンス図とシーケンス図 – 要約:ここでは、これらの図が抽象的なものであり、経験や行動から派生した理論的な構成要素であることを強調することで、自己状態のシーケンス図とシーケンス図の違いを要約しています。RDSの焦点は、根底にある感情状態ではなく、観察可能な行動と相互作用パターンにあります。
  • 図にはいくつの核がありますか?:このセクションでは、RDSにおける核の数を決定するための実用的なガイダンスを提供しています。目標は、問題となる主要な役割手続きをすべて包括的かつ臨床的に意味のある方法で捉えることです。提示される3つの主要なパターンは、単一の相互作用パターンで表される基本的な定式化、「ホガザ」図として視覚化される相互接続された複数の相互作用パターン、および別々の核を持つ解離した自己状態を表すシーケンシャル自己状態図(DSES)です。DSESは、境界性パーソナリティ障害や自己愛性パーソナリティ障害に見られるような、自己の断片化と状態間の突然の変化を理解するために特に役立ちます。
  • 再定式化の順序:このセクションでは、再定式化プロセスの推奨される順序について説明しています。アンケートの管理と問題となる手続きの初期リストの作成から始まり、暫定的な再定式化レターの作成、最後にRDSの開発へと進みます。この順序により、セラピストは、より複雑な相互作用的理解に向かって徐々に作業を進めることができます。ただし、著者は、相互作用的な視点を最初から強調し、可能な限り早期にRDSを導入することを推奨しています。このアプローチは、特に人間関係のパターンが顕著な場合に、より包括的で洞察力のある定式化を促進することができます。
  • 再定式化の影響:患者は、再定式化、特にRDSに対してさまざまな反応を示す可能性があり、安堵、恐怖、混乱などがあります。セラピストはこれらの反応を検証し、図は個人の完全な表現ではなく、理解と変化のための出発点であることを強調することが不可欠です。複雑な図は患者を圧倒する可能性があるため、明確さとシンプルさを優先することが不可欠です。
  • 出発点:このセクションでは、RDSが、代替の、より適応的な手順(「出口」)を探求するためのロードマップとして機能することを強調しています。通常、患者はマップとその意味を理解するまで数週間はマップに慣れる必要があります。ただし、症状が深刻な場合や自己破壊のリスクがある場合は、RDSの初期段階で暫定的な出口に取り組む必要がある場合があります。
  • 結論:本章は、PCAにおける再定式化の重要性と、患者の問題となる行動パターンを理解し、対処するための構造化された協調的なアプローチを提供することを強調して締めくくられています。このプロセスでは、患者の過去を掘り下げ、現在の人間関係を調査し、治療関係自体における潜在的な課題を予測します。RDSを作成し、改良することで、患者とセラピストは、より充実した、より適応的な生活を送るためのロードマップを作成することができます。
  • 参考文献:本章で取り上げられている重要な概念やテーマをさらに深く掘り下げたい読者のために、追加の参考文献が提供されています。

----------------------------

主なテーマ: 本章では、認知分析療法(PCA)における再構築セッションの重要性、プロセス、治療効果について詳しく解説しています。再構築セッションとは、患者の不安、機能不全、その進化的起源を、セラピストと患者が共同で文書化・図式化するプロセスです。

重要なアイデアと事実:

  1. 共同構築された再定式化:
  • PCAでは、セラピストは最初から患者と協力して作業します。
  • 患者は、自己モニタリングや心理療法アンケートを通して積極的に治療に参加します。
  • セラピストは、患者が提供した情報に基づいて 再定式化レターシーケンス図 を作成し、患者の物語を「物語の再構成」として提示します。
  • 引用: 「セラピストは最初から患者と協力して作業します。これには、患者が自己モニタリングや心理療法アンケートを読むなどの活動が含まれ、セラピストは暫定的な理解を患者と共有し、アイデア、コメント、修正を加えて参加するよう促すことが求められます。」
  1. 再定式化レター:
  • 患者の過去の歴史、現在の問題、治療への影響の可能性を要約した手紙です。
  • 暫定的なものであり、患者からのフィードバックを求めます。
  • 患者自身の言葉やイメージを含めることで、より個人的で共感的なものになります。
  • 引用: 「この手紙は暫定的なものであり、患者が検討できることを明確にします。(…) 患者を治療に導いた経緯と生活歴の重要な点の概要を簡単に説明します。」
  1. シーケンス図式再定式化 (RDS):
  • 過去の経験から派生し、現在繰り返されている、問題のある相互役割の中核となるレパートリーを視覚的に表現した図です。
  • トラップ、ジレンマ、問題点などをフローチャートで表現し、患者が自分のパターンを理解しやすくなるよう支援します。
  • 引用: 「シーケンスの図式再定式化 (RDS) は、過去から派生し、現在では習慣的な役割手順で繰り返されている相互役割の中核となるレパートリーを記述することを目的としています。」
  1. 自己状態と複数核:
  • 境界性人格障害などの患者では、部分的に解離した代替的な相互役割(「自己状態」)が存在することがあります。
  • 複数の自己状態を持つ患者には、それぞれの状態を異なる核方形で表すことで、より複雑な図が必要となります。
  • 引用: 「境界性人格構造を持つ患者では、部分的に解離した代替的な相互役割(「自己状態」)のさまざまなレパートリーが見つかり、一度にそのうちの 1 つだけが機能します。」
  1. 再定式化の治療効果:
  • 患者は自己理解を深め、変化への希望を見出すことができます。
  • 問題のあるパターンを特定し、より効果的な対処法を学ぶことができます。
  • セラピストは、患者への共感を深め、より効果的な治療を提供することができます。
  • 引用: 「リフレーミングの機能は、個人の特定の社会的形成の否定的な結果を説明して異議を唱え、患者がこれまで認識されていなかった問題を認識し再検討するのを支援することです。」
  1. 図の解釈と限界:
  • 図は抽象的なものであり、脳や経験の一部分を文字通り表現したものではありません。
  • 患者は図に対して様々な反応を示し、中には混乱したり抵抗を示したりする人もいます。
  • セラピストは、患者の反応に注意深く耳を傾け、図を修正したり、より分かりやすく説明したりする柔軟性を持つ必要があります。
  • 引用: 「これらの図は、制限がどのように維持され、現在どのように克服できるかを非判断的な方法で示し、自己のさまざまな側面への認識を拡大することで統合と制御に貢献します。」

