〈疑惑の兵庫県知事選〉1500人超の斎藤支持者のオープンチャットで「立花さんのポスター貼りました!」百条委県議の自宅前の街宣も“参集の呼びかけ” 集英社オンライン

〈疑惑の兵庫県知事選〉1500人超の斎藤支持者のオープンチャットで「立花さんのポスター貼りました!」百条委県議の自宅前の街宣も“参集の呼びかけ”(集英社オンライン) - Yahoo!ニュース
パワハラや公金不正支出の疑惑を発端に失職したものの、出直し知事選で返り咲いた斎藤元彦兵庫県知事。驚異の逆転劇が従来の選挙の常識を揺るがす中、斎藤陣営が大きな武器としたLINEのオープンチャットの記録

以下、魚拓。
〈疑惑の兵庫県知事選〉1500人超の斎藤支持者のオープンチャットで「立花さんのポスター貼りました!」百条委県議の自宅前の街宣も“参集の呼びかけ”
12/7(土)
パワハラや公金不正支出の疑惑を発端に失職したものの、出直し知事選で返り咲いた斎藤元彦兵庫県知事。驚異の逆転劇が従来の選挙の常識を揺るがす中、斎藤陣営が大きな武器としたLINEのオープンチャットの記録から、応援の内幕が見えてきた。同時に、「斎藤氏を応援する」と言って出馬したNHK党の立花孝志党首のポスター貼りや街頭演説の動員も、斎藤氏の支持者のチャットで呼びかけられていたことがわかった。

1500人超の斎藤応援オープンチャットの存在
集英社オンラインは斎藤氏の支持者が連絡を取り合った複数のオープンチャット記録を関係者らから入手した。

このうち最大のグループとみられる「チームさいとう」と名付けられたチャットでは、知事選告示2日前の10月29日に「管理者」が、メンバーが1500人を超えたことを報告している。

11月7日には別の人物が「この1週間で、仲間が作った動画が100本以上となりました‼ 現在、デジタルボランティアが391人います。ハッシュタグも忘れずに #さいとう元知事がんばれ」と書き込んでいる。

このハッシュタグは、公職選挙法に違反するSNSを使った有償の選挙公報を行なったとして刑事告発されたPR会社「merchu」の代表取締役・折田楓氏が、「自分が考案し斎藤氏が喜んでいた」と自慢していたものだ。

一方、10月28日にはメンバーの一人が「デジボラさん、斎藤さん応援動画流してくださいねー 再投稿だけでも大丈夫です」と書いた。その直後、この投稿者を名指しし、「誰かに『指示』を出すようなことは控えてください。デジボラはデジボラで責任者がおります。」と諭した人物がいる。

「S」(仮名)と名乗るこの人物は、11月9日に斎藤氏を批判する意見を書いたとみられる参加者Y氏(仮名)に向け「ここは斎藤元彦の応援のオプチャです。さようなら。」と投稿。その直後チャットには「SがYをこのオープンチャットから退会させました。」との表示が出ている。

このためS氏は参加者を強制退会させられるだけの、管理者と同等の権限を持っていたとみられる。

S氏とは何者か。フリーランス記者が話す。

「同一人物かは未確認ですが、演説会場にもよく姿を見せたSを名乗る有名な支持者の男性がいます。陣営に近いようで、投開票日の11月17日には斎藤氏の選挙事務所で10脚程度しか用意されなかった支援者用の席に座っていました。すぐそばには折田楓氏もいました」

斎藤氏の選挙戦は、SNSの4つの公式アカウントを「管理・監修した」と豪語する折田氏や、斎藤氏が中高6年間を過ごした愛媛県にある全寮制の進学校の同窓生グループが手伝っていたことがこれまでわかっていた。(#11)

これに加え、陣営に近いとみられる人物が管理に携わる1500人超のチャットや「責任者」の下で動く400人近いデジタルボランティアの存在が浮かび上がってきた。

選挙で斎藤氏に敗れた前尼崎市長・稲村和美氏の陣営は選挙期間中に2度、後援会のXアカウントが凍結された。稲村陣営は偽計業務妨害容疑で凍結に関与した人物を被疑者不詳のまま後に刑事告訴したが、凍結以前から、SNS空間は斎藤陣営が圧倒的に優位にあったことがうかがえる。

オープンチャットで練られていた印象操作作戦
この巨大オープンチャットでは、

「さいとうさんを支持する人は優しい。さいとうさんを糾弾する人はとんでもなく攻撃的で怖い・・・。このイメージ戦略いけるかと思います」

「連合赤軍のあさま山荘事件の警察が鉄球でアジトを破壊する動画を引き合いに出して稲村派=過激な左派系団体が取り巻きというイメージ戦略で、動画作成の中で引き合いに出してみます」

