私たちは受動的に世界を受け取っているのではなく、みずからの意識の働きかけによって能動的に世界を構成しているのです。私たちは意識を通して世界を理解し、意味づけしているのです。
ところが意味付けにはミスも生じるわけです。
ミスが生じても、客観的検証は難しいので、訂正も難しいですね。
夕陽を見て赤いのと印象を持ったとして、「意識が能動的に世界を構成する」ときにミスをしているかもしれない。でも、そのミスを検証して訂正することが難しいでしょう。
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構成主義
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たとえば、こうもりやイルカは、自分で超音波を発射して、その反射を感覚して、世界を知覚している。
人間は可視光線や音波を発射しているわけではないけれども、発射しているかのように、可視光線や音波を感知している。発射していなくても、目や耳の位置を少しずつ移動させて感覚していることで、似たような効果を出すことができる。「能動的」と似たような感覚ができる。
感覚は、時間的に継続的に入力される。それを、「ひとまとまりのもの」として認識するにはどうしても、構成が必要になる。30分間観察したものを、30分間の記憶にしていたら能率が悪い。一瞬の記憶に作り替える。