meritocracy 能力主義

meritocracy 能力主義

能力主義のメリットとデメリット

メリット

  1. 個人の成長を促進する
  • 能力主義は、個人の努力や才能に応じて評価や報酬を与える仕組みです。そのため、自己成長やスキルの向上を目指すモチベーションが高まります。例えば、スポーツ選手が優れた成績を残すことで賞賛されるのと同じように、学業や仕事においても努力が報われることで、さらなる努力をする意欲が生まれます。
  1. 公平な競争環境を提供する
  • 能力主義は、出身地や家庭環境に関係なく、全員に平等なチャンスを提供します。努力や能力次第で成功を収めることができるため、真の実力主義が実現されます。例えば、学力テストやスポーツの試合など、公平な基準で評価される場面では、能力の差がそのまま結果に反映されます。
  1. 組織の効率性を向上させる
  • 能力の高い人が重要な役割を担うことで、組織全体の効率が向上します。適材適所の原則に基づき、最適な人材が適切な役割を果たすことで、業務の効率化や成果の向上が期待されます。例えば、企業でのプロジェクトチーム編成時に、それぞれのメンバーが得意分野で活躍することで、プロジェクトの成功確率が高まります。

デメリット

  1. 競争の激化とストレスの増加
  • 能力主義の環境では、常に他者との競争が求められ、その結果として強いストレスが生じることがあります。特に、成績や評価が直接報酬に結びつく場合、プレッシャーが大きくなるため、精神的な負担が増加します。例えば、受験生が高い成績を求めて過度な勉強を続けることで、健康を害することがあります。
  1. 能力差による不平等の拡大
  • 能力主義は、能力の高い人がより多くの報酬を得る一方で、能力の低い人が不利な立場に置かれる可能性があります。そのため、経済的な格差や社会的な不平等が拡大するリスクがあります。例えば、高収入の職業に就くためには高い学歴が必要とされる場合、経済的な理由で教育を受けられない人々は機会を奪われることになります。
  1. 人間関係の希薄化
  • 能力主義の競争環境では、個人の成績や評価が重視されるため、他者との協力や助け合いが疎かになることがあります。結果として、人間関係が希薄になり、孤立感が強まることがあります。例えば、職場での評価が個人単位で行われる場合、同僚との協力が減り、孤独感を感じることが増えます。

デメリットを軽減する対策

  1. メンタルヘルスサポートの充実
  • 競争によるストレスを軽減するためには、メンタルヘルスのサポート体制を充実させることが重要です。例えば、学校や職場でのカウンセリングサービスを提供し、定期的なメンタルヘルスチェックを行うことで、早期にストレスを軽減する対策が取れます。
  1. 多様な評価基準の導入
  • 能力だけでなく、努力や協力などの多様な要素を評価する基準を導入することで、能力差による不平等を軽減できます。例えば、学校の成績評価において、テストの点数だけでなく、日々の努力やグループ活動の成果も評価することが考えられます。
  1. 協力を促進する制度の整備
  • 競争だけでなく、協力を促進する制度を整備することで、人間関係の希薄化を防ぐことができます。例えば、職場でのチーム評価やグループ活動の奨励、共同プロジェクトの実施などが有効です。また、学校でもグループ学習や協力活動を取り入れることで、生徒同士の絆を深めることができます。
  1. 教育機会の均等化
  • 能力主義による不平等を軽減するためには、全ての人に対して平等な教育機会を提供することが必要です。例えば、経済的に困難な家庭の子供にも質の高い教育を受けさせるための奨学金制度や、無料の学習支援プログラムの導入が考えられます。

結論

能力主義は、個人の成長や組織の効率性を向上させるメリットがありますが、競争の激化や不平等の拡大、人間関係の希薄化などのデメリットも存在します。これらのデメリットを軽減するためには、メンタルヘルスサポートの充実、多様な評価基準の導入、協力を促進する制度の整備、教育機会の均等化などの対策が重要です。これにより、能力主義のメリットを活かしつつ、デメリットを最小限に抑えることができるでしょう。

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メリトクラシーは、一見公平に見えますが、実際には既存の不平等を主張し、永続させてしまう危険性があります。以下にその理由を挙げます:

  1. 出発点の不平等:人々が生まれた環境や家庭の経済状況が異なる。裕福な家庭の子どもは、より良い教育や機会にアクセスしやすく、結果として「能力」を伸ばしやすい環境にあります。
  2. 文化資本の差: 特定の社会階層で価値のある知識、行動様式、文化的嗜好などの「文化資本」は、メリトクラシー社会でも有利に働きます。これらは往々にして特権階級で継承されやすいものです。
  3. 社会的ネットワークの影響: 高い地位にある人々のネットワークは、情報や機会へのアクセスを容易にします。これは能力以外の要因で成功の可能性を高めます。
  4. 自己強化サイクル: 一度成功した人はさらなる機会を得る、不利な立場の人はさらに機会を失うという循環が生まれます。
  5. 能力の定義の偏り: 何を「能力」と見なすかは、往にして既得権益層の価値観に基づいて定義されるものです。これにより、異なる背景を持つ人々の才能が過小評価される可能性があります。
  6. 構造的差別の見過ごし: 個人の努力と能力のみに焦点を当てることで、社会に存在する構造的な差別や不平等が無視される。

