マインドフルネス30 一次感情と二次感情の違い
一次感情と二次感情の違い
心理的な苦しみの大きな原因の一つは、「二次的な感情反応(secondary emotional reactions)」です。
一次感情(primary emotions)
生まれつき持っている、自然な感情反応。
何の判断もなく、純粋に状況に対する反応として生じる。
二次感情(secondary emotions)
一次感情に対して「反応」することで生じる感情。
過去の経験や考え方の癖に影響を受ける。
大切な人を失う→悲しみ、失望、喪失感→「こんなに悲しむのは弱い証拠だ」と思い、恥ずかしさを感じる
危険な状況に直面する→不安、恐怖→「怖がるなんて情けない」と思い、怒りを感じる
価値観に反する行動をする→罪悪感、恥ずかしさ→「自分は最低の人間だ」と自己否定する
マインドフルネスでは、「今、この瞬間の感情や状況に気づくこと」が大切です。
「判断すること」や「現実を受け入れないこと」が二次感情の原因になる
例:「私はこんな感情を持つべきではない」と思うことで、さらに苦しみが増える。
自分の感情をありのままに観察することで、一次感情に素直に反応できる
例:「私は今、悲しいんだな」とそのまま受け止める。
一次感情に正直でいると、周りの人も共感しやすくなります。例えば、
自分が悲しいと認めると、周りの人も慰めや励ましをしやすくなる。
怒りのような二次感情ではなく、一次感情を伝えることで、相手とより良い関係を築ける。
マインドフルネスの実践を通じて、二次感情ではなく一次感情を大切にすることができるようになります。
ネガティブな感情や批判的な思考が出てきたとき、それを「合図」として使う
その瞬間に「気づく」ことで、注意を今の状況に向け直す
自分の感情を観察し、「今、自分は何を感じているのか?」と整理する
このようにして、二次感情が生じそうになったときに、それに巻き込まれずに済むようになります。
例えば、「イライラする!」と感じたときに、「あ、今のイライラは本当はどんな気持ちから来ているのか?」と立ち止まることで、より素直な感情(一次感情)を感じることができます。
一次感情を大切にすることは、回避的な行動(逃避)を防ぐことにもつながります。
一次感情を受け入れることができれば、逃避行動に頼る必要がなくなります。