心理療法教科書 フロイト 0/3 目次

1.0 概要

1.1 この章の目標

2 基本概念

2.0基本的な理論的概念

2.1 無意識

2.2 精神力学 Psychodynamics

2.3 精神力動心理療法

2.4 防衛

2.5 転移

3.0 基本的な臨床概念

3.1 自由連想

3.2 治療的傾聴

3.3 治療的対応

3.4 夢の解釈

3.5 共感

3.6 治療同盟

4.0 その他のシステム

4.1 無意識の心

4.2 転移

4.3 幼少期の経験の役割

4.4 共通要因

5.0 歴史

5.1 先駆者

5.2 始まり

5.3 ヒステリー研究 (1895)

5.4 臨床経験と進化する技術

5.5 夢の解釈 (1900)

5.6 心の構造

5.7 リビドー理論

5.8 ナルシシズムについて (1914)

5.9 自我とエス(1923)

5.10 フロイトを超えて

6.0 現状

6.1 臨床概念の変化

6.2 精神力動的心理療法

6.3 研究と新しいアイデアの取り入れ

6.4 精神力学的診断マニュアル

6.5 精神分析のトレーニング

6.6 精神分析組織

6.7 精神分析ジャーナル

7.0 性格

7.1 性格理論

7.2 防衛機構

7.3 文化と発達

7.4 初期の関係

7.5 対象関係

7.6 自己心理学

7.7 愛着と人格の発達

8.0 さまざまな概念

8.1 防衛機構

8.2 一次プロセス思考と二次プロセス思考

8.3 夢の解釈

8.4 臨床研究の概念

8.5 中核対立関係テーマ法 (CCRT)

9.0 心理療法

9.1 心理療法の理論

9.2 精神力動的心理療法における変化

9.3 精神分析と精神力学的治療

9.4 精神分析法の目的

9.5 精神分析の多様性

9.6 心理療法のプロセス

9.7 ダイナミック サイコセラピーの段階

9.8 オープニング段階

9.9 導入段階

9.10 治療の要素

9.11 サポート関係

9.12 表現的作業

9.13 探求を深める

9.14 終了段階

10.0 心理療法のメカニズム

10.1 治療関係

10.2 探索的作業 (The Exploratory Work)

10.3 転移とCCRT

10.4 症状と症状コンテクスト法( the Symptom-Context Method )

10.5 変容

11.0 アプリケーション

11.1 私たちは誰を助けることができますか?

11.2 ストレスと苦痛 (Distress)

11.3 パーソナリティ障害

11.4 応用範囲

11.5 子どもと家族の治療

11.6 治療の組み合わせ

12.0 治療

12.1 精神分析の状況

13.0 エビデンス

13.1 心理療法の研究

13.2 エビデンスに基づく実践

13.3 効果的な心理療法

13.4 精神力動の概念と方法のエビデンス

13.5 短距離走者と長距離走者

14.0 多文化世界における心理療法

14.1 精神分析の文化的前提

14.2 文化の違いと精神分析の概念に関する研究

14.3 非言語行動の違い

14.4 精神分析法と文化的意味

15.0 ケース例

15.1 精神分析セッション

15.2 衝動理論と関係理論

15.3 CCRT のレンズを通して見る

16.0 要約
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フロイト的世界は、実際は、現在はあまり重要ではない。いろいろな立場の人がいると思うけれど、私は個人的には、ヒステリー研究と無意識の話と、防衛機制と、それくらいが大事な部分かと思う。
夢を使って無意識にアプローチするとか、その後のいろいろは、なんだか思弁的すぎて、あまり重要ではない。
文献学者は、フロイトが理論がどのように変化したとか、概念がどのように変化したとか、そんなことを切密に学問しているようで、それはそれで驚嘆する。でも、それを参考にしたからと言って、治療が上手くなるわけでもないだろうから、趣味の世界だろう。

この文章は、なぜだか気になって、何度も見直していて、しかし最初だけ読んで、あとは流している。こうして再度構成を見直してみても、たいへんすっきりしない構成になっていて、どうしたことだろうと思う。
まずこの教科書は、実際もう古いのもなので、探求する価値もあまりないと思うのだが、教科書の企画としては、フロイトとかユングとか瞑想的とか統合的とか、代表的な心理療法の流派を項目として立てて、基本概念、性格理論、治療技法、文化的影響などといったように、共通の枠を決めて、執筆してもらう。この教科書の執筆者は当時の第一人者ばかりで豪華だ。このような構成にしておくと、各治療において、性格理論を比較するとか、治療技法を比較するとかがとても簡単にできる。比較表のようなものが素早くできる。こんな風に学部段階で広く浅く勉強して、自分としてはどれが気になるかなと考えて、大学院段階で、各技法のどれかに集中すればよい。

そういう企画はよく分かるのだが、このフロイトの項目に関しては、3人の共著になっている。共著教科書は往々にしてお互いの調整がうまくいかないことがある。結果として、話題が分散して登場して、どうなっているのかなと思うこともある。
しかしこの教科書の使い方として、性格理論を比較しようという人に対して、一応最低限の知識を提供しようと思うので、一応防衛メカニズムを説明したりするが、防衛メカニズムは基本概念でも、治療理論でも、説明する必要があるので、説明が複数個所に出てきて、分散してしまう。
そのような事情なので、複雑に重複がある。それはそれで仕方がない感じだ。

この文章の筆者であるルボルスキーは、中核対立関係テーマ法 (CCRT)で有名だった人で、その説明があるのも魅力的なのだが、深い説明にはなっていない。ルボルスキーの著作は翻訳も出ているので勉強しやすいが、いまさらそんな本を開く人もいないだろう。趣味の領域である。個人的には面白いものだと思うけれど、現在では特に強調しなくても、共通の認識と言うか、常識的な知識になっていると思う。世界は進歩している。

日本語で読みやすくしようかなと思って始めるのだが、だんだん頭が英語脳になって、あまり日本語にこだわらなくても、この言葉は英語だとこれだろうなと推定できれば、そんなに厳密に翻訳しなくてもいいかなと思ってしまう。
自動翻訳はだいぶ進歩していて、昔やった自動翻訳に比較して、随分わかりやすい日本語になっている。なぜかは知らないが、同じ英単語だけれども、登場する場所によって日本語が揺れている。たとえば治療同盟とか。統一してもいいけれども、いずれにしてももとの英語が分かる人にしか意味は分からないだろうから、厳密に日本語を統一する必要もないと思う。
もっと短ければ分かりやすい日本語にする気力もでるだろうけれども、ある程度量があるので、面倒になる。それに3人の著者がそれぞれどう考えているかの問題もあるかもしれないと思う。

またしばらく時間がたってから自動翻訳すれば、ますますわかりやすい日本語になっているだろうと期待している。

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