瞑想療法メモ 25 純粋な意識(ピュア・アウェアネス)
「真の本質」「純粋な意識(ピュア・アウェアネス)」
瞑想やヨガの訓練を続けることで、次第に自己と他者の境界が薄れ、最終的には全人類や世界全体と一体であると感じるようになります。この究極の境地では、すべてとつながっているという感覚が生まれ、自然にすべての人やものに対する愛や思いやりが生じます。
また、瞑想を深めることで、自分の心の奥底へと意識が向かいます。これは、自己概念(セルフ・コンセプト)や、それを構成する思考やイメージを超えて、さらにユングが提唱した「元型(アーキタイプ)」の層すらも超えるものです。そして、その奥底で私たちが発見するのは、私たち自身の「真の本質」です。
この「真の本質」とは、思考やイメージ、感情といった心の中の内容ではなく、それらを見つめる「純粋な意識(ピュア・アウェアネス)」のことを指します。さまざまな瞑想の伝統では、この純粋な意識を以下のような言葉で表現しています。
マインド(Mind)
オリジナル・マインド(Original Mind)
スピリット(Spirit)
自己(Self)
アートマン(Atman)
仏性(Buddha Nature)
道(Tao mind)
これらの伝統では、自分の本質である「純粋な意識」に目覚めることは、非常に至福(しふく)に満ち、どんな快楽よりも深い喜びをもたらすとされています。インドの偉大なヨギ(ヨガ行者)の一人であるシャンカラは、この体験をした後に次のように述べています。
「この喜びは何なのか? これを測ることはできるのか?」
「私はただ喜びを感じている。限りなく、果てしなく!」
「私はアートマン(真我)の喜びの中にいる。」
「これこそが、あらゆるヨガの重要なメッセージである。
幸福は私たちの本質であり、私たちが求め続ける幸福は、
本当の自分を知ったときにのみ満たされる。」
●物質文明に生きて忙しい人はどうすればいいか。