実存主義でいう究極的な関心事(ultimate concerns)
死、自由、孤独、そして意味
これらを哲学で考えるとしても、哲学は難解で、十分に回答しているとは言えない。
人間の歴史では、この究極的な関心事についての考察は、宗教の領域で話されてきた。
死について考えるとき、死後の世界を構想してきた。説得力のある死後の世界。
死後の世界には、現実世界のリーダーよりももっと強力なリーダーが存在する。時間が経てば、それは神と呼ばれるものになる。
人間が集団で生きていれば、自分の不得意な事柄に関しては、得意な人に任せることもなる。合理的な分業である。
そのようにしてリーダーが発生する。
リーダーについていけば、危機の時には助けてもらえる。食料や水が足りないときには、何とかしてもらえる。
誰から危害を加えられそうになった時も、リーダーに助けてもらえる。
肉体的にも知的にも優れたリーダー。その延長に神がある。神を中心とした死後の世界を空想すれば、現在の世界より数倍優れた世界を構想できる。
しかしそのような、実体のない世界は空想でしかない。それでも、死を慰める死後の世界の構想を納得してもらうには、そのくらいしか方法はない。現世と来世を考えて、魂は行き来している。