核心葛藤関係テーマ法(Core Conflictual Relationship Theme Method, CCRT)

核心葛藤関係テーマ法(Core Conflictual Relationship Theme Method, CCRT)

この方法では、患者が他者との関わりについて語るエピソード(「関係エピソード」) の中に繰り返されるパターンをセラピストが聞き取る。その中には、セラピストへの反応も含まれる。このパターンが 「葛藤的(conflictual)」 とされるのは、多くの場合、患者の反応が本来の自己の願望と対立しているためである。

CCRTの各パターンは、次の3つの要素で構成される。

・願望(W: Wish) …明示的または暗示的に表現される

・他者の反応(RO: Response of Others) …現実または予測された反応

・自己の反応(RS: Response of Self)

一般的な願望としては、「愛されたい」「尊重されたい」「受け入れられたい」 などが挙げられる。

この方法を用いることで、患者は 「同じ関係のパターンに囚われることなく、新たな反応を選択できるようになる」 のである。

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転移とCCRT(核心的葛藤関係主題)

過去の関係で繰り返し経験した深いパターンが、現在の生活においても表れる。ちょうど、森の中に足跡をつけて道を作り、それを暗闇の中でたどるように、人は無意識のうちに「これまでの関係のパターン」を繰り返してしまう。この転移を分析することは、ちょうどランタンを手にするようなものである。

人は、1つまたは複数の中心的なパターンを持つ傾向がある。

患者のCCRTを理解する際、治療者は「領域の収束(convergence of spheres)」を探す。

この用語は、CCRTのテーマが、患者の人生の3つの基本領域すべてに共通していることを指す。

その3つの領域とは、

・現在の人間関係

・過去の人間関係

・治療関係

である。

現在と過去の関係は、通常、

過去の家族との関係

現在の家族または親しい人との関係

を指す。

患者と治療者が、このパターンが現在の生活にどのように影響を与えているかを理解するにつれて、その影響を変えることが可能になる。

しかし、臨床実践では、患者に過剰に解釈を与えないことが重要である。

そのため、治療者は通常、患者が話しているトピックに関連する1つの領域だけを取り上げる。

治療が進むにつれて、患者は各領域のつながりを意識しやすくなる。

パターンが明確になれば、異なる領域を結びつけて理解する準備が整う のである。

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CCRTは、転移を操作的に定義したもの

患者の異なる人間関係の語りの中に、同じCCRTパターンが見られる。患者のセラピストとのCCRTパターンと、患者の他者とのCCRTパターンの間には平行性がある。CCRTに基づく解釈は、自己(RS)と他者(RO)に関する習慣的な反応を明確にする際に有益である。

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