情報リテラシー

情報リテラシー
2024年11月は、兵庫県知事問題で報道が続いている。いろいろな側面があるが、知事失職に伴う知事選挙で、当初は劣勢と伝えられていた斉藤氏が、大量のネット戦略と、立花氏の立候補、そして斉藤氏応援となり、立花氏は圧倒的にネット情報を拡散し、斉藤氏はむしろ被害者であり、正義のヒーローであると印象告げられ、知事再選に至る。しかし、再選決定後も事件報道は続き、やむ様子がない。
こんな中で、主張されている意見としては、市民のネットリテラシーが不足しているとのものがある。
怪しい人物が怪しい主張を繰り返したとして、その真偽を冷静に判断する知恵があれば、大量宣伝にも、嘘にも、ペテンにも、負けるはずははないとの意見である。その通りである。
しかし現実は悲観的である。

大手既存マスコミの堕落をsnsは宣伝している。その側面もあると言われている。

しかし、正確な事実を伝え、客観的な報道をするというお題目がもはや不可能であることは、明白だ。
アメリカの報道のように、それぞれが党派色の強い立場でニュースを流すとして、それが市民の幸福になるかといえば、そうでもない。しかしそれしかやりようがない。

政治的には、政治資金規正法の問題、今回の公職選挙法の、時代に即した運用の問題などが論じられている。

しかしネット社会は政治を変質させているばかりではない。
闇バイトがその一例であるし、出会い系サイトが犯罪の温床になっていること、借金で困った男性が闇バイトに向かうとして、借金で困った女性は何をしてしのぐかということ、など、報道の向こうに見えている。

また、医学、病気、治療関係で言えば、ネットの害悪は甚だしい。良い面もあると思うが、悪い面も無視できないほど大きい。
不安をあおれば商売になるのはどの部門でも同じだろうが、健康不安をいたずらにあおることは弊害が大きい。

最近になって論じられているのは、性的違和感を抱く子供が、親の知らない間にネットの中でカルト信者のような状態になり、親も、学校も、医療も、その確信を止められない現象である。主にアメリカで見られている。
小さな違和感をネット世界で大きく育ててしまい、取り返しのつかない結末を迎えるケースがある。
こうした問題も、抽象的に言えば、ネットリテラシーの問題で、個々人が賢くなり、ネットで情報を拡散している人たちの本当の動機は何であり、それをどのように判断していくか、全体のからくりをゆっくり学習している途中なのだろう。

しかし、個々人が賢くなる前に、政治も経済も健康も、大きな打撃を受けている。賢いのは人工知能だけだ。

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