教育制度 評価はいかにして可能か

 少子化が進んでも日本社会が一定の水準を保つために、大学に何ができるのか。今後の課題や政府の取り組みについて提言する答申を、中央教育審議会がまとめた。

 答申は、人数と各自の能力をかけあわせた「知の総和」を増やす目標を掲げた。

 大学進学者が今後急減するなか、学生集めに苦労する大学に再編・統合や規模縮小なども促しつつ、地域や社会に必要な大学を残すための方策も提言する。それでも学生は減るため、強調したのは教育や研究の質向上の重要性だ。

 そして、質を保証するための評価制度の抜本的な見直しにも踏み込んだ。これが機能するかがカギを握る。今まで何が問題だったのか、余す所なく検証するとともに、大学に本来求められる役割を損なわないためにどうすればいいのか考えながら、精密に制度設計することが求められる。

 大学などは7年に1度、国が認証する機関に、教育・研究の内容や定員充足率、財務など全体状況のチェックを受ける。規制緩和で大学を設置しやすくした代わりに、2004年度に導入された認証評価制度だ。評価機関が定める基準への「適合」「不適合」の結果が公表されるが、制度が複雑で意義がわかりにくく一般の認知度は低い。

 大学が自らの問題点に気づき、改善につなげる効果は見られた。一方で、五つある評価機関ごとに基準が異なり、「適合」後に閉学を発表する大学があるなど、結果の信頼性を疑問視する声がある。教員が準備で研究時間が削られ「評価疲れ」も指摘される。

 答申は、大学全体ではなく学部ごとに評価を行い、結果も数段階で示すことを提案。教員数など数字で表せることや、学生の力をどのくらい伸ばせたか、といった点も判断材料にするよう求めた。

 文科省は今後、中教審で新たな制度の検討に入る。国との距離感で結果が左右されないよう、第三者機関が実施主体となることは譲れない。別種の評価と項目を共通化するなど、大学の負担を軽くすることも不可欠だ。

 結果の公表方法も改善が必要だ。答申が提案する通り、受験生を含む社会が共有し活用できるように、大学同士を比較できる仕組みは実現させたい。それには、各評価機関の基準をできるだけそろえる必要もあるだろう。

 制度の信頼を高めるため、大学関係者による「お手盛り」調査と見られない工夫も欠かせない。高校や自治体、産業界など様々な立場の視点からの意見も参考に、入念に設計を進めてもらいたい。
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教育をどうするかは大きな問題である。矛盾がたくさんある。
経済的余裕がなければ教育を充実できない。教育が充実できなければ将来の経済的余裕もなくなる。
短期の効率を優先すれば、長期の成果が犠牲になる。
現在の教育の荒廃は過去の教育政策の結果である。
どの教育機関にどれだけの予算を回すかをだれが決めるのか。それだけでも解決不能な難問だ。
研究の面でいえば、ある程度自由にやってもらうしかないと考えたとすれば、緩い規律に寄生する人員が際限なく増える。
どのような人材を目標とするのかと考えれば、ますます多様になって、教育コストは増加する。

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