実存メモ27
実存療法(Existential Psychotherapy)の考え方
「意識的に、目的を持って生きること」が重要である。
人間は、絶対的な自由と選択の中で、自らの可能性と限界を意識しながら生きる。
この視点から見ると、「死」は人生を豊かにするものといえる。
しかし、確信は持てないはず。
利他主義は、強力な解決策である。経済的、肉体的に余裕があるなら、利他主義は良い解決である。
群生動物としては良い戦略である。
隣人愛もよい。
隣人愛は、自分の愛したい人を隣人とするのではない。
偶然隣人になった人を、「強制的にでも」愛するのである。
そこには選択はない。だからこそ強力で有効なのである。
数学的帰納法の論理で、一か所で、「強制的隣人愛」が始まれば、全ての人間が、愛し合うようになるはずだ。
しかし現実には、隣人になったとしても、その人は私が愛するには値しないと判断して、愛さない理由を心に抱いてしまう。そこで愛は消えてしまう。
自分が他人にして欲しくないことを、自分は他人にしない。これもよい。
自分が他人にされて嫌だと思うことは、自分が他人にしない。
神が人を愛してくれた。だから、自分も隣人を愛する。これもとてもよい。
神が隣人を選んで与えたのである。