瞑想療法メモ 28 動機(モチベーション)
動機(モチベーション)
動機の階層構造
瞑想的心理学(コンテンプレイティブ・サイコロジー)は、動機(モチベーション)を強いものから(最初は)弱いものへ、生存に関するものから自己超越に至るものへと階層的に整理します。
この階層構造は、特にヒンドゥー教のヨガにおいて明確に示されており、西洋心理学のアブラハム・マズロー(1971)やケン・ウィルバー(1999)の理論とよく似ています。
ヨガでは、生理的・生存の動機(空腹や喉の渇きなど)が最も強く、支配的であると考えます。
これらの欲求が満たされると、性的欲求や権力への欲求などが次の動機として現れ、それらが満たされた後に、「より高次の動機」(愛や自己超越への欲求)が生じるとされています。
自己超越(セルフ・トランセンデンス)とは、普段の「偽りの小さな自己」を超え、本来の自分の全体性に目覚めること、そして真の本質や可能性を認識することを指します。
マズローは自己超越を「自己実現(セルフ・アクチュアリゼーション)」よりもさらに高い動機と考えましたが、一部の瞑想的心理学では、「無私の奉仕(セルフレス・サービス)」も同じくらい重要であるとしています。