これらの要因により、メリトクラシーは表面上は公平に見えながら、実際には既存の社会階層や特権を維持・強化する仕組みとして機能してしまう可能性があるのです。

この問題に対処するためには、機会の平等に参加するための積極的な政策、多様な「能力」の評価、社会的流動性を高める施策などが必要となります。また、メリトクラシーの原則によって否定するのではなく、その長所を活かしつつ、公平性と包摂性を高める方向で制度を設計していく必要があります。

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能力主義が、社会の深層にあるシステムの問題を覆い隠してしまう問題。
豊かになれないのは怠け者だからだと断定する前に、考えるべきことがある。

  • 性差別
  • 経済的格差
  • 教育機会の不平等
  • 障害者に対する社会的バリア
  • 文化的・言語的マイノリティの不利益

これらの前提を無視して、個人の能力と努力のみに焦点を当てることがあります。
その結果として、次のようなことが起きます。

  • 真の機会の平等が実現されない
  • 特権を持つ人々がさらに有利になる
  • 社会的不平等が強化・永続される
  • 才能ある個人が不当に評価されない可能性がある

例えば、学歴を重視するメリトクラシー社会で、経済的理由で良質な教育を受けられなかった人が、能力があるにもかかわらず評価されにくいケースなどが挙げられます。

メリトクラシーを改善するには、これらの体系的な障壁を改善、排除する必要があります。

しかしながら既得権益層にとって、これは難しい。特権を自ら手放す人はいないでしょう。

現実社会では、既得権益層が自分たちの子供などに特権を継承していけば、衰退がはじまることは避けられません。そこで、外部の優秀な人材を自分たちの内部に取り込む方策を取ります。会社としてならば、ポジションを与えるし、家系としてならば、婚姻を利用したりするわけです。

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隠然として体系的な障壁といえば、現在の日本社会には大きな障壁があります。

「要望書」によって、日本の方針の根本が米国から与えられます。そこに民主主義はありません。
投票権がないのに、税金も、法律も、軍事方針も、外交も、頭ごなしに決定され、押し付けられます。

自民党政権はそれを一つずつ着実に法律にしていきます。できないときは閣議決定で、なし崩し的に既定路線としてしまいます。

日本人に投票権が与えられれば、アメリカの人口と対比して、かなり大きな割合になるので、無視できないはずなのですが。日本がアメリカの州の一つになるなんて簡単にできるはずはありませんから、ぼやきでしかないですが。戦勝国はいつまで支配をつづけるのでしょうか。敗戦国はいつまで支配され続けるのでしょうか。

確かに、アメリカの大学や研究機関は予算が潤沢で、世界から人材を集めています。最近では中国人やインド人の名前も目立ちますし、それ以外の国の名前も見えています。断トツの世界一の軍事力を背景に、先進研究は世界一、基軸通貨もアメリカドル、そうした状況では日本の立場もやむを得ないとの見方もあり、そこで無理な・非現実的な意見をしても無駄であるというのも分かります。

しかし、自分にも投票権があることについて、従うのは分かりますが、投票権がないままに決定されて、それに従うのは、納得できないというのが素直な感想ではないでしょうか。

アメリカでボストン茶会があり、投票権がないのに税金を課せられるのは不当だと立ち上がり、独立戦争の結果、アメリカは独立を勝ち取ったわけです。

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こうしてみると、日本社会の利益と、政治家の利益は一致しないんですね。日本を売って、アメリカに利益をもたらせば、日本の政治家としては栄達できる。

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憲法があるんだから、そんなわけにはいかないだろうという意見は当然あります。しかしまた、例えば、日本国憲法と、日米安保条約が矛盾しているとき、どうなるのかという問題があります。素人的には、日本国は日本国憲法の条文に従い、外国との条約も決めるわけですから、憲法に反する条約は調印してはいけないし、反したまま放置されているなら、まずは条約を変えなければならない。そうでなければ、憲法を変えなければならない。

国民は今の憲法で困っていない。困っているのはアメリカの軍産複合体です。

そこの説明を、アメリカは日本国民に対して説明して納得を得ようとしない。民衆には詳細を知らせないで、政府要人をどのようにしてかはよく分からないが、うまくコントロールして、何でもやってしまう。

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印象的だったのは、普天間問題で、昔の沖縄県知事が東京に呼ばれたことがあった。沖縄県民にとっては普天間移設は長い間の念願だ。県知事もそのことはよく理解していて、なんとか政府側に理解を求めたいと思っていたところかと思っていた。ニュースでは、県知事が会見に臨み、憔悴しきったような全身の表情で、政府の意見を聞くしかないというような意味の発言をするに至った。あの長時間の話し合いで何が話されたのか、沖縄の民意を説得する努力はせず、知事をコントロールしてしまう力は何なのか。

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