コラージュ療法
○方法
材料‥‥雑誌の切り抜き、写真、針金、なんでも。
ポストイットを使えば、自由に動かせる。
・場面設定‥‥一人、患者同士、治療者と、家族と。治療室で、オープンルームで、家庭で。
・家で一人でコラージュをして、治療に役立つか?→恐らく治療に役立つ。内的イメージ連関の再構成。
○臨床的意義
・診断‥‥病像との関連、経過との関連
・治療‥‥何が治療的か→芸術療法一般と重なる
○絵画、箱庭との関連
技術 | イメージの多様性 | 道具 | ||||
イメージ | ||||||
絵画 | 必要 | 自分の内部からのみという限界 | 簡単 | 平面 | 内的 | |
コラージュ | 中間 | 多種多様の外部イメージ | 簡単 | 多種多様大量のイ メージ | ||
箱庭 | 不要 | 乏しい | 必要 | 立体 | 外的 |
イメージの量・質が圧倒的である。
○自分の内部からのものは
・自由度が高いので安心・非侵襲的→治療の方向としては、自由度の低いものから次第に自由度の高いものに移行し、高い自由度に耐えられるように導く。
・
○コラージュの有利な点
・多種大量の外部イメージを利用できる。
・絵画と箱庭の中間点に位置し、両者の欠点を補う地点にある。
・コラージュの独自の意義
箱庭の「家」は、脱色された抽象的な「家」であるが、コラージュの「家」 は、もっとたくさんの具体的なイメージを背負っている。それらのアイテム を結合することは、たとえば「家」と「時計」とを結合するにとどまらず、 それらのアイテムがたっぷりと乗せている付随的イメージを結合することで もある。このてんがコラージュ療法の豊かさである。 |
・平面であり、馴染みやすく、保存しやすく、持ち運びやすい。
・絵心がなくてもいい。
・偶然の出会いを楽しめる。
○不利な点
・偶然出会うイメージに大きく影響される。
・楽しめるようになるまでは楽しさが分かりにくい。
○より箱庭に近い手法
・アイテムを固定する。
・輪郭だけのアイテムで、色を付ける。
・こうすれば条件を一定にできるので、いろいろなことが分かる。
○治療としての意義
・治療的退行を促す
・自然なイメージ連関の再獲得
・治療者との関係付け→非言語的な通路
・自分を客観視する機会が得られる。→観察自我を育てることができる。
言語とは、流通している言葉や概念を用いて、自分の内部にあるイメージを提出する営みである。言葉を用いることは、コラージュの作業に似ている。
言葉や写真、絵は自然にあるものではない。人の手を経て自分に届いたものである。それを用いて構成する、言葉とコラージュの本質的な類似。
コラージュで用いるアイテムの一つ一つは、言葉と同等である。