瞑想療法メモ 26 至高体験 peak exprience

瞑想療法メモ 26 至高体験 peak exprience

瞑想訓練の最終的な到達点

瞑想的な訓練を積むことで、私たちは心の本質を深く理解し、最終的に自分の「深いアイデンティティ(本当の自己)」を認識します。この認識とは、自分自身が「至福に満ちた純粋な意識」であり、すべての人やものとつながっているという気づきです。さらに、自分の心に浮かぶ思考やイメージ、感情を客観的に認識しながらも、それらに振り回されずに済むようになります。

この境地こそが、世界中の瞑想者たちが求めてきた「一体感の体験(ユニティ・エクスペリエンス)」であり、人間の心の本来の、健康的で成熟した、そして至福に満ちた状態だとされています(Wilber, 2000b)。

●人間の本来の心の状態は、健康的で成熟した、そして至福に満ちた状態であるなどと、なぜ言えるのか。すべての人が完全な発達をするわけではないのは分かるはず。
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一時的な「至高体験」と持続的な変容

このような一体感や至福の体験は、さまざまな状況で一時的に起こることがあります。たとえば、以下のような状況で引き起こされることが知られています。

宗教的儀式(リチュアル)
断食(ファスティング)
幻覚剤(サイケデリックス)の使用
自然の中での体験
高度な心理療法(サイコセラピー)
激しい運動
出産の瞬間
臨死体験(ニア・デス・エクスペリエンス)
性愛の中での「超越的なセックス(トランセンデント・セックス)」
(これは高度なタントラ・ヨガの行者が自己変容のために用いる手法の一つ)

しかし、こうした体験は通常、一時的なものにとどまります。瞑想的な訓練を積まない限り、それらの体験を維持することはできず、深い意識の変容にはつながりません。持続的な変容をもたらすには、継続的な精神的訓練が不可欠なのです。
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ウィリアム・ジェームズ 「宇宙意識(コズミック・コンシャスネス)」
カール・ユング 「神秘的な体験(ヌミノース・エクスペリエンス)」
アブラハム・マズロー 「ピーク・エクスペリエンス(至高体験)」
エーリッヒ・フロム 「合一感(アットワンメント)」
トランスパーソナル心理学 「超個人的体験(トランスパーソナル・エクスペリエンス)」

ユング(1968):「心の深い層は、次第に集団的になり、最終的には普遍的になる」(p.291)
ジェームズ(1960):「私たちの個性は、宇宙意識という大海に、単なる偶然の柵を作っているにすぎない」(p.324)

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