死の不安と性の衝動を並べてみる。どちらも強力である。
若いころは性衝動の方が強いから、死の不安を忘れていられる。
年を取るにつれてリビドーは弱くなり、死の不安が強くなる。
死の不安と性の衝動はどちらも人間の意識を強く支配するものであるが、年齢により、どちらが優位になるか、違いがある。ただそれだけではないか。
若いころに性衝動が優位になり子供ができて子孫を残す。そのようなタイプの遺伝子が増えてゆく。それもまた明白なことだ。
死の不安が強すぎて耐えられず、いっそのこと死んでしまいたいと思うこともあるだろう。