精神分析的方法の理論的根拠(Theoretical Reasons for the Psychoanalytic Method)
1. 症状として偽装されていた内的な問題を明らかにする
庭のホースを取り替えても水質の問題は解決しない。問題の根本を解決する。
症状に表現される意味を理解するために、最初はランダムで無関係に思えるようなあらゆる素材を治療の場に受け入れる。
→表出的作業(Expressive work)、症状文脈法(Symptom-Context method)
2. 統合された自己(integrated self)を確立する
内的葛藤(intrapsychic conflict) においては、自己の異なる部分が対立する。
「葛藤を乗り越える(working through the conflict)」 ことによって、
自分の中にある「嫌悪感を持つ部分」を認識し、行動ではなくセッションの中で表現できるようになる。
次の課題として、自己の両方の部分にとって機能する解決策を見つけることが求められる。
これは、痛みやフラストレーションを伴う古い感情を手放すことで、行き詰まりが解消される場合や適応の仕方が変わる場合(例:授業ではなく、アラスカで1学期を過ごすことを決める学生) に見られる。
→自由連想(Free association)、葛藤の乗り越え(working through)、CCRT
3. 過去に埋め込まれた痛みが現在に影響を及ぼしている原因を明らかにする
「過去の力が現在に影響を及ぼす」
幼少期にネグレクトや虐待を受けた母親たち。彼女たちの赤ちゃんは、生まれた瞬間から「ネグレクトの再現」 を受けることになった。母親たちは、赤ちゃんの泣き声に反応することができなかったのだ。
→初期の記憶(Early memories)、治療者の共感(therapist’s empathy)、症状文脈法(Symptom-Context method)
4. 自己のために適切な行動を取ることを妨げる要因を明らかにする
→転移(Transference)、CCRT