「話す分でしたら、『らしいですよ』を最後に加えて、盛りに盛った左派系だという話もありかもしれません。」

といった会話が飛び交っていた。斎藤氏のイメージを上げながら稲村氏を過激な「左派」と印象づけるアイデアが交換されていたと言ってもいい。また、斎藤氏を応援する動画の拡散を求める書き込みも多い。

さらに目を引くのが斎藤氏を応援するとして出馬した立花孝志氏に関する書き込みだ。

立花氏は斎藤氏の街頭演説の直前や直後に同じ場所で演説することを繰り返した。演説では、斎藤氏の疑惑をメディアなどに告発した後に亡くなった元西播磨県民局長・Aさん(60)が県幹部に押収された県公用パソコンにあった私的文書の“中身”だというものを口にし、メディアと県議会はこれを隠しながら斎藤氏を陥れたと主張。これが斎藤氏の支持拡大につながったと関係者は話す。(#14)

立花氏こについてのチャットでは礼賛一色で、「立花さんありがとうございます!立花さんがいてくれてよかった」「斎藤さんの為に出馬&暴露下さってますから…細かい不満は、良しとしましょ!こんな事してくれる方は他に居ないのですから」といった書き込みが複数見られる。

それだけではない。選挙戦初日の10月31日には「立花さんの(ポスター)を貼りまくります!」「ひとまず立花さんのポスター貼っておきます」と、斎藤氏の支持者が立花氏のポスター貼りに協力したとの報告が相次いだ。

だが、斎藤氏の支持者が立花氏のポスターをどうやって手に入れ貼ったのか。その理由をうかがわせる同一人物による連投が11月6日にあった。

「立花さんポスター第二弾について NHK等(ママ)に問い合わせしました。第二弾は明日11/7から配られるそうです。(明日からまた選挙区入られるとのことです。)さいとうさんのあと回られるんじゃないかと言うことです。そこでもらうことができます。」

「来られない方は、070-●●●●-●●●●へ(NHK党のポスター関係者)メッセージにて、下記の(住所などの)情報お送りいただければご郵送いたします。」

「第一弾以上に盛り上げて行こうじゃありませんか?」

奥谷氏の自宅前演説も“告示”
立花氏は掲示板用ポスターを2種類作り、選挙期間中に貼り替えている。この2番目のポスターは「元県民局長自殺の真相」と大書したうえで、Aさんのパソコンには「おびただしい数の不倫の証拠写真が保存されており」などと書かれていた。

元県民局長の知人らが「ポスターの記載は大嘘だ」と怒っていたものだが、(#14)このポスターが、斎藤氏の支持者オープンのチャットの呼びかけで貼られたということなのか。

記載された電話番号にかけてみると、都内の印刷会社だという男性が電話に出て、チャットの記載がうそではないことが確認できた。

「選挙初日から、立花さんの演説会場で希望する方にポスターを配布し、電話があった方には発送しました。

ポスターは2種類作り、4000枚ずつだったかな、枚数は今ちょっとはっきりしないけど、だいたい全部なくなりました。最初のポスターは3、4人くらいから欲しいと連絡があったかな。2番目のポスターは10件はいかないくらいの件数で発送したような気がします。発送枚数は2番目のものが合計で500か600枚くらいですね。

ただ大前提として僕は、連絡いただいた方が斎藤さんか立花さんか、どちらの陣営の方かは把握していません」(男性)

これだけではない。立花氏は11月3日、Aさんが告発した疑惑の真偽を調べる兵庫県議会の調査特別委員会(百条委)の委員長を務める奥谷謙一県議の自宅前で街頭演説を行なっている。

奥谷氏は、立花氏がこのとき「家から出てこいよ」「これ以上脅して奥谷が自死しても困るのでこれくらいにしておく」との趣旨の発言をしたとして、これらは脅迫罪にあたるとして刑事告訴している。

この演説の約2時間半前にあたる同日午後0時5分、チームさいとうのチャットには、

「●●(投稿者)“立花候補より 本日最初の街頭演説の場所はこちら! ●●(住所と最寄り駅)百条委員会 奥谷謙一 委員長の事務所前で、街頭演説します!14時30分から 立花孝志は嘘つき政治家を許さない! 近くやから行こ”」

との書き込みがなされていた。SNS上の動画ではマイクで話す立花氏に数十人の聴衆が歓声を送っている。この投稿者や、これを見た人が実際に奥谷氏の家の前まで足を運んだ可能性まであるとみられるのだ。

チームさいとうのチャットは選挙当日の11月17日午前0時に閉鎖された。

直前には「この度は本当に素晴らしい体験と経験をありがとうございました」との書き込みが続いた。なぜ、チャットを閉鎖する必要があったのだろうか。

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