隠遁や脱世俗をテーマにした文学や思想

隠遁や脱世俗をテーマにした文学や思想の書籍

東洋思想・文学

老荘思想(道家)

  1. 『老子』(老子) – 無為自然を説く、道教・道家思想の根本経典
  2. 『荘子』(荘子) – 自然と一体化する思想を詩的に説いた書
  3. 『列子』(列子) – 夢と現実、無為の境地を説く寓話集

禅・仏教関係

  1. 『無門関』(無門慧開) – 禅の公案(問題)を集めた書
  2. 『碧巌録』(圜悟克勤) – 禅の語録・公案集
  3. 『方丈記』(鴨長明) – 自然災害や世の無常を見つめた隠遁文学
  4. 『徒然草』(吉田兼好) – 世俗から距離を置いた随筆

その他の東洋思想

  1. 『山家集』(西行) – 俗世を離れた歌人・西行の和歌集
  2. 『二宮翁夜話』(二宮尊徳) – 質素な生活と自然との調和を説く書
  3. 『南方録』(覚元) – 茶道の精神をまとめた書(侘び・寂びの思想)

西洋文学・思想

古代・中世の哲学・思想

  1. 『隠者の書』(トマス・ア・ケンピス) – 修道生活を説いたキリスト教の書
  2. 『森の生活(ウォールデン)』(ヘンリー・デイヴィッド・ソロー) – アメリカの自然主義的隠遁生活の記録
  3. 『神曲』(ダンテ) – 隠遁的な精神修養としての地獄・煉獄・天国の旅

ルネサンス・近世思想

  1. 『エセー(随想録)』(モンテーニュ) – 孤独を愛し、世俗を超越した随想
  2. 『パンセ』(パスカル) – 人間の悲惨さと超越的真理への憧れ

19世紀・20世紀の文学

  1. 『ヘンリ・ライクロフトの手記』(ジョージ・ギッシング) – 田舎に隠遁した文人の静かな生活を綴る
  2. 『森の生活(ウォールデン)』(ヘンリー・D・ソロー) – 自然の中でシンプルに暮らす実践的な哲学
  3. 『ヴァニティ・オブ・ドロップス』(ロバート・ルイス・スティーヴンソン) – 文明を離れた生活の賛美
  4. 『ナイチンゲールの歌』(カザンザキス) – 放浪者の哲学的考察
  5. 『沈黙』(遠藤周作) – 世間との葛藤と隠遁的信仰

現代の隠遁・脱世俗文学

  1. 『独居』(ルネ・デュモン) – 自然と向き合う生活の記録
  2. 『スローライフのすすめ』(ピエール・ラビ) – 物質主義社会から離れる生き方
  3. 『デザート・ソリテア』(エドワード・アビー) – 砂漠に隠遁した男の哲学
  4. 『エレミヤの書』(アンドレイ・プレヴィン) – 文明を捨てた音楽家の思想

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25.『人生の短さについて 』(セネカ)
トピック
序論 (§1) の後、セネカは人生を短く感じさせる雑念について考察し (§2–3)、人々は時間の無駄遣いをすることが多いと説明する。次に、さまざまな形で没頭した生活の犠牲者となった有名なローマ人 (アウグストゥス、キケロ、リウィウス・ドルスス) の 3 人の例を挙げる (§4–6)。

没頭している人は生き方や気づきの仕方を知らず、時間の価値を知らないために時間を無駄にしていると説明する (§7–8)。

明日では遅すぎるので、人は意図的に今を生きるべきだ (§9)。

対照的に (§10)、没頭している人の人生が非常に短く感じられるのは、はかない現在に縛られ、過去を苦痛とともに思い出すからである。彼らは、いつでも人生を捨てる用意がある賢者とは異なり、生きていないので必死に人生にしがみつく (§11)。

没頭している人の中には、余暇と贅沢に暮らす人々も含まれる(§12)。そしてセネカは、学問に身を捧げる人々でさえ、努力が果てしなく向けられていれば時間を無駄にしていると説明している(§13)。したがって(§14–15)、時間を適切に捧げる人々だけが真に生き、過去の偉大な精神と同等になり、賢者の精神が神のように時間を超越することさえ可能にする。

一方、没頭している人は(§16–17)、そわそわした矛盾した気分にとらわれ、彼らの喜びや楽しみは不安定さの感覚で苦い。最後に(§18–19)、セネカはパウリヌスに、公的な職業を放棄し、情熱から解放された賢者の瞑想的な生活を採用するよう勧めている。これは没頭している人の苦しみと対照的である(§20)。彼らは生きることなく死ぬのだ。

テーマ
セネカは、この論文の中で、私たちが時間を適切に評価していないために、多くの時間を無駄にしていると主張しています。私たちはお金や財産などの他の貴重なものを守るために多大な努力を費やしますが、時間は無形に見えるため、他の人に時間を占領させ、私たちから時間を奪わせてしまいます。

一方、賢明な人は、時間こそがすべてのリソースの中で最も貴重であることを理解しており、努力することで外部からのコントロールから解放され、意味のある内省に従事し、意図的な人生を築くことができます。

セネカは読者に、現在を生き、自然と調和した目的のある人生に適応するよう促しています。そうすることによってのみ、過去と未来の両方を真に解き放つことができます。現在の瞬間の完全性により、人間の意識は宇宙と同等に拡大し、真の美徳と幸福を達成することができます。

パウリヌスに公的生活から引退するよう促す発言は、セネカが友人アンナエウス・セレヌスに宛てた『静寂の霊性について』の中で、人生を魅力的にするために公職に就くよう助言したことと著しく対照的である。しかし、関連論文『放浪者について』では、セネカは矛盾はなく、どちらかの役割、あるいは両方の役割でより大きなコミュニティに貢献できると述べている。

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