結論: 再構築セッションは、PCAにおいて非常に重要な役割を果たします。 患者とセラピストが共同で過去の経験、現在のパターン、そして未来への可能性を探求することで、患者はより豊かな人生を送るための新しい道筋を見つけ出すことができるのです。

-------------------------

このFAQでは、心理療法における再構築セッション、特に個人構造化心理療法(PCA)におけるその役割と利点について説明します。

1. 再構築セッションとは何ですか?

再構築セッションとは、セラピストと患者が協力して、患者の不安、機能不全、およびその起源を理解するための包括的な図式と説明を作成する治療セッションです。 これは、患者の過去と現在の困難な行動や苦痛を結びつける「物語の再構築」を提供します。

2. 再構築セッションは他の療法とはどのように異なりますか?

PCAの再構築セッションは、他の療法とは以下の点で異なります。

  1. 協調的なプロセス: セラピストと患者は、最初から協力して作業します。患者は、自己モニタリング、アンケートへの回答などを通じて積極的に参加し、セラピストは暫定的な理解を共有し、患者の意見や修正を求めます。
  2. 文書と図の使用: セラピストは、文書や図を使用して理解を明確にし、患者に検証と修正の機会を提供します。
  3. 物語の再構成: セラピストは、患者の過去の経験と現在の問題との関連を示す、患者の人生の「物語の再構成」を提供します。
  4. 合意に基づく文書化: 合意された再定式化は、書面および図表形式で記録され、治療の共通の基盤を提供します。

3. 再構築レターとは何ですか?

再構築レターとは、セラピストが患者の生活史、現在の問題、考えられる原因に関する理解をまとめた手紙です。 この手紙は、患者の問題を維持している可能性のあるトラップ、ジレンマ、ハンディキャップなどの問題のある手順を特定します。

4. 再構築レターには何が含まれていますか?

再構築レターには通常、以下が含まれます。

  1. レターが暫定的であること、患者の意見が求められていることの明記。
  2. 患者の生活史と現在の問題の簡単な要約。
  3. 現在の問題を過去の経験に結び付ける可能性のあるパターン。
  4. 現在問題となっているトラップ、ジレンマ、ハンディキャップの説明。
  5. これらの問題が治療にどのように現れるかについての考察。
  6. 治療で達成できることについての現実的な提案。

5. シーケンス図とは何ですか?

シーケンス図は、患者の過去から現在に繰り返される可能性のある、問題のある中心的相互作用パターン(相互役割パターン)を視覚的に表現したものです。

6. シーケンス図はどのように作成されますか?

セラピストは、患者との会話、アンケート、自己モニタリングから得られた情報を使用してシーケンス図を作成します。 図には、患者の主な相互作用パターンと、それらのパターンから生じる行動、感情、結果が示されます。

7. 再構築セッションはどのように役立ちますか?

再構築セッションは、患者が自分の問題を新しい視点から見て理解を深めるのに役立ちます。 また、セラピストとの協力的な関係を築き、治療目標を明確にするのにも役立ちます。

8. 再構築セッションは誰に適していますか?

再構築セッションは、さまざまな精神的問題を抱える多くの人に役立ちます。 特に、対人関係の問題、トラウマ、喪失、自己破壊的な行動に苦しむ人にとって有益です。

-----------------------------

過去の相互作用が現在の行動パターンにどのように影響するか

患者の行動パターンは、過去の相互作用が現在の役割手順にどのように影響するかを理解することで説明できます。1234… ソースは、認知分析療法(PCA)の枠組みの中でこのプロセスを理解するためのフレームワークを提供しています。

過去の相互作用の重要性: 幼少期の相互作用パターンは、しばしば現在の問題のある行動パターンの基礎となります。148 これらの初期の経験は、個人の中に、対人関係や自己管理における特定の役割手順に関する中核的なレパートリーを形成します。3910

役割手順の反復: これらの初期に形成された役割手順は、現在の関係においても無意識的に繰り返される傾向があります。14 例えば、幼少期に批判や拒絶を経験した人は、大人になってからも同様のパターンを他人との関係で繰り返してしまう可能性があります。11

図式再定式化: PCA では、シーケンス図式再定式化(RDS)を使用して、これらの役割手順とその結果を視覚的に表現します。23 RDSは、患者の中核的な対人関係パターン、そこから生じる行動、そしてそれらの行動がどのようにして問題のある結果につながるかを示すことができます。4511

自己状態: 場合によっては、患者は、それぞれが独自の役割手順と主観的経験を伴う、部分的に分離した自己状態を持っていることがあります。8121314 これらの自己状態間の移行は、行動や自己認識の突然の変化をもたらす可能性があります。10

治療への示唆: 過去の相互作用パターンを理解することは、患者の現在の行動を理解し、より適応的な対処メカニズムを開発するための鍵となります。67 RDSなどのツールを使用することで、患者とセラピストは、問題のあるパターンを特定し、それらを打破するための戦略を探求することができます。67

タイトルとURLをコピーしました