維新県議の処分 問題の根本を直視せよ 2025-2-28 朝日新聞
日本維新の会の地域組織、兵庫維新の会の2県議に共通するのは、自らは選挙で選ばれた議員であるのに、選挙の公正さを傷つける立花孝志氏 に対して、真偽不明の内容を含む情報を提供したことだ。その根本的な問題を直視した処分とは、とても言えない。
斎藤元彦知事らを元県民局長が告発した問題に関し、兵庫維新の会が2県議を処分した。他会派の県議(当時)を「(問題の)黒幕」と記した文書を提供した岸口実氏は除名。告発問題を調べている県議会百条委員会の会合のうち、非公開だった昨年10月下旬の会の音声を録音して渡した増山誠氏は離党勧告とした。
兵庫維新の党紀委員会は岸口氏に離党勧告、増山氏を除名とする意見をまとめ、日本維新代表の吉村洋文大阪府知事もその旨を明らかにしていた。その後の兵庫維新の執行役員会で逆の結論になった。
岸口氏は、立花氏と面会した昨秋には百条委副委員長や兵庫維新の県議団長を務め、出直し知事選では維新系候補の選挙対策本部幹部だった。にもかかわらず、他党の党首で知事選に出ていた立花氏と接触した点が重視された。一方、百条委委員だった増山氏 は県議会の規則違反を問題視されたが、岸口氏のような役職にはなく、処分に差がつく一因となったようだ。
政治家への処分は一般に、様々な要素が考慮される。としても、増山氏の処分内容には疑念を禁じ得ない。
立花氏は、知事選で自らの当選を目指さず斎藤氏を応援する「2馬力選挙」を展開。党首を務める政治団体は昨年の東京都知事選で、選挙ポスター枠を実質的に販売した。抜け穴をついて選挙の根幹を揺るがす人物に連絡し、その発信力に期待して情報を流す行為は、選挙を自らの基盤とする議員として許されない。
増山氏が提供した音声データには、元県民局長の社会的評価をおとしめるプライバシー情報が含まれていた。氏は「県民の知る権利を考えた」「信用を落とそうとの意図は なかった」と述べたが、知事選では党の方針と異なり斎藤氏を応援した。データ提供もその一環だったのでは、との見方は根強い。
維新の吉村代表の発言も、理解に苦しむ。「ルール違反は許されない」と増山氏を批判する一方で、処分の前に続き決定後も「兵庫県民に伝えたいという思いはわからなくもない」と発言した。
自らも選挙で選ばれた首長として、選挙を土台とする政党の代表として、増山氏の行動を容認するのか。明快な説明が、強く求められる。
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民主主義は手続きであるから、四角い豆腐を丸い器の上で処分するような、不具合なこととなり、しかも時期的に一歩も二歩も遅れて、人々の気分も嫌悪感が支配するころに対策が練られる。
実に下らないことだ。普通に誠実に生きている人々の感情を大いに踏みにじるものだ。
ぜひ、適正手続きの範囲内を守りながらも、知恵を出し合い、早急に、時代の流れに遅れないように、対策したいものだ。
新しい道具に対応するには、法律はどうしても遅れるのだと言い訳があるが、今後はさらに急速な変化が予想されるのであるから、せめて、ある程度遅れずに対策できる仕組みを制定しておきたいものだ。
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だいたいが、お上品な人が多すぎて、野蛮人に蹂躙されるがままになってしまう。
最近では野蛮人の系譜についても、地下茎が姿を現しつつある。
上品な人たちもここは蛮勇をふるって、社会を守る必要がある。
上品な階層は、ややもすると静かに争わずに生きていたいと思うものだ。
しかしそのような態度が、今回のような問題の素地になる。
上品な階級も、場合によっては毅然と獰猛になり、社会の善を守る勢力となる必要がある。
上品な階級が怠惰になってはいけない。
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小選挙区になって、本当は自民党選出の政治家になりたいけれど、空きがなかなか出ないから、空きがある政党から出たいと思うのだろう。劣化の始まりである。