瞑想療法メモ 02 発達の段階
発達の段階
前個人的(Prepersonal) 前慣習的(Preconventional) – 生まれたばかりの段階。- まだ明確な「自己」の感覚や社会的なルールを理解していない。
個人的(Personal) 慣習的(Conventional) – 成長とともに文化に適応し、「自己」の感覚がはっきりしてくる。- 社会のルールを受け入れ、自分や世界に対する「普通の」見方を持つようになる。
超個人的(Transpersonal) 脱慣習的(Postconventional) – これまでの「自己」の枠を超えた理解ができるようになる。- 精神的な成長が進み、より深い洞察や意識の変容が起こる。
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これまで、私たちの発達の可能性は 「個人的(慣習的)」な段階が最終到達点 だと考えられていました。しかし、瞑想的実践は、さらに高い 「超個人的(脱慣習的)」 な発達が可能であることを示唆しています。
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「普通の発達」の限界についての見解
アジアの瞑想的心理学では、普通の心の状態を「幻想(illusion)」と呼びます。
一部の西洋の心理学者は、それを 「集団催眠(consensus trance)」や「共有された催眠状態(shared hypnosis)」 と表現します(Tart, 1986)。
実存主義者(エグジステンシャリスト)は、普通の生き方は 表面的で、防御的で、本物ではない と考えています。
例えば、文化の価値観を深く考えずに受け入れたり、流行を疑問を持たずに追いかけたり、自分や人生についての深い問いを避けたりすることがあります。
その結果、多くの人は 「群衆心理(herd mentality)」に従って生き、人生を十分に生ききれていない といわれます(Yalom & Josselson, 2010)。
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「常識的で、適応していて、社会にうまくなじんでいる普通の人間は、人間の本質の深い部分を 拒絶し続ける ことで適応している」
アブラハム・マズロー
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ヨガの考え方:「あなたはまだ完全に成長していない。発達していない部分があるのは、それに注意を向けてこなかったからだ」
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私たちはまだ「半分しか成長していない」
「私たちはまだ半分しか成長しておらず、半分しか目覚めていない」
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発達は 「前慣習的(preconventional)」→「慣習的(conventional)」 へと進みます。
しかし、多くの人は 慣習的な段階(普通の大人)に到達した時点で、無意識のうちに成長を止めてしまう のです。
しかし、さらなる成長は可能 です。私たちの普通の心理状態は、集団的な「発達の停滞」ともいえます。
成長は 「普通の状態の上限を超えて進むことができる」 のです。
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●超越的なことなど一言も言わないのに、そして世間的には全く目立たず、しかし覚醒した人間として生きている人がいる。いいことだ。