SE心理療法において、
・「治療関係」と「治療の構造」は、支持的側面(supportive aspect) を構成する。
・「CCRT(中心的葛藤関係テーマ法)」や「症状文脈法(Symptom-Context Method)」を用いた問題の探求は、表出的側面(expressive aspect) を構成する。
SE心理療法(SE psychotherapy)では、支持的要素(supportiveness) と表出的要素(expressiveness)の割合は、患者のニーズや病理に合わせて調整される。
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表出的作業(The Expressive Work)
患者をより深く理解するために耳を傾ける必要がある。あらゆるレベルのコミュニケーションを聞き取るため、注意を研ぎ澄ます。フロイト(Freud) は、これを 「自由浮動する注意(evenly hovering attention)」 と呼んだ。「開かれた傾聴(open listening)」「仏教の瞑想(Buddhist meditation)」。ここでの焦点は、「内容」ではなく「存在の状態(state of being)」 である。
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探究の深化
泥の流れる川で金を採掘するように、どこに金塊があるかは、実際に見つけるまで分からない。症状の出現も、患者の内的葛藤との関連が理解されることで、新たな意味を持つようになる。かつては手に負えなかった状況で、自分が「自由になった」と感じる。
患者は「過去の亡霊」を飼いならし、それが今の自分を「怖がらせる」ことがなくなっている状態であり、前に進む準備が整っている。
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心理療法の本質的なメカニズムは、人と人との関係性のプロセス である。
治療の2つの中心的要素、治療関係と探究作業の両方が、まさにそのメカニズムを動かしている。
人を助けるためには、患者を “異なる仕方で”知る、 つまり “感情的に” 知る必要がある。